つい2ヶ月ほど前まで半袖シャツで動き回っていましたが、長袖の服をたくさん着こまないと外に出られないほど寒くなってきました。北陸の秋は短く、すぐに白いものが空から降ってきそうな空模様です。
(今年は事務所前のオリーブの木にたくさん実がなりました。)
雪で身動きができなくなる前に、今年最後のヒノキの買い付けに行ってきました。
杉の有名な産地といえば「奈良県吉野地区」ですが、ヒノキ材といえば「長野県木曽」「岐阜県東濃」地区になります。長野から岐阜にかけてヒノキの良材がとれることで有名で、伊勢神宮や名古屋城などの建築材として今でも使用されています。
「市」が行われる場所は、タニハタの富山工場から車で3~4時間ほどかかりますが、当社にとっても大切な仕事なので、2~3ヶ月に一度直接買い付けに行ってきます。
朝9時過ぎに到着。 すでにたくさんの業者が材料をみてまわっていました。ヒノキ材も山ほど積まれています。
が・・・・
タニハタで使用するような組子用の材料は一割もありません。
こういう節の多いヒノキがほとんどです。
うちの組子材料としては使用できません。主に建築の構造材として使用されています。
私の今回の目的はこの材料です。「特選」の札が貼ってあります。量はわずか・・・。
節は無く、真っ直ぐな目の細かい柾目材で色味も薄いピンク色のヒノキ・・・。組子のように細く挽き割っても反りやねじれが少なく、加工性も高い材料が主になります。 木材の前に立っているだけで幸せな気持ちになります。
すべて入札(競り)形式になりますが、自分が選んだ材料は、今回ほとんど落札することができました。 この材料は来年春にかけて使用いたします。
今回、建具用(柾目)神代杉も出品されていました。(写真左側)この神代杉は2500年前のもので、こういう建具材料は通常の「木材市」でほとんど出会うことはありません。スタッフの方も「こんな材料はもう手に入らないだろう・・」と寂しそうな表情をして話しておられました。日本で一番高価な木材、と言っても過言ではなく、こういう木材は迷うことなく、入札。
建具用はすべて落札することができました。(ちなみに神代杉はこんな現場で使用されています。)
他にもトチの木や杉材など組子の葉っぱに使用できそうな木材を十数立米ほど買い付けしてきました。
今年の仕入れはこれで終了ですが、少しでもお客様にタニハタの組子製品をみて感動してもらえるように、来年も良材を全国探し続けたいと思います。