タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

建築雑誌「コンフォルト」が創刊200号を迎えました。

建築雑誌「コンフォルト」が200号記念という節目を迎えました。

1990年創刊、ということでタニハタでも長い間購読させていただいております。

今号の表紙は凹凸のあるエンボス加工が施されており、200号記念に相応しい高級感のある記念号になっております。

記念号の特集テーマは「日本の気配」。

「組子細工」の意匠、木の質感、香り、納まり、そして組子と光が合わさって壁や床に映り込む美しい影。

その影は薄く濃く、消えたり現れたり・・・「気配」を我々に感じさせてくれます。

人の五感に働きかける製品が日本にはありますが、組子細工もそのひとつなのかもしれません。
タニハタの組子「麻の葉ちらしシリーズ」も記事として取り上げていただきました。

この特集号を通じて、建築の未来を見据えた新しい視点を得ることができるはず。

建築業界の方はぜひ手に取って、ご一読ください。

https://confortmag.net/

コンフォルト 200号 タニハタ 組子

ドイツ ベルリンで日本の木工技術に関するイベントが開催されました

ドイツのベルリンで日本の木工技術を中心としたイベント「JDZB x UTSUWA」が開催されました。
今回、タニハタではワークショップに協力させていただきました。

胡麻柄の組子を製作していただいたのですが、参加者の方はとても苦戦していたようです。
でも皆さんとても楽しんで、完成した組子を喜んで持ち帰っておられたとのこと。
今後も今回のようなイベントが、日本の木工芸、組子細工の素晴らしさを広め、両国の人々を結びつける架け橋となることを願っています。

●「器プロジェクト」は、日本の伝統工芸と和建築技術を海外に広める活動をしている組織です。
2015年に大阪で始まり、2018年からはドイツでも活動を展開。
国際フォーラムやワークショップを通じて、日本とドイツの職人が意見交換を行っているプロジェクトです。
タニハタでは2021年より参加させていただき、ワークショップや組子技術の情報発信など協力させていただいております。

JDZB ベルリン日独センターは、日本とドイツ両国政府の共同出資によって運営されている財団で、日本とドイツの学術・文化をはじめとする幅広い知的交流の促進を目指している組織です。

ひのき材 ホワイトペレットの販売につきまして



今年もペレットストーブ用のひのき材ホワイトペレットの販売を開始いたします。
-----

タニハタでは、組子加工に伴い、そこから発生するオガクズを小さな木のつぶに圧縮加工(ペレット化)する機械「ペレタイザー」を2020年秋に導入いたしました。

富山の冬は寒く、石油ストーブで暖を取る、というのがあたりまえでしたが、このペレタイザーとペレットストーブの組み合わせで、昨年の冬は石油ストーブを一切使用しませんでした。

ペレット燃焼時に出る二酸化炭素は、木が成長する際に吸収した分の二酸化炭素なので、 石油のように大気中の二酸化炭素を増加させることがない脱炭素社会にマッチしたバイオマス燃料です。(タニハタでは地球温暖化対策を進めており、化石燃料を使用しないモノづくりを実践しています。)

冬以外の時期に太陽光エネルギーで製造した「ひのきペレット」をこれからの寒い季節に工場にあるペレットストーブ(8台)の燃料として使用するのですが、当社のストーブだけではすべて使い切ることができませんので、一般の方にも一部販売しております。

詳しくは下記をご覧ください。
タニハタ ヒノキ材ペレットの販売につきまして

ひのき 杉 ホワイトペレット 販売
不純物の少ない「ホワイトペレット」を製造しています。 主原料は組子用のひのき材と杉材となります。
ペレットストーブ用燃料 販売 ペレット
工場の中には、ペレットストーブが8台あります。石油ストーブは一切使用していません。
ペレット 燃料 販売 安い
1袋=10キロ 
ペレット まとめ買い 富山県
10キロ入の袋が35袋入った状態でお届けします。
ペレタイザー 工場
工場の中にペレットを作る機械「ペレタイザー」を2020年導入しました。

新潟県へものづくり研修に行ってきました。

10月末、職人達と共に新潟県へものづくり研修に行ってきました。

【一日目】
●燕三条ものづくりメッセ
初日は、金物や洋食器作りが盛んなモノづくりの町<新潟県燕三条>で開催されている「ものづくりメッセ」 に行ってきました。

朝10時過ぎに入場。朝早い入場でしたが、新潟メッセ会場に入るとすでにかなり熱気・・・圧倒されました。

各ブースでは来場者の方に見てもらおうという工夫が感じられ、時間があっという間に過ぎていました。金型、ロボット、AI 、計測機械など様々なものが出品されており、「さすがモノづくりの町 燕三条」というイベントでした。
組子製作に役立つ道具もいろいろ出品されており、大変参考になりました。

●イタリアンレストランTsubamesanjoBit
昼食は、地元で三条で製造された食器やカトラリーを使った料理が出てくるということで楽しみにしてきました。
日本刀をイメージしたナイフは、MARUNAO(マルナオ)という企業のもの。厚みのある肉もスッと切れたのに驚きました。美味しいイタリアンを上質の食器で食べられるよい機会で心から堪能しました。

主役である食べ物を味わうのは勿論ですが、それを引き立てるインテリアや食器なども食事を楽しむ中でとても重要な要素。タニハタ組子もレストランへの納入事例が増えていますが、なぜオーナー様が組子をお選びになるのか・・・食事という体験の一部として、組子の繊細さや高級感がお店のイメージをアップさせる重要な役割を果たすのだと食事をしながら感じました。

天井装飾は、金属加工の際に発生する端材を使用したもの。処分される材料も工夫によって豪華なインテリアになり温かみのある感じの仕様になっています。これからのモノづくりは、作る側の工夫で、端材やゴミを極力出さないようにする工夫が必要だと感じました。

●三条鍛冶道場
和釘の製作体験をしました。

金物のまちとして広く知られている三条市は、その発祥をたどれば江戸時代の和釘づくりから始まったとのこと。
タニハタの職人達も伝統建築の一端を担うものとして和釘ワークショップに挑戦しました。

階折釘と巻頭を作るとのことで熟練の職人が手本を見せてくれたのですが、実際やってみるとかなり難しい…
普段と違う金槌の使い方に苦戦しスタッフの方に何度か直されたのが、木工職人として何とも言えない心境でした。
ただ・・出来上がった釘を見ると嬉しかったです。
タニハタの組子ワークショップも初めてのお客様がほとんどです。職人として組子体験にいらした方々にどのようにすればわかりやすく教えられるか考えるきっかけをいただきました。
弊社でも、お客様の満足度を上げる工夫をこれから話し合ってみたいです。

ちなみにここの和釘は、伊勢神宮で使用されており、次回の式年遷宮は2033年で20万本以上の和釘がここ三条から作られるとのことです。
新潟県中の小学生が必ず一度は和釘作りを体験するという面からも、この伝統技術を次の世代まで繋げようという意気込みを強く感じました。

●月岡温泉 華鳳様
富山から「温泉地」をイメージした場合、お隣石川県の温泉郷(和倉、山中、山代温泉、片山津)が出てくるのですが、今回の新潟訪問でイメージが大きく変わりました。部屋、料理、サービス、温泉の質・・・どれをとっても満足度が高く、自分の勉強不足を恥じました。

月岡温泉華鳳様では、以前チャペルに納入させていただいた組子を見せていただきました。
マス目サイズが大きなピッチのものだったのですが、これによりモダンな印象を与えるのに加えて「写真にしたときに被写体が綺麗に見えるメリット」と感じました。

結婚式は新郎新婦二人の姿を撮影することが多いですが、遠くから撮影しても大柄であることで文様のマス目が写真上で潰れず、とても綺麗な文様だと分かります。
組子細工は細かい繊細な柄が美しいので、ついついお客様に小さなマス目をオススメしてしまうのですが、お客様の設置される空間の大きさをしっかりイメージして、マス目のご提案をしなければ・・・と感じました。

館内の内装は本当に素晴らしく格式高くまとまっていました。部屋から見える田園風景も素晴らしかったです。

【二日目】
●大地の芸術祭
大地の芸術祭は、新潟越後で3年に一度行われる世界最大級の国際芸術祭。
旧6市町村(十日町、川西、中里、松代、松之山、津南)に300点以上点在するアート作品を巡って楽しむイベントです。

訪問した越後妻有里山現代美術館MONETでは、実際に手を使って触れて、動いているアート作品を見ました。人が持っている五感を駆使してみることで、アートをより身近に感じる…それを実感できた時間でした。

草間彌生さんの作品 すごい存在感でした。

●十日町市博物館 
2020年に新しくなったこの博物館はとても美しく、また楽しい博物館でした。

展示されている国宝の火焔型土器は本当に素晴らしく、5000年前の縄文人のモノづくりへの情熱が伝わってくるようです。炎のカタチは、「器」としては装飾過多なのかもしれませんが、「私はこれを作りたいのだ」という縄文人の熱い声が聞こえてきそうでモノづくりをするものとしてとても感動しました。上写真の草間さんの作品にも通じるエネルギーを感じます。

縄文時代のモノづくりの道具。石斧を木に巻き付けて加工。この時代の職人魂に脱帽です。。

展示の仕方もいろいろ工夫されており、ここに昔から住んでいた新潟の方の生活に思いを馳せながら博物館を見てまわりました。
古い文様を製作するモノづくりの会社として、大変勉強になりました。 建物も雪の文様をあしらった美しいデザインでした。

●カールベンクスさん訪問 

10年ほど前にカールさんの書籍を読んで「いつか行かなければ・・・」と思い、やっと実現することができました。
カールベンクスさん、奥様のクリスティーナさんは、1993年に新潟県十日町市竹所地区にあった築120年の古民家を購入し、自宅として再興。
約30年間、いまも奥様とふたりで暮らしておられます。

NHK Eテレで数年前から定期的に放送されているのでご存じの方も多いと思いますが、カールさんの情熱と努力は、新潟県の古民家に新たな命を吹き込み、日本に昔からある伝統建築、木工技術、国産木材、限界集落の魅力を多くの人に発信し、私達日本人に「本当に素晴らしい宝ものは目の前にあるんだよ。」と静かに投げかけてくださいます。

もう長年NHKで継続して放送されているのは、 現代人の生き方に疑問を持っている方が多くなっており、彼の考え方に共感する方も増えているのだと感じます。(私もその一人です。)
カールさんとお話している最中にもいろいろな方からお声がけや握手を求められて、気軽に接しておられるご様子からとても穏やかな方で多くの方に愛されているのが分かりました。
古民家を再生させるのは実際には大変なお仕事だと思いますが、カールさん、そして今回対応していただいた建築士の小野塚さん共々とても充実しているように見えました。

最近は古民家再生が日本全国で行われており、地域再生や観光復興の鍵としてもクローズアップされています。しかし、重要なことは、そこに以前から住んでいる方と共に行うこと。本来そこにあった文化や風土、そして「人」が守られていくことが最も重要だと感じました。



大変お忙しい中、再生された家の中を案内していただきました。  カールさん 小野塚さんに本当に感謝です。

最後に記念撮影させていただきました。

今回、新潟研修旅行では多くのことを学び、たくさんの刺激を受けました。
研修で学んだことを仕事や生活に生かし、新しいモノづくりに精進していきたいと思います。
今回研修旅行に関わってくださったすべての皆様に感謝申し上げます。

組子の製作体験(10月)

10月11日

富山北部高校の保護者様ご一同にお越しいただきました。
PTA活動の一環として、大学見学会の後、弊社の製作体験にご参加いただいたとのことです。

製作体験では、吉祥組子「胡麻」文様を組んでいただきました。
組む順番の工夫や繊細な組子への力加減など、 普段行わない作業の数々に皆さん苦戦しているご様子でしたが、中には、ヒントがない状態で完成させた方が居られ、職人たちも驚いておりました。

製作体験の他にも、
弊社の歴史や環境への取り組みをお話させていただき、実際の製作風景もご見学いただきました。
見学中、工場内に溢れる木の香りに感動されている様子がとても印象的でした。
近年、サッカー部や野球部など富山県大会決勝まで進出されるなどめざましい活躍をみせている富山北部高校のスポーツ部ですが、熱い保護者の方々のバックアップがあるからこそ・・・と感じた次第です。

後日ご連絡をいただき、
「子どもがこのような会社に就職できたらいい」との嬉しいお言葉を頂戴しました。
弊社を知っていただいた方からこのようなお言葉をいただけたことは、大変光栄なことです。
弊社としても、組子や会社について知っていただく貴重な機会を設けていただいたことに感謝しています。

杉本

-------------

10月22日

金沢商工会議所 女性会様に工場見学にお越しいただきました。
「女性の元気が未来を築く!」をモットーに、平成20年10月に設立された女性会は、活躍しやすい環境作りを目指して精力的に活動されています。

今回の工場見学では、組子細工のスマホスタンド作りの体験も行っていただきました。
体験後、皆様が完成したスマホスタンドを手に取り、その美しさに感動されている様子を拝見し、私たちもとても嬉しく思いました。
ワークショップの時間は約1時間と短いものですが、伝統工芸である組子細工の美しさを少しでも感じていただけるよう、職人たちが丁寧に仕上げと検品を行い、お渡ししております。

金沢という土地柄、日本の「伝統工芸」や「伝統文化」に造詣が深い方が多く、質問もかなり専門的なものが多かったのが印象に残りました。
エネルギッシュな女性経営者会の方々とのひとときは、私たちにとっても元気をいただける素晴らしい時間となりました。

西川

日本テレビのドラマにてタニハタ組子をご使用いただきました

この度、タニハタの組子が日本テレビのドラマ 「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私」のセットに採用されました。

「若草物語」は、1868年にアメリカで出版された不朽の名作小説。
家族の絆と成長の物語を描いた心温まるドラマで、50カ国語以上の言語に翻訳され、世界中で数々の映画、舞台、ミュージカルになっています。
今回のドラマは、アメリカから令和の日本に舞台を置き換えて描かれており、和風製品である私たちの組子がドラマのシーンを引き立てています。

弊社で保管していた「麻の葉ちらし」や特注組子を、スタジオセット用に加工し納品させていただきました。

今年の夏頃「タニハタの組子をドラマの中に使用したい」とのお話を日本テレビ様からいただいたことがきっかけとなり、今回の件が実現いたしました。
ドラマの主要キャストでもある有名脚本家の仕事場ということで「品」「高級感」に合ったインテリアを探しておられたようで、WEBサイトで見かけたタニハタの組子の品質の高さにご興味をお持ちいただいたとのことです。

当社の組子製品が多くの方々の目に触れる機会をいただいたことは大変光栄なことです。
すでに三話目となっておりますが、弊社一同、楽しみに毎週番組を拝見しております。

ドラマをご覧になりながら、私たちの組子にもぜひご注目ください。


●2024年10月スタート/ 毎週日曜よる10時30分より日本テレビ系にて放送中
番組名:若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私

クラフトフェア「ツギノテ」が開催

今週10月19日(土)と20日(日)の2日間、富山県の高岡市営高岡中央駐車場でクラフトフェア「ツギノテ」が開催されます。
「ツギノテ」 は、全国のクラフト作家やものづくり職人が一堂に会するイベントで私もゲストスピーカーとして参加することになりました。

その他にも職人の実演展示やデザインショップ、フードブースも並び、子供も大人も楽しめるワークショップが多数開催されます。
モノづくりに興味のある方はぜひ「ツギノテ」に足を運んでみてください。

ツギノテについて Web Site

とやま環境財団より<地球温暖化対策推進功労企業>として表彰を受けました

富山テクノホールで開催された「とやま環境フェア2024」において、タニハタが地球温暖化対策推進功労企業として、とやま環境財団から表彰されました。
とやま環境財団は、平成3年に設立されて以来、ごみ問題などの地域的な課題から地球温暖化などの地球規模の環境問題に至るまで、富山県民、企業、行政が一丸となって取り組む多岐にわたる活動を展開している団体です。

タニハタでは、2011年3月の東日本大震災以降、エネルギー問題、地球温暖化対策に取り組んでいます。環境への負担をゼロにすることは不可能ですが、できる限り社会や子どもたちに負担をかけない経営を目指しています。まずは職人一人ひとりが環境負荷をかけずにどこまでできるかを考え、少しずつ取り組んできました。今回の受賞は、その努力が認められたということで職人共々大変嬉しく思っております。

エネルギー問題に取り組むには、個人の力だけでは不十分です。職人たちが協力し合い、一緒に取り組むことが必要です。これからも地球環境の保全に向けて、積極的に取り組んでいく所存です。

組子の製作体験(9月)

9月10日 

大阪府の内装材料協同組合に加入されている業者様11名にお越しいただきました。
この組合様は大阪・近畿・愛知県一円の“ふすま”“壁紙”などのインテリア部材の製造・販売を業とする企業によって構成された団体で、昭和38年に創立された歴史ある組織です。

同じ日本の伝統技術に携わる立場として、「今後、この伝統や技術をどのように守り継いでいくべきか」という視点で意見交換をさせていただきました。


創業からの弊社の歩みや現在の取り組みについてお話させていただいたあと、組子の製作体験や工場見学も行っていただきました。


住宅着工数の減少、若い世代の和室離れ、住宅価格の下落など住宅業界をめぐる環境は大きく変化しています。

当社では「売り先」「売り方」「作り方」を模索し、工夫を重ねて環境に合わせて職人達と変化してきました。
今回、同じ志を持つ方々とその点について長時間にわたり情報交換させていただきました。

今後も、いただいたご縁を大切にし、互いに切磋琢磨しながらより日本の和室文化を守っていきたいと思います。

杉本

-------------

9月27日

「富山の工業を勉強する」というテーマで近くの小学5年生 50名の生徒さんが来社されました。
当社では1度に工場見学で対応できる人数が30名ほどになりますので、2回に分けてワークショップ・工場見学会を行いました。

今回は竜胆(りんどう)のミニ組子を製作体験していただきました。
最初はヒントなしでスタートすると皆さんよく考えながら熱心にして組んでおられました。
先に完成した生徒はまわりのお友達に教えながら、お互い協力して製作に励んでいる姿が今回とても印象的でした。

組子が照明に照らされて床に映る「影」に感嘆の声をあげていました。

鉋けずりの体験はとても人気です。
時間の関係上、体験できる人数には限りがありますが、削り出たかんなくずの薄さや、鉋をかけた木材の表面の触り心地を皆さんに感じていただきたいです。

今回工場見学で学んだことを10月の学習発表会で発表されるとのこと。どのような内容で発表してくださっているか是非聞いてみたいです。

最後の質問コーナーでは「中学卒業したらこの会社で働きたい」「職人になるにはどうすればいいですか?」「給料はいくらもらえますか?」と言ってくれる生徒さんがいてタジタジになりました。。
でも10年後が楽しみです。
これからも「国産木材や組子のこと」「日本の職人のモノづくり」「環境を意識したモノづくり」など若い人達に発信していきたいと思います。

西川

----------------

組子の製作体験 (8月)

8月8日 
北日本新聞様の「親子で体験! 産業観光バスツアー」が開催され、小学生の親子20組40名が工場見学に来社されました。

富山湾岸クルージングや越中座様にてオリジナル新聞づくり、YKK様センターパークでのファスナーブレスレット作りを体験された後、タニハタにお越しいただきました。

組子 製作体験

今回は親子で1セットスマホスタンドづくりに挑戦していただきました。

初めのうちは、慣れない細かな作業に少し戸惑う様子も見受けられましたが、皆さん徐々にリズムを掴み、楽しげに手を動かしながら作業を進めていく姿がとても印象的でした。

葉っぱがぴったりと嵌ると”気持ちい!!”という声が上がり、周りにいた職人たちが思わず耳を傾け、クスッと微笑んでしまう場面もありました。
常におさまりを追求している組子屋としてこの言葉はとても嬉しいものです。

製作が終わると、完成したスマホスタンドを手に取り、嬉しそうに喜んでいる姿が至る所で見受けられました。
この仕事をしていて本当に良かったと心から感じる、何とも幸せな瞬間でした。

北日本新聞様のバスツアーレポートは下記URLからご覧いただけます。
https://webun.jp/articles/-/661317

----------------

8月23日 
岐阜県から県議会議員の方々21名お越しいただきました。
視察は杉、ヒノキなどの岐阜県産木材需要に関する行政視察でタニハタと射水市のウッドリンク・ラボ様に訪問される内容となっておりました。

SDGsの取り組みや、利休杉の開発、かんなくずの有効活用について当社が取り組んでいる木材の付加価値利用についてお話させていただきました。

タニハタが組子を製作する際に使用しているヒノキは8割近くが岐阜県のものを使用していおり、今回岐阜県からの視察ということでとてもご縁を感じました。東濃のヒノキは組子の材料に大変扱いやすく、海外の方からもとても評判が良いです。

日本の木材自給率をみると国産材使用の割合が一時期高まりましたが、依然として6割以上が海外からの輸入に頼っています。
今後も国産木材にこだわり、その素晴らしさを発信していきたいと思います。

組子の設置写真が届きました。

組子の設置写真が届きました。

●つきじ治作様 (東京)

昭和六年創業の老舗料亭です。隅田川からの風や水の流れが池につながっていくようなイメージとして「水影」をお選びいただきました。

●HASAKI – NY

ニューヨークのイーストビレッジに位置し、1984年から地域に愛され続けている江戸前寿司店「波崎」様。
2024年発表の麻の葉ちらし新シリーズ「あいの風」と「律の風」を納入させていただきました。

●F邸 (ロンドン)

ロンドンにある個人邸に、タニハタの麻の葉ちらし「桜ぼんぼり」を納品させていただきました。

●花山うどん本店様 (群馬)

群馬県館林市にある創業明治27年の花山うどん本店様。
本店の個室に「麻の葉ちらし 結び風」をご採用いただきました。

●森の詩幼稚園様 (埼玉)

埼玉県北本市にある森の詩幼稚園様に特注デザインの組子(半円形)を納入させていただきました。小さな子供達に少しでも伝統工芸に興味を持ってもらいたい、という気持ちから各種伝統文様を散りばめ、曲線枠の優しいデザインで製作させていただきました。

組子写真集にも掲載しております。ぜひご覧ください。

環境に配慮した新しいタイプの展示場

大手住宅ハウスメーカーの積水ハウスさんが東京都青山に出展している[SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス)]に職人達と行ってきました。

積水ハウスさんは現在、戸建住宅のほか、賃貸住宅やマンション、リフォームなどの事業を手がけられており、その累積建築戸数は約254万5千戸(2022年1月末時点)。

この実績は世界の住宅メーカーのなかでも、No.1を誇っています。

そんな積水ハウスさんの展示施設「スムフムテラス」は、家づくりを始める場所として、住む人とつくり手がこれからの「住むコト」を一緒に考えることができる施設です。ここでは、家族みんなで、家づくりを始めることができ、「住むコト」について「フムフム」と考えながら、未来の暮らしを描くことができる新しいタイプの展示場です。

新宿・立川・錦糸町・池袋・青山の5ヶ所で開設しておられます。

今回訪問させていただいたSUMUFUMU TERRACE 青山は2022年2月にオープンし、施設デザインは国内外で高い評価を受けているデザイナー・佐藤オオキ氏率いるデザインオフィスnendoさんが担当されました。

このお店は上記5施設の中でも、アートやデザイン、環境に関心の高いお客様向けの施設になっており、タニハタ組子も2年前にこの施設に設置していただき、多くのお客様から反応をいただいております。

今回、職人達と青山に行く用事があり、訪問させていただきました。

当社の組子が、ずらりと並んで展示されていました。展示品にはQRコードも付いており、読み込むと当社のサイトにリンクが張られていました。
本当にありがたいことです。

アートやデザイン、環境に 配慮した建材などが展示されています。

建築現場からでた建築廃材を使ってアート作品にアップサイクルするイベントも行われていました。

これからの製品は「デザインが美しい」「すごい技術を使っている」だけではなく、「環境」に配慮されていることが大前提になっていると感じます。
環境を意識した私達の組子が、これから住宅を建てる方々の新しいインスピレーションの源となることを願っています。

AEDを使用した心肺蘇生法講習及び応急対応訓練を実施しました

タニハタでは職人達の作業中の安全対策を目的としたAED(自動体外式除細動器) を4年前より工場内に設置しております。
AEDを設置してもいざというときに「機械の操作がよくわからない」「蘇生方法を忘れてしまった」ということを防ぐために定期的に心肺蘇生法講習と応急対応訓練を行っており、今回全社員で訓練を行いました。

講習では、専門家の方からAED(自動体外式除細動器)の使用方法や心肺蘇生の手順についての説明を受け、座学だけではなく実際に蘇生法を社員全員で体験しました。

講習後、複数の社員から、「心肺蘇生法に関する知識と技術が身に付き、もし緊急の場面に遭遇した際には、自らが対応できる自信が持てた」との感想が寄せられました。
何事もないことが最も望ましいですが、万が一の事態に備え、今後も定期的に講習や訓練を継続して実施していきます。

また、事故や怪我が発生した場合の応急対応訓練に加え、工場内の危険な箇所を社内全体で改めて共有する機会を設けました。

作業中に行っていけないことや職人への声がけの方法、材料の投入方法など機械の前で社員全員で再確認を行いました。

我々製造業の現場は危険性をともなう機械を多く扱っているため、日頃の安全対策に加え、一人一人が安全意識を常に持ち行動することが必要不可欠です。日常的に行っている作業を何度も確認することで、これまで当たり前と考えていた作業の危険性を見直す貴重な機会となります。

これからも、お客様に組子を無事にお届けできるよう、日々の安全に細心の注意を払いながら業務に努めてまいります。

組子の製作体験(7月)

7月3日 富山市のインバウンド事業のFamトリップで欧米の旅行会社様が工場見学にお越しいただきました。

今回はインバウンドのツアーでは初めての試みとして、スマホスタンドの製作体験を企画しました。
ツアーの皆さんには角麻の文様を組んでいただきました。

普段体験していただいているミニ組子体験と異なり、金槌やボンドを用いて より実際の組子製作に近い体験内容となっております。
プロジェクターで職人が製作する手順を映しながら、進めていきます。

工場見学の間にペーパーをかけ表面をきれいにして、台座にはそれぞれのお名前をレーザーで入れて完成品をお持ち帰りいただきました。

今後インバウンド向けの工場見学ではスマホスタンドの製作体験も選べるようになります。
海外からタニハタに来られるお客様は日本の伝統工芸に興味を持っていただいている方が多いですが
名前入り組子のオリジナルスマホスタンドがお客様の旅の思い出の一つとなれば嬉しく思います。

西川 万喜子

-------------------

7月27日 
ネッツトヨタ富山様で2010年より開催されている、夏の恒例イベント『ネッツ富山フェスタ 2024年』に出展させていただきました。

北日本放送様の「モノヅクリのその先ヘ」というテレビ番組で当社の特集を組んでいただいたご縁でお声がけいただきました。

午前と午後の2部制で行われ、それぞれ映像を通して組子について学んでいただいた後に、実際に組子コースターを製作していただきました。

細くひき割った木に加工を施し、1本1本組付けする映像を真剣に見る子供たちのまなざしが印象的でした。

子供たちは想像以上に玄翁の使い方が上手く、トントンと会場に玄翁の心地よい音が響いていました。

組子の製作体験後は、普段職人が使っている鉋でヒノキ材を削っていただきました。

カンナをしっかり握って薄く上手に削り、出来上がった鉋屑を鼻にくっつけ「いいにおい~」と香りを楽しんでいました。

トヨタ様には「モノづくりは人づくり」という考えがあり「誰かの為に」という想い、知恵と工夫、高い技術と技能、これらを身につけた人財が現場で育っていることがトヨタのモノづくりの基盤となっているそうです。

車と組子、まったく違う業種ですがものづくりに対する想いは同じです。

今回の組子製作体験を通じて、子供たちに日本のモノづくりへの関心をもっていただけたならば嬉しいです。

谷端 美穂

新しい会社看板のお披露目

この度、会社の看板を一新し、高岡のモメンタムファクトリー・Oriiさんによる美しい銅板に変更いたしました。
色は落ち着いた斑紋孔雀色(ダークブラウン系)となり、高級感溢れるデザインに仕上がっております。
手作りの木材インテリア品を扱う当社としては、この看板は、会社の方向性とも馴染みます。

「高岡銅器」とは富山県高岡市でつくられる伝統工芸品で400年の歴史があります。
折井さんは銅をはじめとする金属素材の腐食・錆びを人為的に発生させ、独自の風合い、発色を生み出した金属板で新たな境地をひらいた伝統工芸士です。

この看板が、私たちの工場への新たな入り口となり、訪れる皆様を温かく迎え入れることを願っています。

斑紋孔雀色

折井宏司氏が発明した発色。斑紋ガス青銅色と並ぶ、Oriiブランドを代表する発色。
赤、黄、青が混じったような独自の孔雀色から、その名がつけられました。

日本政府観光局のSNSにタニハタの組子が紹介されました。

日本政府観光局(JNTO)が、情報発信するための公式SNSにタニハタの組子が紹介されました。


JNTO − 国際会議誘致・開催支援

https://www.linkedin.com/posts/japan-convention-bureau_toyama-visitjpabrhokuriku-visitjpabrtoyama-activity-7219611893315854336-qGqN/

https://www.linkedin.com/organization-guest/company/japan-convention-bureau/

日本政府観光局(JNTO:Japan National Tourism Organization)は、東京オリンピックが開催された1964年に日本国の政府観光局として設立され、半世紀以上にわたってインバウンド観光(外国人の訪日旅行)誘致に取り組んできた、日本の公的な専門機関です。

世界の26都市に海外事務所を有し、そのネットワークを活かして、海外におけるプロモーション活動、国際会議等の誘致・開催支援を行っています。

私たちの組子製品が日本政府の公式SNSで紹介されたことは、大変光栄なことです。
今後も、世界のお客様に向けて日本の組子技術を発信し続けたいと思います。

社会に学ぶ『14歳の挑戦』

2024年7月1日~5日までの5日間、富山県教育委員会が主催する「社会に学ぶ『14歳の挑戦』」の受け入れを実施致しました。

この事業は、中学2年生が5日間学校から離れ職場体験をする事により、地域社会の中で様々な人との交流を通して規範意識や社会性を高め、さらには将来の自分の生き方を考えるなど、成長期の課題を乗り越える「生きる力」を育てる事を狙いとした事業です。

タニハタでは本事業の意義に賛同し、新庄中学校3名の生徒さんの受け入れを行いました。

初めて体験する作業に最初は戸惑いながらも、元気いっぱいに一所懸命学んでいく様子が印象的で、日々確かな成長が見て取れた5日間でした。

最終日には以下のような感想をいただきました。

「最初は難しいと思っていたことも続けるとどんどん上達すると分かり楽しかった」「パーツ作りが達人級に早くなった」「自分が関わった組子が海外に実際に納品されると思うと誇らしい気持ちになった」

この5日間でモノづくりの楽しさや、私たちの製品に対する責任感や情熱を実感してもらえたなら嬉しいです。

そしてなにより今回来てくれた3名の生徒さんにとって、「生きる力」を身に付ける一助となっていれば、弊社としても大変喜ばしい限りです。

これからも自分の夢や実現に向けて一歩一歩頑張ってください!

今後も当社は、地域社会との連携を深め、若い世代の育成に貢献する活動を続けてまいります。

谷端美穂

※写真掲載は生徒様からの了承を得てアップさせていただきました。

「夏休み 親子産業観光バスツアー」のご案内

富山県のものづくりを学ぶ「親子で体験!産業観光バスツアー」が8月8日に開催されます。
(主催:とやま産業観光推進協議会様  北日本新聞社様  協力:富山県商工会議所 様)

YKKセンターパーク、ほたるいかミュージアム、富山湾岸クルージングを回り、最後にタニハタで組子細工を製作するコースとなります。

組子細工 ワークショップ 組子スマホスタンド タニハタ

組子は親子でスマホスタンド(上写真 非売品)を製作していただきます。

募集人数は、親子20組40名
小学3~6年生のお子さんとその親または祖父母が参加条件となります。

夏休みの自由研究にすることもできます。ぜひお子様とご参加ください。

詳細 お申し込み等は北日本新聞サイトよりお願いいたします。

昨年は、富山県高岡市周辺の企業を中心に開催されました。  昨年の様子はこちらからご確認いただけます。

組子の製作体験(6月)

6月5日
近隣の小学校より2年生の生徒さん24名が工場見学にいらっしゃいました。「地域の企業を知ろう」という社会科の授業の一環でタニハタに来社されました。

この日は30度近い夏日でしたが皆さん終始元気いっぱいで、黄色い帽子と笑顔が思わず目を細めてしまうほど眩しかったです。

工場に入り早速組子の製作体験を行っていただきました。

今回は比較的簡単な文様「籠目」に挑戦です。

出来上がると「星みたいでかわいい~」と女の子たちにとても好評で、カメラを向けると皆さん自然に顔の横に組子を持ち、可愛らしいポーズをとってくれました。

製作体験が終わり、次は工場内の見学です。

「工場探検だ!!」「こんなところに大きな木がある!」と好奇心できらきらの目をして社長の後についていきます。

作業場では、職人の鉋削りを見学しました。

「やってみたい人はいますか?」という職人の声がけに全員が手をあげて思わず笑ってしまう場面もありました。

時間の関係で全員に挑戦してもらうことはできませんでしたが、挑戦した子たちは二年生とは思えないほど、力強くとても上手に削っておられました。

後日、お礼のお手紙が届きました。

社員の休憩室に貼り、見る度に元気をもらっています。

工場見学は、子供たちの好奇心を育むだけでなく、ものづくりの過程を五感で体験できる機会です。

機械が作動している大きな音や木材の匂い、自分の手でものをつくることの喜び。これらは、テレビやYoutubeでは決して体感できません。

今後はタニハタの工場見学にきた子供たちに木材についてもっとたくさんのことを学んでもらえるよう、現在展示物・体験コーナーの拡充を計画しています。

子供たちが五感を使って組子という伝統工芸を知り、今ある自然に感謝し自分たちの未来について考えるきっかけになれば私たちも嬉しいです。

谷端美穂

「組子と数学の関係」情報ページを制作いたしました。

組子細工は、日本の伝統的な木工技術であり、その精密さと美しさは数学的な原理に深く根ざしています。
ここ数年の間にタニハタの組子細工を数学の教科書や高校入試問題、数学に関連したテレビ番組などで取り上げる事例がでてきました。

組子細工と数学の関係性、その奥深さについて一人でも多くの方に知っていただきたく、「組子と数学の関係」という情報ページを制作いたしました。

伝統工芸についてご興味のある方は、一度ご覧いただけますと幸いです。



次へ