12月、寒い冬がやってきました。
今年の1月は富山でも今までに経験したことがないような大雪が降り、大変な状態になりましたので、早めにいろいろな対策を行ってきました。
もちろん、CO2を発生しないことが前提のサスティナブルな設備投資を行っています。
1、EVフォークリフトの導入
今までのディーゼル式リフトから排気ガスを出さない電動式EVフォークリフトに切り替えました。
雪国富山ですので、車高が低くパワーの小さい電動式リフトの導入をためらっていましたが、コマツさんから除雪にも対応した環境型フォークリフトが販売された、ということで思い切って夏に発注。
何とか冬に間に合いました。
12月27日の降雪の際に使用しましたが、若い社員達から「静かでパワーもあるし、アームが可動するヒンジタイプで簡単に除雪ができるのでとても楽」という声がありました。排気ガスもでないので工場の中までクリーンに材木を運ぶことができます。
2、ペレットストーブの導入
昨年に引き続き、今回新たに大型ペレットストーブを3台導入。(これで工場内にはペレットストーブが7台に)
昨年、CO2を発生する石油ストーブを全く使わない冬を過ごしましたが、場所により工場内に寒い場所がでてきてしまいました。
「脱炭素」のために、社員達の体調を崩しては元も子もないので、ペレットストーブを新たに追加。
薪ストーブに比べて、安全で管理が楽なペレットストーブは増えてくると思います。
3 おがくず自動投入機の導入
ペレットストーブの原料である「ペレット」も工場内の廃材を利用してタニハタでは製作していますが
ペレットを製作する機械<ペレタイザー>におがくずを投入する作業は、職人が一年間手作業で行っていました。
大がかりになりましたが、自動的にペレタイザーにオガクズを投入する設備工事を行いました。
ペレット製作による職人の負担が大きく減ります。
4 間仕切りの工事
冬場、大きな空間の工場を暖めるのは大変なエネルギーが必要になります。
空間を必要に応じて「仕切る」ことで無駄な空間にエネルギーを使うことなくなります。
そんな考えの元で工場の中を透明のカーテンで6カ所仕切りました。
職人から「寒い風が上や横から流れてくることがなくなって1~2度温度が変わった。」
とのことです。ひとつひとつ積み重ねていきます。
5 屋外作業用服(発熱ベスト)
職人が屋外の材木置き場から工場内に木材を運ぶとき、雪の降る日は大変な重労働になります。
寒さを和らげるための屋外用作業服(発熱ベスト)を導入して、木取場の職人に着てもらっています。
当初、古参の職人は「こんな服着て仕事をやっていられるかーっ」な感じでしたが、
温度調整も楽で(胸のボタンで調整)、お腹部分と背中部分に発熱体が付いていますので、実際に着てみると冬場の作業が苦ではなくなったようです。
ある意味こういう製品が一番お金がかからずにエコなのかも。
寒い建築現場で働く人達にもお薦めです。
6 エアコン室外機カバー
1月の大雪で屋外にあるエアコン室外機が埋もれてしまい、暖房が効かなくなった苦い経験を生かし、木製のエアコン室外機のカバーを職人が製作して設置しました。
エアコン室外機の結露防止にもなっています。
工場で使用する年間のエネルギーを数値化すると、やはり冬場の暖房エネルギー対策が最も重要であることがわかります。
空間を暖める方法は電力や石油などいろいろありますが、人がいない無駄な部分にエネルギーを使用しない、ということを意識することで
エネルギーの1~2割くらいは比較的簡単に節約できます。
・空間を間仕切りなどで平行、垂直に仕切り、無駄な空間にエネルギーを使用しないこと。
・暖房機器、工場設備、備品、消耗品をエコなものに見直すこと。
・水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーに切り替えて、自社でもエネルギーを作り出すこと。
・本当にそこに(その時間に)エネルギーが必要なのかどうか社員達で検討すること。
・エネルギーを数値化して可視化すること。多くの人でそれを管理すること。
小さなものづくりではありますが、少しずつでも気候変動対策を行ってまいります。
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最後に・・・・ 2021年を振り返って。
今年は当社もコロナ禍でいろいろなことがあった年ではありましたが、良いニュースもありました。
「IT」、「デザイン」、「環境」・・分野の違う3つの政府系コンペティションで賞をいただきました。
■IT・デジタル
全国中小企業クラウド実践大賞 奨励賞 (総務省:共催)
■デザイン
ウッドデザイン賞 奨励賞 (林野庁:補助事業)
■環境
気候変動アクション環境大臣表彰 (環境省:主催)
他 公的機関からSDGs関連の認定を受けました。
■国連グローバル・コンパクト 他 SBTイニシアチブから認定取得
■富山県 SDGs宣言企業として認定
■富山市 <富山市で学ぶSDGs教育旅行>参加企業
会社内で抱えている問題をどうすれば解決できるか・・・
職人達で考え、時間をかけて地道に実行してきたことの結果が今年の入賞・認定につながったと思っています。
「脱炭素」「サスティナブル」「デジタル化」は日本のみならず世界からみても大きなキーワードになっており、当社のような中小企業にとっても3つのキーワードはとても重要になってきます。
飛鳥時代から続く伝統木工技術「組子」を通じて、これからも引き続き職人達と課題解決に挑戦し、持続可能な未来に向けて道を切り開いていきたいと思っています。
そして、タニハタのみならず社会が抱えている問題を少しでも解決できるように、私達なりに考え情報発信してまいりたいと思います。
来年も精一杯精進いたします。
本年同様、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い致します。