タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

端材活用を通じた環境保全への取り組み

弊社では、 「木を無駄なく使い切る」 という考えのもと、組子の製造過程で発生する端材やかんなくずを再活用する取り組みを行っています。

その一環として、昨年より、富山県上市町にある AROMA SELECT 様(公式サイト)のご協力のもと、日々の組子づくりの過程で生まれる端材やかんなくずをアロマスプレーへと再生する取り組みをスタートさせました。

AROMA SELECT様は、「Made in 富山」にこだわり、富山の森で育った木々の中でも育林のために伐採された下草や、枝打ちによって廃棄される樹木 を原材料とし、精油を抽出されている企業です。森林資源を無駄にすることなく、自然の恵みを生かすものづくりを続けておられます。

今回、私たちは AROMA SELECT様の抽出工房兼店舗 を訪問し、精油の抽出過程について学ぶ貴重な機会をいただきました。

工房の扉を開けた瞬間に感じたのは、ふわりと広がるアロマの豊かな香りでした。
弊社の工場を訪れるお客様も、「木の良い香りがする」とおっしゃることが多いのですが、日々その香りに囲まれている私でさえも、ここで感じた自然の木々から生まれたアロマの香りには感動を覚えました。

工房では、精油を抽出する際に用いられる「水蒸気蒸留法」について、詳しくご説明いただきました。

実際に蒸留器を目の前にするのは初めてで、その仕組みや工程をじっくりと学ぶことができました。ちょうど見学時には、弊社の組子端材を使った抽出作業が行われており、抽出されたばかりのヒノキの精油の香りを体験することができました。
蒸留したてのヒノキの香りは爽やかで清々しく、私たちが日頃触れている木材が、こうして新たな形で香りとして生まれ変わる瞬間に立ち会えたことで、端材の持つ可能性の大きさを改めて実感しました。

そして見学の中で特に驚いたのは、AROMA SELECT様の徹底した自然配慮への取り組みです。
原材料として使われるのは 端材や廃棄予定の木々ですが、取り組みはそれだけではありません。精油を抽出した後に残る木材も工房内のかまどの燃料として再利用されていました。

「木を余すことなく使い切る」
ほんのわずかな無駄も生まれないよう工夫された仕組みに、深い感銘を受けました。私たちも組子づくりを通じて木と向き合う者として、その姿勢に大いに共感し、学ぶべきことが多いと感じました。

今回の見学を通して、私たちが日々扱う端材一つ一つに、価値と可能性が秘められていることを改めて実感しました。
弊社では、「木を活かし、木に生かされる企業でありたい」という想いのもと、組子製作を行っています。そして、これからも「木を無駄なく使い切る」ことを大切にし、地球と共存するものづくりを続けてまいります。

そして今後は、アロマスプレーという新たな形で、木の持つ魅力をより多くの方にお届けできればと思います。

尚、アロマスプレーに関しましては、こちらのリンクから詳細をご覧いただけます。

杉本

美術組子 イメージ動画アップしました

お客様のご要望に当社デザイナーがお応えするタニハタの完全オーダーメイド組子「美術組子」。
そのイメージ動画が完成しました。
デザインは富山の雨晴海岸から見る立山連峰。
最高の技術、木材を駆使してタニハタの職人が作り上げます。


富山 立山連峰 組子細工

タニハタの事業活動に伴うCO2排出量について

ここ数年、地球温暖化による様々な問題、自然現象が発生しています。
氷河の融解や海面水位の変化、山火事や洪水、干ばつ、陸上や海の生態系への影響、それらによる食料生産や健康など人間への影響など・・・



先日、日本経済新聞で「地球温暖化」「気候変動」の言葉が記事の中にどれくらい出現するのか調べてみたところ

2014年1月1日~12月31日   「地球温暖化」  271件    「気候変動」  279件
2024年1月1日~12月31日   「地球温暖化」 1761件  「気候変動」 1447件

10年で約5~6倍の出現数になっています。
経済界はエネルギーや素材を「化石燃料」に頼ることが多く、温暖化や気候変動に対して懐疑的な見方をする傾向にありましたが、実際にはリスクとして認識し対策をしっかりする企業が増えてきていると感じています。

地球地球温暖化は、科学的なコンセンサスとしては、人間の生活、経済活動などから発生するCO2などの温室効果ガスが原因とされています。

当社でも2011年の震災以来、エネルギー問題に取り組んでおり、2021年にはSBT認定を取得しました。

2020年より会社の事業活動から発生するCO2排出量も測定しています。

SBTの目標でもある、Scope1,Scope2(自社からのCO2計算直接排出)に関しては大きくCO2排出量を削減し、すでに目標を達成しています。
(CO2排出はほぼゼロになっています。)

しかし、Scope3(サプライチェーン排出量)では、逆に増加しています。(自分で排出量を計算しているといろいろなことが見えてきます。)

原因としては、ここ数年大きく組子の生産数が伸びており、材料や加工設備などを購入していることが大きな要因になっています。
自社内でCO2排出を減少させても、生産量が大きくなると、自社以外でCO2が大きく発生してしまいます。
Scope3の削減は自社の努力だけで削減することは難しく、取引先を含めて対策することが必要になってきます。


経営者としては、社員達の生活を向上させるために、数字を伸ばすことを目標に掲げる必要がありますが、それをすることによりCO2の排出は上がる傾向になります。この相矛盾する目標を達成するためにタニハタではどういうモノづくりを行っていくべきか・・・しっかりと方向性を定め、環境に負荷をかけないモノづくり、地球温暖化対策を職人や取引先と共に行っていきたいと思います。

組子製作動画「香図」アップいたしました

組子文様「香図」の製作動画をアップいたしました。
https://www.youtube.com/watch?v=g7wCwqZu824

香図は、水平線と垂直線から成っており、室町時代に完成したと言われる「香道」に由来を持つ美しい図柄です。
東京・目黒の結婚式場「ホテル雅叙園東京」様にある百段階段にはこのデザインの建具が数多く設置されています。
https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100dan


これからも歴史や伝統を深く学び続けながら、日本の組子を世界へ発信してまいります。



ニューヨーク・タイムズ 「2025年に行くべき52か所」に富山市が選ばれました

アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」が「2025年に行くべき52か所」を発表し、日本から富山市と大阪市が選ばれました。

タニハタの本社がある「富山市」は30番目(大阪は38番目)となりました。

富山市は、立山連峰の美しい景観と豊かな自然が魅力。
四季折々の美しい自然の風景が楽しめ、伝統文化、美食、新旧の建築物が調和した魅力的な観光地です。

タニハタの組子細工も昨年末、富山市の観光プロモーション動画で紹介していただきました。

https://www.youtube.com/watch?v=4N7-Xa4BBbk
1分40秒あたりで当社の組子と職人が紹介されています。



今回、世界の観光地として富山市が選ればれ、富山市民として誇らしい気持ちでいっぱいです。
2025年は多くの方に富山市を訪れていただき、その魅力を心ゆくまで堪能していただけたら幸いです。

・JR 北陸新幹線 春の誘客ポスターに組子細工が採用
富山市で学ぶSDGs旅行
富山工場での組子ワークショップ



2025年に行くべき52か所 富山市 伝統工芸 組子細工
ニューヨークタイムズ紙 2025年に行くべき52か所 富山市 組子細工 株式会社タニハタ

事務所前のオリーブを収穫しました

富山工場の玄関アプローチにオリーブの木を植えてから、もうすぐ7年が経とうとしています。
会社の環境を少しでも緑豊かにしたいという思いがあり、オリーブの木を植えました。
夏の暑い時期も、皆で毎日水やりを続け、今年は1本の木に20個以上のりっぱなオリーブの実がなりました。

あまりにも立派なオリーブの実だったので軽い気持ちで「玄関のオリーブをみんなで食べてみましょう」と社長に提案したところ、快くOKをいただきました。

しかし、オリーブの渋抜きがあんなに大変だとは知らず、食い意地を張ったことを後で後悔することに。。

オリーブの収穫時期は用途によって異なります。塩漬けやオイル漬けにする場合は完熟前の11~12月頃、
完熟させる場合は1~2月頃が適しています。ただ、完熟すると鳥に食べられてしまうと聞き、完熟前の少し紫に色づいた11月に収穫を行いました。

オリーブにはポリフェノールが多く含まれており、完熟前のオリーブは渋みが強く、そのままでは食べられません。
渋抜きの方法を調べたところ、市販のオリーブの多くは苛性ソーダを使って処理されており、
この方法が最も早く渋を抜くことができるとのことでした。しかし、苛性ソーダは劇薬で入手困難のため断念。

他の方法を調べると、塩水漬けでは1年、水のみでは毎日水を替えて7か月かかると知り、
最終的に「2週間は重曹水を入れ替え、その後は毎日水と塩を使い、塩分濃度を徐々に上げていく方法」を採用しました。

収穫から約2か月、毎日水を替えながら待ち続け、ようやくタニハタ産のオリーブの浅漬けが完成しました。


クラッカーにチーズを乗せ、その上にオリーブの輪切りを添えたカナッペをのせて社員全員でいただきました。

結果は好評で、毎日渋抜きを頑張った甲斐があったと感じています。

渋が強くて食べれなかったオリーブも根気良く手塩にかけて育てれば、美味しくなる。
組子づくりにも通じるところだと思いました。
なにより会社で実ったオリーブを社員全員で美味しくいただけたことを嬉しく思います。


西川

「香図」の由来である香道体験に行ってきました。

弊社で展開している「吉祥組子」からも分かるように、日本の古い文様や図柄には、それぞれに古くからの歴史があります。今回紹介する「香図」は、水平線と垂直線から成っており、室町時代に完成したと言われる「香道」に由来を持つ和風図柄です。

お客様から度々ご質問をいただくこの図柄について、その由来である「香道」をより深く理解するため、香舗伽羅-金沢-様にて香道体験をしてきました。香図が誕生した由来に触れながら紹介させていただきます。

〇香道とは
日本には、およそ500年も昔から、「香道」があります。華道・茶道とともに「香道」は日本三大芸道の一つと言われています。香道とは、香木の微細な違いを聞き分けながら、和歌、歴史、季節などを題材に香りを楽しむ芸道です。
代表的なものに、香りを聞き分ける「組香」という遊びがあります。「組香」というのは、参加者が何種類かの香りを聞き、何番目がどの香りだったかを聞き当てるゲームのようなものです。参加者の優越を決めるものではなく、あくまでもその香りやテーマ、空間を楽しむ文学性、芸術性の高い風雅な遊びです。
(引用:https://www.kyara.co.jp/experience)

今回は、代表的な組香の一つである「源氏香」を体験しました。

5回お香をたいて香りを聞き、どの香りが同じであったかを当てる組香で、全ての香りを聞いたあと和紙にお答えを記します。お答えは、まず縦線を5本書き、右から順番に聞いた香りが同じ場合、線の上部を横棒でつなぐのですが、このお答えの図が組子の図柄としても用いられる「香図」の由来となっています。

約1時間のプログラムを通じて、当時の遊びを体験しながら日本の伝統に触れ、何百年も前の歴史に思いを馳せる貴重な時間を過ごすことができました。私たち組子屋にとって、日本の伝統を伝える役割を担う以上、歴史を学び、それを自ら体感し理解することは欠かせないと感じています。

これからも、歴史や伝統を深く学び続けながら、日本の組子を世界へ広めていくことに努めてまいります。

杉本

組子の製作体験(11月)

11月8日 

中東から2組のご夫婦が工場見学に来社されました。
ご夫婦で建築関係のお仕事をされていたり、普段から趣味で木工をやっておられる方々でしたので、あっという間にワークショップの組子を完成されました。パーツの出し方や角度の付け方など細かい部分について多くご質問をいただきました。

工場見学中も興味深く話を聞いていただき、大変有意義な時間となりました。

今回お越しいただいたお客様はもともとは2023年に工場見学のご予約をいただいておりましたが、情勢の問題により日本への渡航が延期となり、一年越しにお会いすることができました。

12月4日
北陸3県の事業で今回はオーストラリアの旅行会社を対象としたファムトリップでタニハタに工場見学にお越しいただきました。

ジグソーパズルが趣味とのことで、細かい隙間に入ったボンドのはみだしも丁寧に拭き取りながら、ハッパ入れを行っておられました。

組子に興味を持ち、遠方から富山までお越しいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
今後も海外からのお客様にもご満足いただけるよう、工場見学の内容をさらに充実させてまいります。

組子の設置写真が届きました

組子の設置写真が届きました。

IMS Me-Life クリニック 東京様
東京都中央区日本橋に2024年4月に移転リニューアルオープンしたIMS Me-Life クリニック 東京様。
吉祥組子「麻の葉・桜・竜胆」を納品させていただきました。



日本テレビ様 スタジオセット
2024年10月期日本テレビ系ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」のスタジオセットに、タニハタの組子が使用されました。



すし玉 富山掛尾本店様 (富山)
創業40周年を迎えられた「すし玉富山掛尾本店様」。麻の葉ちらしの4種類のデザイン、計9枚を納品させていただきました。

S邸 (福井)
麻の葉ちらしのちぎれ雲TCタイプをご採用いただきました。
3枚並びの障子になっており、右の三つ組手と左・中のちぎれ雲が自然に流れるよう工夫されています。

美咲の家Ⅲ K邸(群馬)
群馬県の個人様邸に、吉祥組子の「麻の葉」「桜」「胡麻」「竜胆」、麻の葉ちらし「結び風」を納品させていただきました。

中国料理 白龍様 (京都)
店名にも使用されている「龍 」二体が、大空を悠々と飛ぶ姿をイメージしてデザインさせていただきました。



組子PhotoGallery 一覧

鉋の研修を行いました。

組子細工は、飛鳥時代から続いている伝統木工技術です。
伝統技術ではありますが、最近は手業が半分、機械加工が半分といったところになってきました。

木材の「切削加工」は、主に機械を使いますが、機械に頼りすぎた反動で、組子職人として大切な部分が失われていると感じることが多くなり、若い職人達から「もっと道具での切削加工を行いたい」と話しがでることが多くなりました。

そんな理由から今年5月に木工作家の小松研治先生に工場まで来ていただき鉋の講習会を開きましたが、職人達に好評だったことから二回目の研修会を先生の工房で行いました。

刃の研ぎ方、道具の扱い方、安全への配慮、治具や型などの作り方、木材の見方、木工職人としての在り方など・・朝9時から夜遅くまで、たくさんのことを教えていただきました。小松先生は、富山大学 芸術文化学部で名誉教授をされていた御仁で、本当にわかりやすく、職人達のいろいろな質問にも丁寧に答えていただきました。




槍鉋も使用させていただきした。 皆、本当に楽しそう。

西岡常一さんの言葉で「道具に恥じない仕事しなさい」とありますが、若い職人達が胸を張って仕事ができるよう当社でも少しずつ「工芸化」に環境を整えていきたいと思います。

谷端

<富山県SDGs宣言>のサイトに取り上げていただきました

このたび、タニハタの環境問題への取り組みが、<富山県SDGs宣言>のサイトに取り上げられました。

 「富山県SDGs宣言」は、県内企業や団体等のSDGsの取組みを県の専用ウェブサイトに掲載するなど「見える化」し、広く情報発信することで、富山県のSDGsの取組みを推進していくものです。現在、富山県内500件近くの企業が登録しており、SDGsに関するいろいろな取り組みを発信しています

取り組み紹介ページ

富山県SDGs宣言に参加することで、私たちの取り組みがさらに広がり、多くの人々に知っていただけることを嬉しく思います。
これからも、組子づくりを通じて持続可能な社会の実現に向けて努力を続けてまいります。

工場屋根の断熱改修を行いました

組子製作工場屋根の断熱改修が終わりました。
今年の夏も工場内はかなり暑く、クーラーをつけても30度を下回ることがなく、職人達の体調管理のために工場屋根の貼り替えと断熱工事を決断しました。

改修工事前
工事後


改修工事により、工場内の温度が安定し、冷暖房の使用を減らすことができる(はずです。)
ちなみに屋根の色を変えるだけでも工場内の気温が下がるとのことです。

夏の暑さや冬の寒さを効果的に遮断し、エネルギー消費、CO2排出量を大幅に削減することができます。



工場の自転車小屋もボロボロになっていたので新しく作り替えしました。当社の組子職人達で少しずつ改修。
組子屋らしく枡格子を入れてみました。


職人達の作業効率も向上し、組子製品の品質も向上することを期待しています。
50年以上経過している工場ですが、職人達で快適になるように毎年少しずつ改築しています。

これからも、環境に優しい取り組みを続けていきたいと思います。

建築雑誌「コンフォルト」が創刊200号を迎えました。

建築雑誌「コンフォルト」が200号記念という節目を迎えました。

1990年創刊、ということでタニハタでも長い間購読させていただいております。

今号の表紙は凹凸のあるエンボス加工が施されており、200号記念に相応しい高級感のある記念号になっております。

記念号の特集テーマは「日本の気配」。

「組子細工」の意匠、木の質感、香り、納まり、そして組子と光が合わさって壁や床に映り込む美しい影。

その影は薄く濃く、消えたり現れたり・・・「気配」を我々に感じさせてくれます。

人の五感に働きかける製品が日本にはありますが、組子細工もそのひとつなのかもしれません。
タニハタの組子「麻の葉ちらしシリーズ」も記事として取り上げていただきました。

この特集号を通じて、建築の未来を見据えた新しい視点を得ることができるはず。

建築業界の方はぜひ手に取って、ご一読ください。

https://confortmag.net/

コンフォルト 200号 タニハタ 組子

ドイツ ベルリンで日本の木工技術に関するイベントが開催されました

ドイツのベルリンで日本の木工技術を中心としたイベント「JDZB x UTSUWA」が開催されました。
今回、タニハタではワークショップに協力させていただきました。

胡麻柄の組子を製作していただいたのですが、参加者の方はとても苦戦していたようです。
でも皆さんとても楽しんで、完成した組子を喜んで持ち帰っておられたとのこと。
今後も今回のようなイベントが、日本の木工芸、組子細工の素晴らしさを広め、両国の人々を結びつける架け橋となることを願っています。

●「器プロジェクト」は、日本の伝統工芸と和建築技術を海外に広める活動をしている組織です。
2015年に大阪で始まり、2018年からはドイツでも活動を展開。
国際フォーラムやワークショップを通じて、日本とドイツの職人が意見交換を行っているプロジェクトです。
タニハタでは2021年より参加させていただき、ワークショップや組子技術の情報発信など協力させていただいております。

JDZB ベルリン日独センターは、日本とドイツ両国政府の共同出資によって運営されている財団で、日本とドイツの学術・文化をはじめとする幅広い知的交流の促進を目指している組織です。

ひのき材 ホワイトペレットの販売につきまして



今年もペレットストーブ用のひのき材ホワイトペレットの販売を開始いたします。
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タニハタでは、組子加工に伴い、そこから発生するオガクズを小さな木のつぶに圧縮加工(ペレット化)する機械「ペレタイザー」を2020年秋に導入いたしました。

富山の冬は寒く、石油ストーブで暖を取る、というのがあたりまえでしたが、このペレタイザーとペレットストーブの組み合わせで、昨年の冬は石油ストーブを一切使用しませんでした。

ペレット燃焼時に出る二酸化炭素は、木が成長する際に吸収した分の二酸化炭素なので、 石油のように大気中の二酸化炭素を増加させることがない脱炭素社会にマッチしたバイオマス燃料です。(タニハタでは地球温暖化対策を進めており、化石燃料を使用しないモノづくりを実践しています。)

冬以外の時期に太陽光エネルギーで製造した「ひのきペレット」をこれからの寒い季節に工場にあるペレットストーブ(8台)の燃料として使用するのですが、当社のストーブだけではすべて使い切ることができませんので、一般の方にも一部販売しております。

詳しくは下記をご覧ください。
タニハタ ヒノキ材ペレットの販売につきまして

ひのき 杉 ホワイトペレット 販売
不純物の少ない「ホワイトペレット」を製造しています。 主原料は組子用のひのき材と杉材となります。
ペレットストーブ用燃料 販売 ペレット
工場の中には、ペレットストーブが8台あります。石油ストーブは一切使用していません。
ペレット 燃料 販売 安い
1袋=10キロ 
ペレット まとめ買い 富山県
10キロ入の袋が35袋入った状態でお届けします。
ペレタイザー 工場
工場の中にペレットを作る機械「ペレタイザー」を2020年導入しました。

新潟県へものづくり研修に行ってきました。

10月末、職人達と共に新潟県へものづくり研修に行ってきました。

【一日目】
●燕三条ものづくりメッセ
初日は、金物や洋食器作りが盛んなモノづくりの町<新潟県燕三条>で開催されている「ものづくりメッセ」 に行ってきました。

朝10時過ぎに入場。朝早い入場でしたが、新潟メッセ会場に入るとすでにかなり熱気・・・圧倒されました。

各ブースでは来場者の方に見てもらおうという工夫が感じられ、時間があっという間に過ぎていました。金型、ロボット、AI 、計測機械など様々なものが出品されており、「さすがモノづくりの町 燕三条」というイベントでした。
組子製作に役立つ道具もいろいろ出品されており、大変参考になりました。

●イタリアンレストランTsubamesanjoBit
昼食は、地元で三条で製造された食器やカトラリーを使った料理が出てくるということで楽しみにしてきました。
日本刀をイメージしたナイフは、MARUNAO(マルナオ)という企業のもの。厚みのある肉もスッと切れたのに驚きました。美味しいイタリアンを上質の食器で食べられるよい機会で心から堪能しました。

主役である食べ物を味わうのは勿論ですが、それを引き立てるインテリアや食器なども食事を楽しむ中でとても重要な要素。タニハタ組子もレストランへの納入事例が増えていますが、なぜオーナー様が組子をお選びになるのか・・・食事という体験の一部として、組子の繊細さや高級感がお店のイメージをアップさせる重要な役割を果たすのだと食事をしながら感じました。

天井装飾は、金属加工の際に発生する端材を使用したもの。処分される材料も工夫によって豪華なインテリアになり温かみのある感じの仕様になっています。これからのモノづくりは、作る側の工夫で、端材やゴミを極力出さないようにする工夫が必要だと感じました。

●三条鍛冶道場
和釘の製作体験をしました。

金物のまちとして広く知られている三条市は、その発祥をたどれば江戸時代の和釘づくりから始まったとのこと。
タニハタの職人達も伝統建築の一端を担うものとして和釘ワークショップに挑戦しました。

階折釘と巻頭を作るとのことで熟練の職人が手本を見せてくれたのですが、実際やってみるとかなり難しい…
普段と違う金槌の使い方に苦戦しスタッフの方に何度か直されたのが、木工職人として何とも言えない心境でした。
ただ・・出来上がった釘を見ると嬉しかったです。
タニハタの組子ワークショップも初めてのお客様がほとんどです。職人として組子体験にいらした方々にどのようにすればわかりやすく教えられるか考えるきっかけをいただきました。
弊社でも、お客様の満足度を上げる工夫をこれから話し合ってみたいです。

ちなみにここの和釘は、伊勢神宮で使用されており、次回の式年遷宮は2033年で20万本以上の和釘がここ三条から作られるとのことです。
新潟県中の小学生が必ず一度は和釘作りを体験するという面からも、この伝統技術を次の世代まで繋げようという意気込みを強く感じました。

●月岡温泉 華鳳様
富山から「温泉地」をイメージした場合、お隣石川県の温泉郷(和倉、山中、山代温泉、片山津)が出てくるのですが、今回の新潟訪問でイメージが大きく変わりました。部屋、料理、サービス、温泉の質・・・どれをとっても満足度が高く、自分の勉強不足を恥じました。

月岡温泉華鳳様では、以前チャペルに納入させていただいた組子を見せていただきました。
マス目サイズが大きなピッチのものだったのですが、これによりモダンな印象を与えるのに加えて「写真にしたときに被写体が綺麗に見えるメリット」と感じました。

結婚式は新郎新婦二人の姿を撮影することが多いですが、遠くから撮影しても大柄であることで文様のマス目が写真上で潰れず、とても綺麗な文様だと分かります。
組子細工は細かい繊細な柄が美しいので、ついついお客様に小さなマス目をオススメしてしまうのですが、お客様の設置される空間の大きさをしっかりイメージして、マス目のご提案をしなければ・・・と感じました。

館内の内装は本当に素晴らしく格式高くまとまっていました。部屋から見える田園風景も素晴らしかったです。

【二日目】
●大地の芸術祭
大地の芸術祭は、新潟越後で3年に一度行われる世界最大級の国際芸術祭。
旧6市町村(十日町、川西、中里、松代、松之山、津南)に300点以上点在するアート作品を巡って楽しむイベントです。

訪問した越後妻有里山現代美術館MONETでは、実際に手を使って触れて、動いているアート作品を見ました。人が持っている五感を駆使してみることで、アートをより身近に感じる…それを実感できた時間でした。

草間彌生さんの作品 すごい存在感でした。

●十日町市博物館 
2020年に新しくなったこの博物館はとても美しく、また楽しい博物館でした。

展示されている国宝の火焔型土器は本当に素晴らしく、5000年前の縄文人のモノづくりへの情熱が伝わってくるようです。炎のカタチは、「器」としては装飾過多なのかもしれませんが、「私はこれを作りたいのだ」という縄文人の熱い声が聞こえてきそうでモノづくりをするものとしてとても感動しました。上写真の草間さんの作品にも通じるエネルギーを感じます。

縄文時代のモノづくりの道具。石斧を木に巻き付けて加工。この時代の職人魂に脱帽です。。

展示の仕方もいろいろ工夫されており、ここに昔から住んでいた新潟の方の生活に思いを馳せながら博物館を見てまわりました。
古い文様を製作するモノづくりの会社として、大変勉強になりました。 建物も雪の文様をあしらった美しいデザインでした。

●カールベンクスさん訪問 

10年ほど前にカールさんの書籍を読んで「いつか行かなければ・・・」と思い、やっと実現することができました。
カールベンクスさん、奥様のクリスティーナさんは、1993年に新潟県十日町市竹所地区にあった築120年の古民家を購入し、自宅として再興。
約30年間、いまも奥様とふたりで暮らしておられます。

NHK Eテレで数年前から定期的に放送されているのでご存じの方も多いと思いますが、カールさんの情熱と努力は、新潟県の古民家に新たな命を吹き込み、日本に昔からある伝統建築、木工技術、国産木材、限界集落の魅力を多くの人に発信し、私達日本人に「本当に素晴らしい宝ものは目の前にあるんだよ。」と静かに投げかけてくださいます。

もう長年NHKで継続して放送されているのは、 現代人の生き方に疑問を持っている方が多くなっており、彼の考え方に共感する方も増えているのだと感じます。(私もその一人です。)
カールさんとお話している最中にもいろいろな方からお声がけや握手を求められて、気軽に接しておられるご様子からとても穏やかな方で多くの方に愛されているのが分かりました。
古民家を再生させるのは実際には大変なお仕事だと思いますが、カールさん、そして今回対応していただいた建築士の小野塚さん共々とても充実しているように見えました。

最近は古民家再生が日本全国で行われており、地域再生や観光復興の鍵としてもクローズアップされています。しかし、重要なことは、そこに以前から住んでいる方と共に行うこと。本来そこにあった文化や風土、そして「人」が守られていくことが最も重要だと感じました。



大変お忙しい中、再生された家の中を案内していただきました。  カールさん 小野塚さんに本当に感謝です。

最後に記念撮影させていただきました。

今回、新潟研修旅行では多くのことを学び、たくさんの刺激を受けました。
研修で学んだことを仕事や生活に生かし、新しいモノづくりに精進していきたいと思います。
今回研修旅行に関わってくださったすべての皆様に感謝申し上げます。

組子の製作体験(10月)

10月11日

富山北部高校の保護者様ご一同にお越しいただきました。
PTA活動の一環として、大学見学会の後、弊社の製作体験にご参加いただいたとのことです。

製作体験では、吉祥組子「胡麻」文様を組んでいただきました。
組む順番の工夫や繊細な組子への力加減など、 普段行わない作業の数々に皆さん苦戦しているご様子でしたが、中には、ヒントがない状態で完成させた方が居られ、職人たちも驚いておりました。

製作体験の他にも、
弊社の歴史や環境への取り組みをお話させていただき、実際の製作風景もご見学いただきました。
見学中、工場内に溢れる木の香りに感動されている様子がとても印象的でした。
近年、サッカー部や野球部など富山県大会決勝まで進出されるなどめざましい活躍をみせている富山北部高校のスポーツ部ですが、熱い保護者の方々のバックアップがあるからこそ・・・と感じた次第です。

後日ご連絡をいただき、
「子どもがこのような会社に就職できたらいい」との嬉しいお言葉を頂戴しました。
弊社を知っていただいた方からこのようなお言葉をいただけたことは、大変光栄なことです。
弊社としても、組子や会社について知っていただく貴重な機会を設けていただいたことに感謝しています。

杉本

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10月22日

金沢商工会議所 女性会様に工場見学にお越しいただきました。
「女性の元気が未来を築く!」をモットーに、平成20年10月に設立された女性会は、活躍しやすい環境作りを目指して精力的に活動されています。

今回の工場見学では、組子細工のスマホスタンド作りの体験も行っていただきました。
体験後、皆様が完成したスマホスタンドを手に取り、その美しさに感動されている様子を拝見し、私たちもとても嬉しく思いました。
ワークショップの時間は約1時間と短いものですが、伝統工芸である組子細工の美しさを少しでも感じていただけるよう、職人たちが丁寧に仕上げと検品を行い、お渡ししております。

金沢という土地柄、日本の「伝統工芸」や「伝統文化」に造詣が深い方が多く、質問もかなり専門的なものが多かったのが印象に残りました。
エネルギッシュな女性経営者会の方々とのひとときは、私たちにとっても元気をいただける素晴らしい時間となりました。

西川

日本テレビのドラマにてタニハタ組子をご使用いただきました

この度、タニハタの組子が日本テレビのドラマ 「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私」のセットに採用されました。

「若草物語」は、1868年にアメリカで出版された不朽の名作小説。
家族の絆と成長の物語を描いた心温まるドラマで、50カ国語以上の言語に翻訳され、世界中で数々の映画、舞台、ミュージカルになっています。
今回のドラマは、アメリカから令和の日本に舞台を置き換えて描かれており、和風製品である私たちの組子がドラマのシーンを引き立てています。

弊社で保管していた「麻の葉ちらし」や特注組子を、スタジオセット用に加工し納品させていただきました。

今年の夏頃「タニハタの組子をドラマの中に使用したい」とのお話を日本テレビ様からいただいたことがきっかけとなり、今回の件が実現いたしました。
ドラマの主要キャストでもある有名脚本家の仕事場ということで「品」「高級感」に合ったインテリアを探しておられたようで、WEBサイトで見かけたタニハタの組子の品質の高さにご興味をお持ちいただいたとのことです。

当社の組子製品が多くの方々の目に触れる機会をいただいたことは大変光栄なことです。
すでに三話目となっておりますが、弊社一同、楽しみに毎週番組を拝見しております。

ドラマをご覧になりながら、私たちの組子にもぜひご注目ください。


●2024年10月スタート/ 毎週日曜よる10時30分より日本テレビ系にて放送中
番組名:若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私

クラフトフェア「ツギノテ」が開催

今週10月19日(土)と20日(日)の2日間、富山県の高岡市営高岡中央駐車場でクラフトフェア「ツギノテ」が開催されます。
「ツギノテ」 は、全国のクラフト作家やものづくり職人が一堂に会するイベントで私もゲストスピーカーとして参加することになりました。

その他にも職人の実演展示やデザインショップ、フードブースも並び、子供も大人も楽しめるワークショップが多数開催されます。
モノづくりに興味のある方はぜひ「ツギノテ」に足を運んでみてください。

ツギノテについて Web Site

とやま環境財団より<地球温暖化対策推進功労企業>として表彰を受けました

富山テクノホールで開催された「とやま環境フェア2024」において、タニハタが地球温暖化対策推進功労企業として、とやま環境財団から表彰されました。
とやま環境財団は、平成3年に設立されて以来、ごみ問題などの地域的な課題から地球温暖化などの地球規模の環境問題に至るまで、富山県民、企業、行政が一丸となって取り組む多岐にわたる活動を展開している団体です。

タニハタでは、2011年3月の東日本大震災以降、エネルギー問題、地球温暖化対策に取り組んでいます。環境への負担をゼロにすることは不可能ですが、できる限り社会や子どもたちに負担をかけない経営を目指しています。まずは職人一人ひとりが環境負荷をかけずにどこまでできるかを考え、少しずつ取り組んできました。今回の受賞は、その努力が認められたということで職人共々大変嬉しく思っております。

エネルギー問題に取り組むには、個人の力だけでは不十分です。職人たちが協力し合い、一緒に取り組むことが必要です。これからも地球環境の保全に向けて、積極的に取り組んでいく所存です。

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