初日のミラノサローネ視察で最も印象に残った会社があります。
「Riva」という木製家具のメーカーです。
ブースには、ランボルギーニが置いてあり、かなり人目をひいていました。
また、大きな無垢の天板が数多く展示してあり、天然無垢材にこだわっている感じがブースにみなぎっていました。
展示品の中には、木と樹脂を融合させた天板も展示してあり、古い伝統だけではなく、新しい技術にも挑戦している様子がみてとれました。
一方、トリエンナーレ美術館の庭には、Rivaが製作した木製のハチの巣があり、蜂が世界的に減少しているという環境問題を地域の子供達に提起していました。
ただ家具だけをつくるメーカーではないことはその展示内容からもみてとれました。
う~~ん ぜひこの会社に行きたい。。
ミラノの北部「カントゥ」という地域にリーバ本社があり、そこに行けば展示品などを見ることができる、ということでミラノ最終日は電車に揺られて職人達と行ってきました。
PM2時過ぎに着いたのですが、イタリアの会社の昼休み(シエスタ)は何と3時間!閉まっている雰囲気。。
展示場の前で立っていると、女性が「ボンジョルノ~♪」と陽気に出てきて一安心。
中を見せていただきました。日本では見ることできない無垢の家具、昔の木工機械、道具が所狭しと並んでおり、全員興奮状態。
しかし、カメラはNGということでここでは紹介することはできません。(残念!)
何とかお願いしてこのすごい天板を1枚だけ撮影させていただくことができました。
何と 奥行12メートル、幅2メートル、厚み150ミリの無垢天板。
ここは、環境に配慮して木を伐採して材料にするのではなく、災害などで倒れた木や地中に埋もれた木を使う方針で、その考えに共感した世界中のデザイナーとこの会社がコラボして製品化しているとのことでした。そしてその家具を世界中に販売しています。(日本でも販売しています。)
同じ木材加工業者としてたくさんの刺激を受けました。素晴らしい。
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ここのカントゥという地域は木工が盛んで、木工機械メーカーもあるというので帰りに見せてもらいました。
帯鋸、手押し、自動鉋盤、ランニングソー、パネルソー・・日本の建具加工でもおなじみの小型機械も多く、親近感がもてました。
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このカントゥから車で20分ほど行ったところに「コモ湖」という湖(リゾート地)があります。
2年前、イギリスのお客様から「コモ湖」をイメージした組子を製作依頼されたことがあります。
その時は時間の都合上、コモ湖には行くことはありませんでしたが、イタリアというと「コモ湖」が思い浮かぶくらいに自分の頭の中に入り込んだ現場になりました。
場所も近いので、このコモ湖まで行ってみようということになりました。
湖は美しく、花が咲き乱れ、鳥がさえずり、そんな素晴らしい環境の中でイタリア人が、カフェのテラスで和やかにワインを飲む・・あ~これぞリゾート。。素晴らしい環境でした。
ミラノに戻ってきて、駅を出ると有名な建築物「垂直の森」が見えました。
開発によって自然が失われ、コンクリートジャングルと化している現代の街に一石を投じた建物です。
ただ美しくデザインされたモノを作って販売するだけではなく、「環境」「社会」というものを意識してモノヅクリすることが、これからもっと重要・・ということを今回の視察で教えてもらいました。
私達は現在~未来の子供達にどんな社会を残したいのか? 組子の材料に「木」を使っているからこそ、そこの核の部分をもっと突き詰めて考えて実行していく必要があると感じた次第です。
小さな会社ではありますが、諦めずに職人達と進めていきたいと思います。