茶筒は現代では木製、竹製、紙製などいろいろな素材が製造され市販されていますが、このお店は金属製の茶筒としては日本で一番古い歴史をもつ茶筒の老舗です。(明治八年創業)
銅、ブリキ、真鍮・・お店には綺麗な茶筒がたくさん並んでいました。
イギリスから輸入されたブリキを使って缶を作ったのが始まりとのことです。開化堂5代目の八木聖二さんが茶筒を製作している様子を写真に撮らせていただきました。
じつはこの茶筒を見たのはこの京都が初めてではなく、ニューヨークが最初の出会いでした。
2012年、5月にICFF(ニューヨーク国際現代家具展)において私の会社のブースの隣で、茶筒を展示されていたのが開化堂の6代目、八木隆裕氏でした。
当社も初めて「組子細工の海外展示会」ということで、他の店に構う余裕すらなく、挨拶もそこそこに段取りしていましたが、その展示会の初日、このお店がクラフトマンシップ(職人技)賞を受賞されたのです。
たった一人で単身NYに乗り込んで、「茶筒」という日本ではすでに忘れ去れようとしている商品(失礼ながら)で堂々と海外で立ち向かっている姿に私は深い感銘と衝撃を受けました。
なぜこの茶筒が、賞をとったのか・・私の感想をこの場で述べるのは差し控えますが、大きい、小さいではなく、その製品のもっている核の部分をさらけ出し、堂々とアピールすることは今の中小企業にとってとても大切なこと・・とつくづく感じた次第です。
その時のお礼を5代目の八木聖二さんのお話して、茶筒を購入して帰りました。
その茶筒に触れるごとに、身が引き締まる思いがします。