タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

滑川建築フェスで出会った歴史と美の宝庫

富山市の隣にある滑川市で開催された「なめりかわ建物フェス」に参加してきました。

このイベントは、地域の建築文化を紹介するもので、普段は非公開の歴史的建造物や文化財が特別に公開される貴重な機会です。

滑川市には、時代を超えて残る伝統的な建築物が点在しており、例えば、廣野家住宅や旧宮崎酒造など、どれも趣がありその時代の息吹を感じさせる建物ばかりでした。


組子の入った板戸が多かったです。
なぜか書院欄間にミニ組子が。
一重香図入り上障子襖。懐かしい。
書院障子に欄間、障子戸、折部襖・・・古い家は、組子建具が数多く設置されています
床の間のある家が本当に少なくなりました。床の間の横にある灯りとりの障子「書院障子」は組子職人の腕の見せ所だったのですが、住宅事情が大きく変わり激減。 そんな理由から当社が商業施設向けの組子を開発し、2000年からWEBで販売を始めました。

滑川の街並みを歩きながら、昭和の懐かしい風景を楽しむことができました。特に印象的だったのは、地元の方々がこのイベントを通じて建築遺産の保存と活用に取り組んでいる姿勢です。

富山県全体としても、世界遺産の五箇山合掌造りや岩瀨や八尾、井波地区などそれぞれ古い建築物や文化財が多いのですが、それらの地域では実際に多くの方が家に住まれて生活をされ、それぞれ古い建築物の良さをアピールするイベントやSNSなど発信されており、未来へつなぐ新しい価値を生み出そうとする熱意を最近感じます。

これからも、こうしたイベントが増え、富山全体が「建築の県」として活性化していくことを期待しています。また、古い建築物と新しい価値の融合がさらに深まり、地元の誇りとして長く受け継がれていくことを願っています。