台風15号が上陸してあれから2週間以上も経過するのに
毎日のように被害の状況がテレビなどのニュースで流れてきます。
被害に遭われた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
復旧が思うように進まない理由として、千葉の杉(山武杉)が風で倒れて電線や電柱を直撃し、その倒木がジャングルのように重なり、重機が現場に入ることができない・・とのこと。
自衛隊まで出動して倒木を運び出しているようです。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190922/dom1909220004-n1.html
国産の杉材を加工する一業者として大変気になっています。
元々、山武杉は千葉県で生まれた建築材、建具材として利用されてきた年輪の詰まった優良な木材です。250年以上前から植林されており、当社でも過去に千葉から取り寄せして使用したことがあります。
通常、このような優良な木が風を受けた場合、倒れるとすれば根元からのはずなのに・・・木の幹の途中からポキッと折れているニュース映像をみて「こんなに強度がない?」と疑問に思っていました。
今朝見たニュースでその謎が解けました。
山や杉の管理者が、<杉を手入れし伐採しても利益がでない>という理由で、杉はそのまま放置されており、その放置された木がスギの病気(溝腐れ病)にかかっているとのこと。今回、木が折れているのは、病気にかかって木が腐っている部分になるとのことでした。
先日行った屋久島のような樹齢数千年の天然杉は、伐採せずに次の世代に残して行く必要がありますが、今回のような人工林は、間引きし伐採して木が太く健全に育つように、常に人が手入れ、管理していくことが必要になります。
(成長に時間のかかる農作物・・・と考えてもらえばいいかもしれません。)
杉の良材を市場に販売することで林業の活性化につながり、今回のような被害を無くすことにもつながります。
また、若い杉材はCO2の吸収の早く、大気の二酸化炭素をどんどん吸収して大きくなります。
脱炭素社会の面でみても日本の杉材を使うことは重要なことです。
しかし、地球温暖化で台風や大雨の勢いや回数が増しており、今回のような災害が他の地域でも今後増えてくることが考えられます。
我々、木工業者ができることは、極力、材料に日本産の木材を使うこと。
そしてお客様にその良さをPRし、使っていただくことだとおもっています。
国内にはこんなに木があふれているのに、使用されている比率は4割ほど。外国産の木材が市場を占めている状況です。
根気よく国産材のPRを続けていきたいと思います。
(タニハタでは2018年夏、主材料を外国産から国内産に切り替えいたしました。)