タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

組子職人の木工技術を向上させるために

7寸角の欅(けやき)柱材を削りました。
当社は組子製品を製作する会社ですので、普段はこんなに太い広葉樹を加工することはありません。
(杉、ヒノキは比重が軽く、また導管も素直で細かいので鉋加工しやすいのが特長です。)

欅の鉋がけは滅多にないことなので、若い職人達に鉋がけをしてもらいました。

組子職人 木工技術の向上

若い職人達の感想:

・長さ三メートル、7寸角もある堅木を削るのは初めてのことで、腕の力、体力も必要だと感じました。
手で仕上げる大変さを身をもって感じました。(入社5年目 女性)

・最初の方は削るのが難しかったですが、途中から正しい姿勢を心掛けたことにより、力が入りやすくスムーズに削れるようになりました。(入社3年目 女性)

・思った以上に柔らかく、削りやすかったです。 削る時に鉋の使い分けをして仕上げていくことが基本だと痛感しました。
良い材料を削らせてもらいました。(入社1年目 男性)

・最初は上手く削れるかどうか不安でしたが、実際にやってみると思った以上にできたことが何より自信につながりました。(入社6年目 男性)

それぞれ感想の内容が違いますが、皆、気持ちの入ったコメントで嬉しくなりました。
道具は「体」で覚えること。基本が大切ですね。


最近は機械加工も増え、目先の損得だけを考えると(経営者として)こういう時間は無駄な時間ということになります。
(削るだけで約1日かかってしまいました。。)
しかし、伝統木工技術を身につけることは損得以上に大切なこと・・と私は思っています。

職人の木工技術を向上させることは時間やお金もかかることでいろいろ大変ですが、<機械作業と手仕事>それぞれの良いところを使い分けしながら柔軟に対応できる職人になってもらいたいと心から思います。   谷端



欅 柱 組子職人
欅は、力強く美しい木目が特長。  鉋で削ると塗装したような光沢がでてきました。

組子職人の道具
50年以上前から引き継がれてきた組子用の道具。 すでに市販されていない道具も多く、タニハタの宝でもあります。