今、公開中の映画「奇跡のリンゴ」のモデル、木村秋則氏の講演を聞きに福井県まで行ってきました。
当社は食品・農業関係の仕事ではありませんが、難しいとされるリンゴの無農薬栽培に成功されたこの方のことは、テレビや書籍で拝見して存じ上げておりました。
13時30分から17時まで・・途中休憩をはさみながら、「ローマ法王に米を食べさせた男」の高野 誠鮮氏とのディスカッションなども含めて、あっという間の三時間半。
「無農薬」ということが大きく取り上げられていますが、私自身感じたのは、この方のテーマは「愛」なんです。
少し宗教的な感じがしたのも、無農薬とか安全とか有機農業とか、そういう次元ではなく
愛情をもって、自分のもっているすべての力を使って 人を育てよう・・ ものをつくろう・・作物を育てよう・・
数字、損得のために、(効率よく作物を作るために)、大切なものを犠牲にするのはやめよう。そう言っておられるのです。
神様の一歩手前みたいな位置におられる方だ・・と感じました。
木村さんが、リンゴやリンゴの木に話しかけるシーンが映画で何度もあります。
「自分の子供が寒いといったらどうしますか? 親だったら暖かい服を着せてあげるでしょ。
大きな機械、重機でリンゴ畑を走ったら、リンゴの木は足を踏まれて痛がるでしょ。
りんごや野菜が自分の子供だったら・・
そう 自分の子供とおもって育ててるだけなんだよ~。だから話しかけるんだぁ。」
笑いながら私達に話しかける木村さん。
凄い人間力。。
今、話題のTPPについても
「賛成でも 反対の立場でもないんだよ。
世界に誇れる安全な無農薬野菜を作ればいいだけ。そしてそれを世界に売り込むんだぁ~(笑)」
その笑顔につられて会場中の皆が、笑顔になります。
「未来へつなぐ」
という言葉が講演中に何度も出てきますが、私達は、長い長い人類の歴史の中のほんの一瞬、参加しているだけの存在。。。
昔の人達が大切に育ててきたもの、つないできたものを、磨き上げ、次の世代に伝えていく義務が私達にはあります。(私も歳のせいかそんなことばかり考えます。)
私達の生きる理屈で「負の遺産」を次の世代に残さないこと。
木村さんはじめ、この無農薬野菜に挑戦される方達は、その役割を意識して、七転八倒されながらもしっかり前を向いて行動しておられます。
久しぶりに、魂をゆさぶられる講演を聴きました。
映画、本を観ていない方はぜひ、ご覧ください。