タニハタでは異業種の会社の工場見学も定期的に行っており、今回福井県にあるカガセイフンさんにてそば粉工程の見学に行ってきました。
ここの特徴は福井県産の在来種の蕎麦を石臼で「蕎麦粉」にして製造販売しているということです。
工場に入ると「ゴロゴロゴロゴロ・・・」石と石が擦れ合う、何とも言えないアナログな音が流れてきます。
その石臼から パラッ・・・ (数秒おいて) バラ・・・
白い美しい粉が少しだけ落ちてきます。この光景が何とも言えなく美しい。
1回で石臼から出てくる量はたった2グラム。ティースプーン約1杯分。
1時間で生産できる量はせいぜい1~2㎏ほどだそうです。
大手の量産製粉工場だとローラー式になり、生産性は10倍以上になるとのこと。
ではなぜ石臼で挽くのですか?聞いたところ、石臼で蕎麦を挽いた方が、香り高く、美味しい蕎麦粉を作ることができるからだそう。
本当のそば好きは、つゆや塩をかけずに、そのままそばを食べて風味を楽しむという人が多く、その人達に喜んで食べてもらうために石臼での加工方法を続けているとのことです。「石」はずっと回していても「熱」をあまりもたないので、熱に弱い蕎麦粉を挽くのに適しているのだそう。
「あ~福井にもこだわりの職人がいた!」とうれしくなった次第です。
ちなみにここの石臼は全部で26台あり、中には100年以上使い続けているものもあります。
その石臼は毎日のように挽いているので当時75kg~80kgほどあったものが、今では60キロくらいになっているとのことです。
「雨垂れ 石を穿つ」ということわざがあります。
(わずかな雨でも、長時間同じところに落ちていると、いつかは堅い石に穴を空けてしまう意。小さな努力でも根気よく続ければ、いつかは大きな成果を得られることのたとえ)まさにそれを実践する会社です。根気のいる組子作業と共通するところがあります。
このあと・・工場を移動して、自分でそばうち体験をして、初めてそば粉を練って自分で作りました。一時間以上かかりましたが、その美味しさに感激!
家でも作れる「そば打ちセット」・・・購入しようかどうか今、迷っています(^^;)。
福井県福井市
株式会社 カガセイフン様
※ちなみに穀物である「ソバの実」の歴史は古く、9000年以上前すでに日本でソバが栽培されて食べられていたそうです。