毎年4月にイタリア・ミラノで開催される、世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ 国際家具見本市」に行ってきました。期間中は、ミラノ郊外で開催されているミラノサローネ以外にもミラノ市内で数多くのデザインに関する展示会(フォーリサローネ)が開催されています。
最近では、ミラノサローネとフォーリサローネを合わせて「ミラノデザインウィーク」という名称で呼ばれており、期間中は100万人規模の人々で賑わう世界最大規模のデザイン祭典となっています。
タニハタでもヨーロッパからデザイン組子の引き合いが増えており、世界のトップデザインの傾向を知るために若手職人達と共にミラノまで行ってきました。
(今回視察に行った職人は、谷端、黒田と酒井です。)
- ミラノサローネ 国際家具見本市
初日は、ミラノ郊外ロー市にある見本市会場・Rho Fiera Milano(ロー・フィエラミラノ)に行ってきました。
朝9時30分 開場とともに人がなだれ込みます。。
人混みの先が見えないくらい広い会場。
やはり家具デザインといえば「椅子」。
Internet of Thingsという言葉は我々のような木工業界には関係ないかなぁと思っていましたが、岐阜から出展されている「飛騨産業」さんの製品をみて目から鱗が落ちました。。
↓
何の変哲もない木の桟から光のメッセージが・・・。展示員の方の手元にあるタブレットからすぐにメッセージの内容を送ることができるようです。いつも決まったメッセージを流すのではなく、来訪者に合わせてメッセージの内容を瞬時に変えることができます。ホテルなどのウエルカムボードにいいですね。
——————————————————
■フォーリサローネ
二日目は、ミラノ市内フォーリサローネや市内の建築物を見てまわりました。
最初に・・日本でも名前が知られている佐藤オオキさん率いる「nendo」。
展示内容については正直、全く予備知識がないままに入ったので、最初は「??」だったのですが中に入って進んでいくうちに、その世界にどんどん引きこまれました。
この世界に引きこまれました。なぜか昔遊んだ近所の原っぱを思い出しました。中で歩いている人達もデザインとして変わり続けるのですね。
ひとつのデザインだけ見ていると「?」ですが、全体を通してみるとデザインが動き出します。
見る側、時間、位置によってもその印象が変わるデザイン。。
やはり自分の足でこういう展示会は見てまわるものですね。痛感。
佐藤オオキさん 今回のデザインウィークで一番印象的な展示でした。
■レクサス
闇の中に研ぎ澄まされた光が割り込み、その光が時間とともに大きく変化していく様子が、とても面白いと思いました。 日本が誇る「陰影礼賛」の新しい表現方法でしょうか。組子の世界にも通用するところがあり大変参考になりました。
大手電機メーカーらしくお金がかかっているなぁ・・という印象でした。西陣織やお香、茶筒など京都の工芸家達とコラボしておられました。音響や香り、照明など五感を刺激する演出はとても迫力もあり、洗練された和の映像もとても良かったと思います。
ただ、同じ大手でもレクサスの展示は過去と現在、未来の線でブランドが繋がっていたので納得しましたが、パナの場合はどうなのでしょうか?
レクサスがトヨタから離れてブランドを立ち上げたように、パナもそういう必要があるのでは?
ミラノ・トリエンナーレ内ではいろいろな試みが行われていました。
岐阜から関の刃物や美濃和紙が出展。スイスのデザイナーとコラボして新しい日本刀を展示されていました。
展示会場をみて気になったことがあります。それは日本から出展している企業の多くが、<白の床、天井、壁>ほとんど白で内装を統一しているブースが多いこと。。
少し偏りすぎていないかなぁと途中で感じた次第です。
確かに展示しているものを明確に引き立てる色であり、日本らしい潔い色ではあるのですが。。 シンプルすぎるかも。。
一方、海外の展示ブースは色づかいが多く、見ていて楽しい。
国民性の違いでしょうか?
翌日は、リゾート地のコモ湖まで足を伸ばしました。