今日、富山にある「内山邸」という古いお屋敷で<和風引き戸>の撮影を行いました。
「内山邸」は建物のほとんどの部分が幕末に建てられたというかなり古い建築物です。
古いだけではなく建具や材料など選び抜かれた素材・作品が使用されており映画にも使用されることがある全国的にも有名な建築物です。
今日は午前10時から13時くらいまで撮影を行いました。
あいかわらず残暑が厳しく、縁側に座っているだけで汗がポタポタ(というよりダラダラ~)と流れる状態のなかでの撮影でした。
(クーラーはもちろん扇風機もありません。)
でも、お昼頃に気付きました。
とても暑く汗は流れるのですが、全然不快ではないのです。
外はセミの声だけが鳴っています。
手入れされた庭の深い木々の緑・・。
縁側や開けっ放しの窓から家の中に入ってくる風が出口を探して流れていきます。
その小さな風がとても心地よいのです。
(風が流れる場所を無意識に探す自分がいます。)
水琴窟。 古いケヤキの縁側。 月見台・・・。
風だけではなく、目と耳からも「涼」を感じることで暑くても不快にならないものを人間は備えているのかもしれません。
カメラマンと「クーラーなんていらないね。これなら扇風機だけあれば十分だよね」と話していました。
富山という比較的緑に恵まれた地域でさえ、気付いたらコンクリートとアスファルトに囲まれた生活に。。
エアコンの強制的な冷たい風を受けて、体が悲鳴をあげている人も多いはず・・。
「あ~ そういうば 昔の家は夏でもこんな心地よさがあったよな・・。」
何かとても懐かしく、大切なことをこの古い家が思い出させてくれました。