タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

滑川建築フェスで出会った歴史と美の宝庫

富山市の隣にある滑川市で開催された「なめりかわ建物フェス」に参加してきました。

このイベントは、地域の建築文化を紹介するもので、普段は非公開の歴史的建造物や文化財が特別に公開される貴重な機会です。

滑川市には、時代を超えて残る伝統的な建築物が点在しており、例えば、廣野家住宅や旧宮崎酒造など、どれも趣がありその時代の息吹を感じさせる建物ばかりでした。


組子の入った板戸が多かったです。
なぜか書院欄間にミニ組子が。
一重香図入り上障子襖。懐かしい。
書院障子に欄間、障子戸、折部襖・・・古い家は、組子建具が数多く設置されています
床の間のある家が本当に少なくなりました。床の間の横にある灯りとりの障子「書院障子」は組子職人の腕の見せ所だったのですが、住宅事情が大きく変わり激減。 そんな理由から当社が商業施設向けの組子を開発し、2000年からWEBで販売を始めました。

滑川の街並みを歩きながら、昭和の懐かしい風景を楽しむことができました。特に印象的だったのは、地元の方々がこのイベントを通じて建築遺産の保存と活用に取り組んでいる姿勢です。

富山県全体としても、世界遺産の五箇山合掌造りや岩瀨や八尾、井波地区などそれぞれ古い建築物や文化財が多いのですが、それらの地域では実際に多くの方が家に住まれて生活をされ、それぞれ古い建築物の良さをアピールするイベントやSNSなど発信されており、未来へつなぐ新しい価値を生み出そうとする熱意を最近感じます。

これからも、こうしたイベントが増え、富山全体が「建築の県」として活性化していくことを期待しています。また、古い建築物と新しい価値の融合がさらに深まり、地元の誇りとして長く受け継がれていくことを願っています。

組子端材を利用したアロマスプレーの販売を開始しました。

以前ブログでも紹介したアロマスプレーの販売を本格的に開始いたしました。
端材活用を通じた環境保全への取り組み

このアロマスプレーは富山県上市町にある AROMA SELECT 様(公式サイト)のご協力のもと、日々の組子づくりの過程で生まれる端材やかんなくずや木の端材をアロマスプレーへと再生する取り組みから生まれた製品です。

お部屋や車内、布製品にひと吹きで、深い森に包まれるような温もりある香りをお楽しみいただけます。
オンラインショップ「BASE」 と東京ギャラリーにてにて販売しております。ぜひ、実際にヒノキに包まれる心地よさを体験してみてください。

AROMA SELECT様 1st Anniversaryのご案内

AROMA SELECT様が、工房の移転から1周年を迎えられました。これを記念して、感謝祭を開催されることとなりました。
日時:2025年4月21日(月)~4月27日(日) 10:00~18:00(最終日は16:00まで)
場所:AROMA SELECT様(富山抽出工房 兼 店舗)〒930-0412 富山県中新川郡上市町広野753

感謝祭では、卓上かまど作りや左官アート作りなどさまざまなワークショップが開催されるほか、組子製作の際に発生するヒノキかんなくずや端材を使ったワークショップも開催されます。
国産の杉、ヒノキなどの貴重な天然資源が「ゴミ」として片付けられずに、最後まで利用されること 本当に嬉しく思います。

この機会にぜひAROMA SELECT様の工房を訪れてみてください。

詳しい内容はこちらからご確認ください。

東京ショールームでのミニ組子販売につきまして

これまでショールームにお越しいただいたお客様から、「ミニ組子を購入したい」というご要望を多くいただいておりました。
また、近年は海外からのお客様も増え、日本のお土産としてお持ち帰りになりたいというお声も寄せられています。

こうしたご要望にお応えし、このたび東京ショールームにてミニ組子の販売を開始いたしました。
現在、オンラインショップ「BASE」にて販売中のミニ組子18種に加え、組子の端材を活用したアロマスプレーもご用意しております。

なお、お支払いは、キャッシュレス決済を基本とさせていただいております。
今後は大阪ショールームにも展開を予定しておりますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

*各ショールームの詳細はこちら

大阪出張の成果と発見

2024年2月20日、大阪へ出張に行ってまいりました。

最初に訪れたのは、ヒルトンの最上級ブランドとして知られるウォルドーフ・アストリア・ホテルズ&リゾーツの「ウォルドーフ・アストリア大阪」です。

ヒルトンホテルは、多様な宿泊者のニーズに応えるため、8つの異なるランクのホテルを提供されています。
今回、見学させていただいたウォルドーフ・アストリアは、そのヒルトングループの中でも最高級のラグジュアリーブランドとなり、日本に初開業
となります。

ウォルドーフ・アストリア大阪 組子細工

このラグジュアリーホテルの設計とデザインは、香港出身の建築家アンドレ・フー氏によるもの。
モダンなデザインと日本の伝統意匠が融合した素晴らしい装飾で、ホテル内を見学させていただき、多くの驚きがありました。
ホテルを訪れる全ての人々に深い印象を与えることと思います。
4月3日に開業予定です。

ちなみにこのホテルは、大阪駅近くで進行中の「うめきた地区開発グラングリーン大阪」の中心に位置しています。
JR大阪駅の北側にあるこの梅田地区(うめきた)は「都心に残された最後の一等地」、関西再生の切り札として産学官が総力を結集し20年以上の時間をかけて開発を進めているプロジェクトです。


4月から開業する大阪万博に合わせていろいろな施設がこの地区にオープンを予定しており、当社でも多くの組子を納入させていただきました。
春になったら改めて設置させていただいた組子を見に行きたいと思います。

うめきた地区開発グラングリーン大阪

うめきた公園では、320種類以上の植物が植えられ、それぞれにネームプレートが設置されています。
さらに、QRコードが付いており、気になる植物をその場で簡単に調べることができるので、コンクリートで殺風景になりがちな開発地域を自然を感じながら楽しく散策できる工夫が感じられました。

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午後は、大阪ショールームを訪れました。
現在、大阪ショールームの規模拡張と物販展開を計画中で、詳細が決まり次第、改めてブログ等でご案内いたします。

ショールームが入っているATCトレードセンターからは、2025年に開催予定の大阪万博会場を望むことができます。
窓から見える大屋根リングは、完成に向けて着々と準備が進んでおり、間近に迫るイベントへの期待感が高まりました。

タニハタ 組子大阪ショールーム 大阪万博

大阪ショールームから万博会場のある駅まで2駅ということもあり、少し足を延ばして先日完成した夢洲駅(ゆめしまえき)へ。

夢洲駅は改札の台数も豊富に設置されており、駅構内の通路幅も非常に広くスペース確保されていました。

大阪万博 夢洲駅



今回の大阪出張では、最新のホテルや万博会場などを見学し、何もなかった場所に、多くの人の情熱と技術の結晶によって形作られていく過程を肌で感じることができました。一つの建造物が完成するまでには、設計から施工、そして細部に至るまでのこだわりや職人の技が積み重なっており、そのスケールの大きさと重みを改めて実感した次第です。建築業界に携わる者として、自らの仕事の意義を再認識するとともに、これからもより一層努力していきたいと感じました。

先日、アメリカのニューヨーク・タイムズが「2025に行くべき52カ所」を発表し、日本からは当社の工場がある富山市(30位)と今回見学した大阪市(38位)が選ばれましたが、組子細工を通じて、世界中の人々に日本の素晴らしさを知っていただけるようにこれからも発信していきたいと思います。


西川

大阪万博 夢洲駅 組子ショールーム

端材活用を通じた環境保全への取り組み

弊社では、 「木を無駄なく使い切る」 という考えのもと、組子の製造過程で発生する端材やかんなくずを再活用する取り組みを行っています。

その一環として、昨年より、富山県上市町にある AROMA SELECT 様(公式サイト)のご協力のもと、日々の組子づくりの過程で生まれる端材やかんなくずをアロマスプレーへと再生する取り組みをスタートさせました。

AROMA SELECT様は、「Made in 富山」にこだわり、富山の森で育った木々の中でも育林のために伐採された下草や、枝打ちによって廃棄される樹木 を原材料とし、精油を抽出されている企業です。森林資源を無駄にすることなく、自然の恵みを生かすものづくりを続けておられます。

今回、私たちは AROMA SELECT様の抽出工房兼店舗 を訪問し、精油の抽出過程について学ぶ貴重な機会をいただきました。

工房の扉を開けた瞬間に感じたのは、ふわりと広がるアロマの豊かな香りでした。
弊社の工場を訪れるお客様も、「木の良い香りがする」とおっしゃることが多いのですが、日々その香りに囲まれている私でさえも、ここで感じた自然の木々から生まれたアロマの香りには感動を覚えました。

工房では、精油を抽出する際に用いられる「水蒸気蒸留法」について、詳しくご説明いただきました。

実際に蒸留器を目の前にするのは初めてで、その仕組みや工程をじっくりと学ぶことができました。ちょうど見学時には、弊社の組子端材を使った抽出作業が行われており、抽出されたばかりのヒノキの精油の香りを体験することができました。
蒸留したてのヒノキの香りは爽やかで清々しく、私たちが日頃触れている木材が、こうして新たな形で香りとして生まれ変わる瞬間に立ち会えたことで、端材の持つ可能性の大きさを改めて実感しました。

そして見学の中で特に驚いたのは、AROMA SELECT様の徹底した自然配慮への取り組みです。
原材料として使われるのは 端材や廃棄予定の木々ですが、取り組みはそれだけではありません。精油を抽出した後に残る木材も工房内のかまどの燃料として再利用されていました。

「木を余すことなく使い切る」
ほんのわずかな無駄も生まれないよう工夫された仕組みに、深い感銘を受けました。私たちも組子づくりを通じて木と向き合う者として、その姿勢に大いに共感し、学ぶべきことが多いと感じました。

今回の見学を通して、私たちが日々扱う端材一つ一つに、価値と可能性が秘められていることを改めて実感しました。
弊社では、「木を活かし、木に生かされる企業でありたい」という想いのもと、組子製作を行っています。そして、これからも「木を無駄なく使い切る」ことを大切にし、地球と共存するものづくりを続けてまいります。

そして今後は、アロマスプレーという新たな形で、木の持つ魅力をより多くの方にお届けできればと思います。

尚、アロマスプレーに関しましては、こちらのリンクから詳細をご覧いただけます。

杉本

組子の製作体験

2月12日

富山市のインバウンド事業のFamトリップで欧米の旅行会社様に工場見学にお越しいただきました。
スマホスタンド製作体験では、まずは組子職人の金槌の使い方伝授から始まり、皆さん真剣に一つ一つのパーツを組み付けておられました。

体験中には、さまざまな組子文様に興味を示していただき、職人が質問にお答えする場面もありました。特に、曲木を使った菊文様に感動されている様子が印象的でした。

鉋けずり体験では、削りたてのかんなくずの香りに感動されていました。
普段触れることのない職人道具を手にし、とても貴重な体験ができたとのことでした。

アメリカのニューヨーク・タイムズが発表した「2025年に行くべき52カ所」に富山市が選ばれたことを受け、今後、海外から組子体験を目的に訪れるお客様が増加すると見込まれます。
弊社では、「富山に来て良かった!」「タニハタに来て良かった!」と感じていただけるよう、これからも工場見学を通じてお客様を心より歓迎していきます。

杉本

美術組子 イメージ動画アップしました

お客様のご要望に当社デザイナーがお応えするタニハタの完全オーダーメイド組子「美術組子」。
そのイメージ動画が完成しました。
デザインは富山の雨晴海岸から見る立山連峰。
最高の技術、木材を駆使してタニハタの職人が作り上げます。


富山 立山連峰 組子細工

タニハタの事業活動に伴うCO2排出量について

ここ数年、地球温暖化による様々な問題、自然現象が発生しています。
氷河の融解や海面水位の変化、山火事や洪水、干ばつ、陸上や海の生態系への影響、それらによる食料生産や健康など人間への影響など・・・



先日、日本経済新聞で「地球温暖化」「気候変動」の言葉が記事の中にどれくらい出現するのか調べてみたところ

2014年1月1日~12月31日   「地球温暖化」  271件    「気候変動」  279件
2024年1月1日~12月31日   「地球温暖化」 1761件  「気候変動」 1447件

10年で約5~6倍の出現数になっています。
経済界はエネルギーや素材を「化石燃料」に頼ることが多く、温暖化や気候変動に対して懐疑的な見方をする傾向にありましたが、実際にはリスクとして認識し対策をしっかりする企業が増えてきていると感じています。

地球地球温暖化は、科学的なコンセンサスとしては、人間の生活、経済活動などから発生するCO2などの温室効果ガスが原因とされています。

当社でも2011年の震災以来、エネルギー問題に取り組んでおり、2021年にはSBT認定を取得しました。

2020年より会社の事業活動から発生するCO2排出量も測定しています。

SBTの目標でもある、Scope1,Scope2(自社からのCO2計算直接排出)に関しては大きくCO2排出量を削減し、すでに目標を達成しています。
(CO2排出はほぼゼロになっています。)

しかし、Scope3(サプライチェーン排出量)では、逆に増加しています。(自分で排出量を計算しているといろいろなことが見えてきます。)

原因としては、ここ数年大きく組子の生産数が伸びており、材料や加工設備などを購入していることが大きな要因になっています。
自社内でCO2排出を減少させても、生産量が大きくなると、自社以外でCO2が大きく発生してしまいます。
Scope3の削減は自社の努力だけで削減することは難しく、取引先を含めて対策することが必要になってきます。


経営者としては、社員達の生活を向上させるために、数字を伸ばすことを目標に掲げる必要がありますが、それをすることによりCO2の排出は上がる傾向になります。この相矛盾する目標を達成するためにタニハタではどういうモノづくりを行っていくべきか・・・しっかりと方向性を定め、環境に負荷をかけないモノづくり、地球温暖化対策を職人や取引先と共に行っていきたいと思います。

組子製作動画「香図」アップいたしました

組子文様「香図」の製作動画をアップいたしました。
https://www.youtube.com/watch?v=g7wCwqZu824

香図は、水平線と垂直線から成っており、室町時代に完成したと言われる「香道」に由来を持つ美しい図柄です。
東京・目黒の結婚式場「ホテル雅叙園東京」様にある百段階段にはこのデザインの建具が数多く設置されています。
https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100dan


これからも歴史や伝統を深く学び続けながら、日本の組子を世界へ発信してまいります。



ニューヨーク・タイムズ 「2025年に行くべき52か所」に富山市が選ばれました

アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」が「2025年に行くべき52か所」を発表し、日本から富山市と大阪市が選ばれました。

タニハタの本社がある「富山市」は30番目(大阪は38番目)となりました。

富山市は、立山連峰の美しい景観と豊かな自然が魅力。
四季折々の美しい自然の風景が楽しめ、伝統文化、美食、新旧の建築物が調和した魅力的な観光地です。

タニハタの組子細工も昨年末、富山市の観光プロモーション動画で紹介していただきました。

https://www.youtube.com/watch?v=4N7-Xa4BBbk
1分40秒あたりで当社の組子と職人が紹介されています。



今回、世界の観光地として富山市が選ればれ、富山市民として誇らしい気持ちでいっぱいです。
2025年は多くの方に富山市を訪れていただき、その魅力を心ゆくまで堪能していただけたら幸いです。

・JR 北陸新幹線 春の誘客ポスターに組子細工が採用
富山市で学ぶSDGs旅行
富山工場での組子ワークショップ



2025年に行くべき52か所 富山市 伝統工芸 組子細工
ニューヨークタイムズ紙 2025年に行くべき52か所 富山市 組子細工 株式会社タニハタ

事務所前のオリーブを収穫しました

富山工場の玄関アプローチにオリーブの木を植えてから、もうすぐ7年が経とうとしています。
会社の環境を少しでも緑豊かにしたいという思いがあり、オリーブの木を植えました。
夏の暑い時期も、皆で毎日水やりを続け、今年は1本の木に20個以上のりっぱなオリーブの実がなりました。

あまりにも立派なオリーブの実だったので軽い気持ちで「玄関のオリーブをみんなで食べてみましょう」と社長に提案したところ、快くOKをいただきました。

しかし、オリーブの渋抜きがあんなに大変だとは知らず、食い意地を張ったことを後で後悔することに。。

オリーブの収穫時期は用途によって異なります。塩漬けやオイル漬けにする場合は完熟前の11~12月頃、
完熟させる場合は1~2月頃が適しています。ただ、完熟すると鳥に食べられてしまうと聞き、完熟前の少し紫に色づいた11月に収穫を行いました。

オリーブにはポリフェノールが多く含まれており、完熟前のオリーブは渋みが強く、そのままでは食べられません。
渋抜きの方法を調べたところ、市販のオリーブの多くは苛性ソーダを使って処理されており、
この方法が最も早く渋を抜くことができるとのことでした。しかし、苛性ソーダは劇薬で入手困難のため断念。

他の方法を調べると、塩水漬けでは1年、水のみでは毎日水を替えて7か月かかると知り、
最終的に「2週間は重曹水を入れ替え、その後は毎日水と塩を使い、塩分濃度を徐々に上げていく方法」を採用しました。

収穫から約2か月、毎日水を替えながら待ち続け、ようやくタニハタ産のオリーブの浅漬けが完成しました。


クラッカーにチーズを乗せ、その上にオリーブの輪切りを添えたカナッペをのせて社員全員でいただきました。

結果は好評で、毎日渋抜きを頑張った甲斐があったと感じています。

渋が強くて食べれなかったオリーブも根気良く手塩にかけて育てれば、美味しくなる。
組子づくりにも通じるところだと思いました。
なにより会社で実ったオリーブを社員全員で美味しくいただけたことを嬉しく思います。


西川

「香図」の由来である香道体験に行ってきました。

弊社で展開している「吉祥組子」からも分かるように、日本の古い文様や図柄には、それぞれに古くからの歴史があります。今回紹介する「香図」は、水平線と垂直線から成っており、室町時代に完成したと言われる「香道」に由来を持つ和風図柄です。

お客様から度々ご質問をいただくこの図柄について、その由来である「香道」をより深く理解するため、香舗伽羅-金沢-様にて香道体験をしてきました。香図が誕生した由来に触れながら紹介させていただきます。

〇香道とは
日本には、およそ500年も昔から、「香道」があります。華道・茶道とともに「香道」は日本三大芸道の一つと言われています。香道とは、香木の微細な違いを聞き分けながら、和歌、歴史、季節などを題材に香りを楽しむ芸道です。
代表的なものに、香りを聞き分ける「組香」という遊びがあります。「組香」というのは、参加者が何種類かの香りを聞き、何番目がどの香りだったかを聞き当てるゲームのようなものです。参加者の優越を決めるものではなく、あくまでもその香りやテーマ、空間を楽しむ文学性、芸術性の高い風雅な遊びです。
(引用:https://www.kyara.co.jp/experience)

今回は、代表的な組香の一つである「源氏香」を体験しました。

5回お香をたいて香りを聞き、どの香りが同じであったかを当てる組香で、全ての香りを聞いたあと和紙にお答えを記します。お答えは、まず縦線を5本書き、右から順番に聞いた香りが同じ場合、線の上部を横棒でつなぐのですが、このお答えの図が組子の図柄としても用いられる「香図」の由来となっています。

約1時間のプログラムを通じて、当時の遊びを体験しながら日本の伝統に触れ、何百年も前の歴史に思いを馳せる貴重な時間を過ごすことができました。私たち組子屋にとって、日本の伝統を伝える役割を担う以上、歴史を学び、それを自ら体感し理解することは欠かせないと感じています。

これからも、歴史や伝統を深く学び続けながら、日本の組子を世界へ広めていくことに努めてまいります。

杉本

組子の製作体験(11月)

11月8日 

中東から2組のご夫婦が工場見学に来社されました。
ご夫婦で建築関係のお仕事をされていたり、普段から趣味で木工をやっておられる方々でしたので、あっという間にワークショップの組子を完成されました。パーツの出し方や角度の付け方など細かい部分について多くご質問をいただきました。

工場見学中も興味深く話を聞いていただき、大変有意義な時間となりました。

今回お越しいただいたお客様はもともとは2023年に工場見学のご予約をいただいておりましたが、情勢の問題により日本への渡航が延期となり、一年越しにお会いすることができました。

12月4日
北陸3県の事業で今回はオーストラリアの旅行会社を対象としたファムトリップでタニハタに工場見学にお越しいただきました。

ジグソーパズルが趣味とのことで、細かい隙間に入ったボンドのはみだしも丁寧に拭き取りながら、ハッパ入れを行っておられました。

組子に興味を持ち、遠方から富山までお越しいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
今後も海外からのお客様にもご満足いただけるよう、工場見学の内容をさらに充実させてまいります。

組子の設置写真が届きました

組子の設置写真が届きました。

IMS Me-Life クリニック 東京様
東京都中央区日本橋に2024年4月に移転リニューアルオープンしたIMS Me-Life クリニック 東京様。
吉祥組子「麻の葉・桜・竜胆」を納品させていただきました。



日本テレビ様 スタジオセット
2024年10月期日本テレビ系ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」のスタジオセットに、タニハタの組子が使用されました。



すし玉 富山掛尾本店様 (富山)
創業40周年を迎えられた「すし玉富山掛尾本店様」。麻の葉ちらしの4種類のデザイン、計9枚を納品させていただきました。

S邸 (福井)
麻の葉ちらしのちぎれ雲TCタイプをご採用いただきました。
3枚並びの障子になっており、右の三つ組手と左・中のちぎれ雲が自然に流れるよう工夫されています。

美咲の家Ⅲ K邸(群馬)
群馬県の個人様邸に、吉祥組子の「麻の葉」「桜」「胡麻」「竜胆」、麻の葉ちらし「結び風」を納品させていただきました。

中国料理 白龍様 (京都)
店名にも使用されている「龍 」二体が、大空を悠々と飛ぶ姿をイメージしてデザインさせていただきました。



組子PhotoGallery 一覧

鉋の研修を行いました。

組子細工は、飛鳥時代から続いている伝統木工技術です。
伝統技術ではありますが、最近は手業が半分、機械加工が半分といったところになってきました。

木材の「切削加工」は、主に機械を使いますが、機械に頼りすぎた反動で、組子職人として大切な部分が失われていると感じることが多くなり、若い職人達から「もっと道具での切削加工を行いたい」と話しがでることが多くなりました。

そんな理由から今年5月に木工作家の小松研治先生に工場まで来ていただき鉋の講習会を開きましたが、職人達に好評だったことから二回目の研修会を先生の工房で行いました。

刃の研ぎ方、道具の扱い方、安全への配慮、治具や型などの作り方、木材の見方、木工職人としての在り方など・・朝9時から夜遅くまで、たくさんのことを教えていただきました。小松先生は、富山大学 芸術文化学部で名誉教授をされていた御仁で、本当にわかりやすく、職人達のいろいろな質問にも丁寧に答えていただきました。




槍鉋も使用させていただきした。 皆、本当に楽しそう。

西岡常一さんの言葉で「道具に恥じない仕事しなさい」とありますが、若い職人達が胸を張って仕事ができるよう当社でも少しずつ「工芸化」に環境を整えていきたいと思います。

谷端

<富山県SDGs宣言>のサイトに取り上げていただきました

このたび、タニハタの環境問題への取り組みが、<富山県SDGs宣言>のサイトに取り上げられました。

 「富山県SDGs宣言」は、県内企業や団体等のSDGsの取組みを県の専用ウェブサイトに掲載するなど「見える化」し、広く情報発信することで、富山県のSDGsの取組みを推進していくものです。現在、富山県内500件近くの企業が登録しており、SDGsに関するいろいろな取り組みを発信しています

取り組み紹介ページ

富山県SDGs宣言に参加することで、私たちの取り組みがさらに広がり、多くの人々に知っていただけることを嬉しく思います。
これからも、組子づくりを通じて持続可能な社会の実現に向けて努力を続けてまいります。

工場屋根の断熱改修を行いました

組子製作工場屋根の断熱改修が終わりました。
今年の夏も工場内はかなり暑く、クーラーをつけても30度を下回ることがなく、職人達の体調管理のために工場屋根の貼り替えと断熱工事を決断しました。

改修工事前
工事後


改修工事により、工場内の温度が安定し、冷暖房の使用を減らすことができる(はずです。)
ちなみに屋根の色を変えるだけでも工場内の気温が下がるとのことです。

夏の暑さや冬の寒さを効果的に遮断し、エネルギー消費、CO2排出量を大幅に削減することができます。



工場の自転車小屋もボロボロになっていたので新しく作り替えしました。当社の組子職人達で少しずつ改修。
組子屋らしく枡格子を入れてみました。


職人達の作業効率も向上し、組子製品の品質も向上することを期待しています。
50年以上経過している工場ですが、職人達で快適になるように毎年少しずつ改築しています。

これからも、環境に優しい取り組みを続けていきたいと思います。

建築雑誌「コンフォルト」が創刊200号を迎えました。

建築雑誌「コンフォルト」が200号記念という節目を迎えました。

1990年創刊、ということでタニハタでも長い間購読させていただいております。

今号の表紙は凹凸のあるエンボス加工が施されており、200号記念に相応しい高級感のある記念号になっております。

記念号の特集テーマは「日本の気配」。

「組子細工」の意匠、木の質感、香り、納まり、そして組子と光が合わさって壁や床に映り込む美しい影。

その影は薄く濃く、消えたり現れたり・・・「気配」を我々に感じさせてくれます。

人の五感に働きかける製品が日本にはありますが、組子細工もそのひとつなのかもしれません。
タニハタの組子「麻の葉ちらしシリーズ」も記事として取り上げていただきました。

この特集号を通じて、建築の未来を見据えた新しい視点を得ることができるはず。

建築業界の方はぜひ手に取って、ご一読ください。

https://confortmag.net/

コンフォルト 200号 タニハタ 組子

ドイツ ベルリンで日本の木工技術に関するイベントが開催されました

ドイツのベルリンで日本の木工技術を中心としたイベント「JDZB x UTSUWA」が開催されました。
今回、タニハタではワークショップに協力させていただきました。

胡麻柄の組子を製作していただいたのですが、参加者の方はとても苦戦していたようです。
でも皆さんとても楽しんで、完成した組子を喜んで持ち帰っておられたとのこと。
今後も今回のようなイベントが、日本の木工芸、組子細工の素晴らしさを広め、両国の人々を結びつける架け橋となることを願っています。

●「器プロジェクト」は、日本の伝統工芸と和建築技術を海外に広める活動をしている組織です。
2015年に大阪で始まり、2018年からはドイツでも活動を展開。
国際フォーラムやワークショップを通じて、日本とドイツの職人が意見交換を行っているプロジェクトです。
タニハタでは2021年より参加させていただき、ワークショップや組子技術の情報発信など協力させていただいております。

JDZB ベルリン日独センターは、日本とドイツ両国政府の共同出資によって運営されている財団で、日本とドイツの学術・文化をはじめとする幅広い知的交流の促進を目指している組織です。

ひのき材 ホワイトペレットの販売につきまして



今年もペレットストーブ用のひのき材ホワイトペレットの販売を開始いたします。
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タニハタでは、組子加工に伴い、そこから発生するオガクズを小さな木のつぶに圧縮加工(ペレット化)する機械「ペレタイザー」を2020年秋に導入いたしました。

富山の冬は寒く、石油ストーブで暖を取る、というのがあたりまえでしたが、このペレタイザーとペレットストーブの組み合わせで、昨年の冬は石油ストーブを一切使用しませんでした。

ペレット燃焼時に出る二酸化炭素は、木が成長する際に吸収した分の二酸化炭素なので、 石油のように大気中の二酸化炭素を増加させることがない脱炭素社会にマッチしたバイオマス燃料です。(タニハタでは地球温暖化対策を進めており、化石燃料を使用しないモノづくりを実践しています。)

冬以外の時期に太陽光エネルギーで製造した「ひのきペレット」をこれからの寒い季節に工場にあるペレットストーブ(8台)の燃料として使用するのですが、当社のストーブだけではすべて使い切ることができませんので、一般の方にも一部販売しております。

詳しくは下記をご覧ください。
タニハタ ヒノキ材ペレットの販売につきまして

ひのき 杉 ホワイトペレット 販売
不純物の少ない「ホワイトペレット」を製造しています。 主原料は組子用のひのき材と杉材となります。
ペレットストーブ用燃料 販売 ペレット
工場の中には、ペレットストーブが8台あります。石油ストーブは一切使用していません。
ペレット 燃料 販売 安い
1袋=10キロ 
ペレット まとめ買い 富山県
10キロ入の袋が35袋入った状態でお届けします。
ペレタイザー 工場
工場の中にペレットを作る機械「ペレタイザー」を2020年導入しました。
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