「組子の基本はここにあるよ・・・」 半世紀経った組子が、私たちに語りかけてきます。
1977 年、私たちタニハタの職人で組み上げた書院障子が、全国建具展示会にて内閣総理大臣賞を受賞。
まだ30歳だった私は、ようやく、組子職人と名乗っていいと言われたような気がしました。
それから約半世紀。
その作品は今も寸分の狂いもなく、凛とした表情で私たちの仕事を見つめています。
求めることはただ一つ。
木を隙間なく組み上げること。
たったそれだけだからこそ、仕上がりに大きな違いを生み出します。
組子仕事の神髄は、木の納まり。
和室という小さな空間でコンマ数ミリにこだわる日々の仕事があるからこそ 駅やホテルなどの巨大な空間で、静けさの中にも圧倒的な美しさを感じさせてくれるのです。
そして。
「時間をかけて綺麗に仕上げることは誰でもできる。素早く綺麗にしあげること。それこそが本当の職人だ」
若い頃、親方によく言われた言葉です。
私たちは、作家ではなく職人。
限られた時間の中で、最大限の手間をかけ、組子を納めます。 その仕事の価値をわかっていただけるお客様がいる限り、私は職人を名乗り、挑戦を続けていきます。 若い仲間たちとともに。
組子職人:高島敬 1969年1月5日 谷端組子店入社 75歳
動画でもご覧いただけます。
組子とは・・・ページも参照ください。