タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

「IKIGAI(生き甲斐)」にみる職人のあり方について

日本は少子高齢化が進んでおり、人口もこれからどんどん減少していくと言われていますが、それに伴い、労働力人口も減少していることが社会問題になってきています。2060年には労働力人口がピーク時(1995年)の約半分(4418万人)になると言われています。

働く人がいなくなったら、誰がこの日本という国を支えていくのか・・・ということですね。

政府も「働き方改革」を行い、労働人口を増やし日本の活力を取り戻そうといろいろ手を打っていますが、うちのような伝統的モノづくりでも、<職人の数=生産数>という部分があり、労働力をあげるためにいろいろなことを社内で行っています。

その中でも高齢のベテラン社員に戦力になってもらう、ということがひとつ挙げられます。

職人の働き方改革普通の会社ならば65才は退職する年齢になりますが、タニハタでは65才以上の職人が4人います。(最高齢は74才)
その中でも高島工場長は、現在71才。未だに正社員として働いてもらっており、残業がある日も若い職人と共に元気に働いています。

タニハタの場合、本人のやる気があれば、いつまでも正社員、という形をとっています。体力的に厳しい、ということならばある時間だけ出社するパート方式です。

毎年本人と(体力、気力もみて)お互い相談しながら・・になりますが、昔の高齢者のイメージと違い、職場で生き生きと働く現在のベテラン職人は本当に頼もしく、うちにとって重要な戦力でもあります。そんなタニハタの職人の実情を富山テレビさんと北陸中日新聞さんで取り上げていただきました。本人のやる気があれば、70才、80才まで雇用延長・・というのは必然なのかもしれませんね。

話しは変わりますが、海外では「IKIGAI(生き甲斐)」という言葉が流行っているようです。
海外では何冊も「IKIGAI(生き甲斐)」というタイトルの本が出ているようです。
海外のメディアでも「もしかすると私たちの人生をより良くするのは、日本発のikigaiという概念かもしれない」とのことで特集も組まれているようです。

ちなみに英語圏では「生きがい」を直訳できる言葉は存在しないようですが、<人生の意味を追求すること>だと解釈されているようです。

生きがいを見出すためのヒントとして、下記の4つを意識すると良いとのことです。

1 LOVE (大好きな事)

2 GREAT AT(得意な事)

3 PAID FOR(稼げること)

4 NEED(世界が必要としている事)

うちのベテラン職人達が(多分、無意識にうちに)この4つの中に身を置いていると感じました。

職人という職種を選ぶと1と2の要素はある程度、得ることはできますが、3と4は、環境も大切かな? でもそれを呼び込むのも自分なのか・・
「IKIGAI」・・深い言葉です。