タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

書籍『世界に響け職人の心意気』 増刷となりました。

5年前に発刊しました書籍『世界に響け職人の心意気』がお陰様で増刷となりました。 アマゾンや下記出版社で購入することができます。

アマゾン
リックテレコム(出版社)
紹介ページ

5年前と比較して、業界、当社をめぐる環境もいろいろ変わってきていますが、この頃に書いた思いは今と全く変わっていません。

組子について、伝統について、ものづくりについて、職人について・・・自分の経験を元に私なりの考えを綴っています。

当社も組子製品が全く売れない時期があり、本当に経営が大変な時期がありました。
お陰様で、現在は日本はじめ海外からも組子の引き合いが多くなり、何とか経営も軌道にのりました。
どうして立ち直ることができたのか・・・ビジネスに行き詰まっている方がおられたら少しは参考になるかもしれません。

多くの方に感謝です。

ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)にて組子が展示されています。

現在、ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)が開催中です。
(当社の組子欄間も展示しております。)

ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)にて組子が展示
ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)にて各種組子が展示

ICFFは毎年5月にニューヨークで開かれる北米で最大規模の現代家具見本市です。
世界中のインテリアデザイナーや建築家、小売業者などが家具やマテリアル、照明、雑貨などを出店しており、500以上のブースが立ち並ぶ大きな展示会です。

当社でも5年前に出展いたしましたが、この展示会を機に海外への組子販売が徐々に増えてきました。

NYにお住まいの方はぜひお立ち寄りください。

会期:5月21〜24日
会場:ニューヨーク、ジェイコブ・K・ジャビッツ・コンベンション・センター
The 29th annual ICFF NYC, North America’s platform for global design, will map the newest frontier of what’s best and what’s next at New York City’s Jacob K. Javits Convention Center, May 21-24, 2017. Registration is now open.
2017 Dates-Trade Sunday,
Jacob K. Javits Convention Center (11th Avenue at 38th Street) New York City

CRAFITS Inc.
225 W 36th Street. Suite 603
New York, NY 10018

NHK「デザインあ」で組子が放送されます。

NHKEテレ(教育テレビ)で放送している<デザインあ>という番組にタニハタの組子が登場します。

4月26日(水曜日)朝7時25分~放送予定

http://www.nhk.or.jp/design-ah/

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下記 番組HPより

デザインには、商品デザイン、工業デザイン、グラフィックデザイン、衣装デザイン、キャラクターデザイン、建築デザイン、音響デザインなど様々な分野があります。
そこに共通する目的は、観察や洞察によって物事の本質を見つけ出し、アイディアや工夫を加えて、さらなる使いやすさだったり、美しさだったり、心地良さを生み出すこと。

つまり、デザインとは、人とモノ、人と人を「より良くつなげる」ための観察・思索・知恵・行動のプロセスです。
「デザインあ」は、私たちの身の回りに当り前に存在しているモノや空間をデザインの視点から見つめ直すことでデザインのおもしろさを発見してもらい、「デザイン的思考」を育むきっかけとなる番組です。

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素晴らしい番組コンセプトですね。
私も年に何度か地域の子供達と組子製作体験を一緒にしたりしていますが、
工場に入ってワイワイとしていた子供達も、組子の体験が始まると一斉に静かになり、目が輝きだすのがわかります。

一気に組みつけをする子供。
じっくりいろいろな組み方を考える子供。
友達と相談しながら組み方を考える子供。
組み付けた組子をいろいろな角度でじっくりと眺める子供。(何に使うか妄想?)

どれも正解。そして最後は皆、笑顔。
<デザインあ>タニハタの組子が登場

番組のコンセプトにある<観察・思索・知恵・行動>のプロセスは重要で、子供が大人になり自分の思い通りにいかない時、「壁」を乗り越える力にも繋がると思います。

私も小さい頃、こんな番組をみていたらもっとさわやかな笑顔になれたかな(笑)
素晴らしい番組です。
子供向けですが、大人の方もぜひ見ていただきたい番組です。

2017ミラノサローネ – ミラノデザインウィークへ イタリア 視察2 

初日のミラノサローネ視察で最も印象に残った会社があります。
Riva」という木製家具のメーカーです。

ここだけ見ると何の会社かわかりません。。

ブースには、ランボルギーニが置いてあり、かなり人目をひいていました。
また、大きな無垢の天板が数多く展示してあり、天然無垢材にこだわっている感じがブースにみなぎっていました。

展示品の中には、木と樹脂を融合させた天板も展示してあり、古い伝統だけではなく、新しい技術にも挑戦している様子がみてとれました。

一方、トリエンナーレ美術館の庭には、Rivaが製作した木製のハチの巣があり、蜂が世界的に減少しているという環境問題を地域の子供達に提起していました。

木の扉を開けるとハチがたくさん。。

ただ家具だけをつくるメーカーではないことはその展示内容からもみてとれました。
う~~ん ぜひこの会社に行きたい。。

ミラノの北部「カントゥ」という地域にリーバ本社があり、そこに行けば展示品などを見ることができる、ということでミラノ最終日は電車に揺られて職人達と行ってきました。

PM2時過ぎに着いたのですが、イタリアの会社の昼休み(シエスタ)は何と3時間!閉まっている雰囲気。。

展示場の前で立っていると、女性が「ボンジョルノ~♪」と陽気に出てきて一安心。
中を見せていただきました。日本では見ることできない無垢の家具、昔の木工機械、道具が所狭しと並んでおり、全員興奮状態。

しかし、カメラはNGということでここでは紹介することはできません。(残念!)
何とかお願いしてこのすごい天板を1枚だけ撮影させていただくことができました。
何と 奥行12メートル、幅2メートル、厚み150ミリの無垢天板。

私の体が小さく見えます。
ブルドーザーが傾くくらいの大きな木材を掘り起こしています。

ここは、環境に配慮して木を伐採して材料にするのではなく、災害などで倒れた木や地中に埋もれた木を使う方針で、その考えに共感した世界中のデザイナーとこの会社がコラボして製品化しているとのことでした。そしてその家具を世界中に販売しています。(日本でも販売しています。)

同じ木材加工業者としてたくさんの刺激を受けました。素晴らしい。
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ここのカントゥという地域は木工が盛んで、木工機械メーカーもあるというので帰りに見せてもらいました。

帯鋸、手押し、自動鉋盤、ランニングソー、パネルソー・・日本の建具加工でもおなじみの小型機械も多く、親近感がもてました。
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このカントゥから車で20分ほど行ったところに「コモ湖」という湖(リゾート地)があります。

2年前、イギリスのお客様から「コモ湖」をイメージした組子を製作依頼されたことがあります。

その時は時間の都合上、コモ湖には行くことはありませんでしたが、イタリアというと「コモ湖」が思い浮かぶくらいに自分の頭の中に入り込んだ現場になりました。

場所も近いので、このコモ湖まで行ってみようということになりました。

高級な別荘がたくさん建っています。


湖は美しく、花が咲き乱れ、鳥がさえずり、そんな素晴らしい環境の中でイタリア人が、カフェのテラスで和やかにワインを飲む・・あ~これぞリゾート。。素晴らしい環境でした。

ミラノに戻ってきて、駅を出ると有名な建築物「垂直の森」が見えました。
開発によって自然が失われ、コンクリートジャングルと化している現代の街に一石を投じた建物です。
ただ美しくデザインされたモノを作って販売するだけではなく、「環境」「社会」というものを意識してモノヅクリすることが、これからもっと重要・・ということを今回の視察で教えてもらいました。
私達は現在~未来の子供達にどんな社会を残したいのか? 組子の材料に「木」を使っているからこそ、そこの核の部分をもっと突き詰めて考えて実行していく必要があると感じた次第です。
小さな会社ではありますが、諦めずに職人達と進めていきたいと思います。

2017ミラノサローネ – ミラノデザインウィークへ イタリア 視察1

毎年4月にイタリア・ミラノで開催される、世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ 国際家具見本市」に行ってきました。期間中は、ミラノ郊外で開催されているミラノサローネ以外にもミラノ市内で数多くのデザインに関する展示会(フォーリサローネ)が開催されています。

最近では、ミラノサローネとフォーリサローネを合わせて「ミラノデザインウィーク」という名称で呼ばれており、期間中は100万人規模の人々で賑わう世界最大規模のデザイン祭典となっています。

タニハタでもヨーロッパからデザイン組子の引き合いが増えており、世界のトップデザインの傾向を知るために若手職人達と共にミラノまで行ってきました。

(今回視察に行った職人は、谷端、黒田と酒井です。)

  • ミラノサローネ 国際家具見本市

初日は、ミラノ郊外ロー市にある見本市会場・Rho Fiera Milano(ロー・フィエラミラノ)に行ってきました。

2017ミラノサローネ開場

朝9時30分 開場とともに人がなだれ込みます。。
人混みの先が見えないくらい広い会場。

やはり家具デザインといえば「椅子」。

2017ミラノサローネ 光る椅子見ているだけで楽しくなってきます。

ミラノサローネ2017 椅子ヨーロッパは展示の仕方にも遊び心が感じられますね。

組子の幾何学模様のようなデザインも多かったです。
ミラノサローネ 展示品

組子かと思いました。 よく見ると紐!

Internet of Thingsという言葉は我々のような木工業界には関係ないかなぁと思っていましたが、岐阜から出展されている「飛騨産業」さんの製品をみて目から鱗が落ちました。。


何の変哲もない木の桟から光のメッセージが・・・。展示員の方の手元にあるタブレットからすぐにメッセージの内容を送ることができるようです。いつも決まったメッセージを流すのではなく、来訪者に合わせてメッセージの内容を瞬時に変えることができます。ホテルなどのウエルカムボードにいいですね。

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■フォーリサローネ
二日目は、ミラノ市内フォーリサローネや市内の建築物を見てまわりました。

最初に・・日本でも名前が知られている佐藤オオキさん率いる「nendo」。

オープン前の朝9時に行きましたが、すでに長蛇の列。。Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100 人」に選ばれている方だけあり日本人以外の方も多く並んでいました。

展示内容については正直、全く予備知識がないままに入ったので、最初は「??」だったのですが中に入って進んでいくうちに、その世界にどんどん引きこまれました。

この世界に引きこまれました。なぜか昔遊んだ近所の原っぱを思い出しました。中で歩いている人達もデザインとして変わり続けるのですね。

ひとつのデザインだけ見ていると「?」ですが、全体を通してみるとデザインが動き出します。

見る側、時間、位置によってもその印象が変わるデザイン。。

やはり自分の足でこういう展示会は見てまわるものですね。痛感。

佐藤オオキさん 今回のデザインウィークで一番印象的な展示でした。

■レクサス

レクサスのクールな世界感を「空間」で表現するとこんな感じなのですね。

闇の中に研ぎ澄まされた光が割り込み、その光が時間とともに大きく変化していく様子が、とても面白いと思いました。 日本が誇る「陰影礼賛」の新しい表現方法でしょうか。組子の世界にも通用するところがあり大変参考になりました。

■パナソニック

大手電機メーカーらしくお金がかかっているなぁ・・という印象でした。西陣織やお香、茶筒など京都の工芸家達とコラボしておられました。音響や香り、照明など五感を刺激する演出はとても迫力もあり、洗練された和の映像もとても良かったと思います。
ただ、同じ大手でもレクサスの展示は過去と現在、未来の線でブランドが繋がっていたので納得しましたが、パナの場合はどうなのでしょうか?
レクサスがトヨタから離れてブランドを立ち上げたように、パナもそういう必要があるのでは?

ミラノ・トリエンナーレ内ではいろいろな試みが行われていました。

日本からもいろいろな製品が展示されていました

岐阜から関の刃物や美濃和紙が出展。スイスのデザイナーとコラボして新しい日本刀を展示されていました。

展示会場をみて気になったことがあります。それは日本から出展している企業の多くが、<白の床、天井、壁>ほとんど白で内装を統一しているブースが多いこと。。

少し偏りすぎていないかなぁと途中で感じた次第です。
確かに展示しているものを明確に引き立てる色であり、日本らしい潔い色ではあるのですが。。 シンプルすぎるかも。。

一方、海外の展示ブースは色づかいが多く、見ていて楽しい。
国民性の違いでしょうか?

翌日は、リゾート地のコモ湖まで足を伸ばしました。

日本経済新聞に掲載されました。

3月21日付 日本経済新聞(全国版)「こえる、超える、越える」特集の欄にタニハタのことを掲載していただきました。

この特集は、分野を問わずに高みを目指して上り続ける企業、個人の挑戦にスポットライトをあてて紹介する特集ページになります。

先日の「iFデザインアワード金賞受賞」のことを中心に写真付きでかなり大きく取り上げていただきました。
早速いろいろな方面からお問い合わせをいただきました。

ありがとうございました。

日本経済新聞「こえる、超える、越える」掲載

ドイツ紀行   職人:城広明

ドイツといえば・・・頭に浮かぶのは、ビール、ソーセージ、ヒトラー 恥ずかしながら、この程度のものでした。

そんな私が、iFデザインアワード受賞式参加のために日本から飛行機に乗って約12時間・・
ミュンヘンの空港を出て、まず驚いたのは、道路を走る「自動車」でした。
メルセデスベンツ、BMW、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲン。。
日本では軽自動車の割合が4割ほどだそうですが、ドイツでは高級車が列を成してビュンビュン道路を走っている。。。

以前トヨタの方から聞いた「トヨタも欧州では勝てないんです。」という言葉が頭をよぎりました。道路を走る自動車のほとんどがドイツ車。 たまにプリウス・・という感じで、到着するなり、ドイツは日本同様(いやそれ以上に)「ものづくりの国」と実感した次第です。

(ちなみにドイツのグローバル企業といえば、他にアディダス、プーマ、シーメンスなどもそうです。)
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訪問したバイエルン州ミュンヘンですが、ここに住む人々は自分たちのことを「ドイツ人」ではなく「バイエルン人」と言うのだそう。バイエルンの人は真面目に働き、他の州の人よりも多くの税金を納めている自負があるようです。また、町の景観にも誇りを持っており、以前、百貨店が高層のビルを町中に建てようとしたことがあったそうですが、途中で建築を中止にさせるくらい自分達の街を大切にしているとのことでした。(「バイエルン人」にたいして「プロイセン人」は、進歩的・開明的・・なのだそうで・・・あまり仲は良くないようです。 )

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■USMショールーム、ミュンヘンミュージアム 視察
ここでは、工業デザインとはどうあるべきかを聞くことができました。

モノづくりの国「ドイツ」でも技術に対しての差というものはどんどんなくなってきており、工業製品であってもデザインで差別化することが重要になってきているとのこと。
商品の使い手が扱いやすく、なおかつ快適に作業できるデザインを追求しているようです。

ちなみに車の前で説明されている方は、工業デザイナーのナウマン氏。
日本のナウマン象は、彼の曾祖父が日本で発見し、その名前が付けられました。糸魚川のフォッサマグナもナウマン博士の発見によるもので、日本に大変御縁がある方です。

世界的にも有名なデザイン(プロダクト)が、数多く並んでいました。

家具デザインといえば「椅子」。とにかくすごい数でした。

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■ミュンヘン市内

ミュンヘンでは多くの歴史的建築物を見学しました。
ニンフェンブルク城、ミュンヘンレジアンツ、マリユン広場など・・

そこに立つだけで圧倒されます。

たくさんの歴史建築物を見ましたが、ドイツの住宅部材の現状もみたい、と思いホームセンターにも行きました。

市内のホームセンターにも入って、住宅製品を見てきました。

ドアがたくさん並んでいました。個人の方も取りつけされるようです。

一見、普通の集成材ですが、なんと30ミリ角くらいの四角い材料を接着して製品にしていました。 さすがエコの国ドイツ。。

これも一見、無垢材ですが、精巧に印刷された木目パネル板です。とても大きく重いパネルでした。何に使うのか・・

無垢材は松系の材料が多かったですが、広葉樹も日本以上に販売されていました。

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■BMWミュージアム

車には興味の無い私ですら、このミュージアムに入った途端、心が躍りました
1972年に建てられたとは思えないデザイン性、見る人を飽きさせない展示の方法、
統一感のある空間。。
自動車、デザイン、建築、インテリアなど、どの視点からみても世界最高峰と言えるミュージアムではないでしょうか?

展示物、建築物含めて一民間企業が作り、管理しているところも驚きました。

昔の車の方が味わいがあるような・・

内装材の視覚的効果がとても面白かったです。

壁面の映像は動画で動きます。プロジェクターなどはなく、壁面そのものが発光しています。

組子製作 株式会社タニハタ iFデザインアワード 金賞受賞。
最上階には、iFデザインアワードの金賞トロフィーがガラスケースに入って飾られていました。 さすがBMW・・ うちも綺麗に飾らなければ・・・

最後に・・

iFデザインアワード金賞受賞でTANIHATAの名前が呼ばれてステージに登壇するときは本当に緊張しました。
巨大なスクリーンにタニハタの映像が流れ、会場の中の視線が集まっているのが分かりました。

ステージの上からの景色、空気、緊張感は生涯忘れません。
金賞の名に恥じないモノづくりをするためにはどうすればいいのか・・
他の組子職人達と共に考え、目標を立て、一歩一歩実践していきたいと思います。

城 広明

上野 四季島など組子の設置写真が届きました


上野駅構内-豪華寝台列車「四季島」 専用ラウンジ-神代杉「桜柄」
ホテル-カンラ京都 SPA-「麻の葉柄」
韓国 ホテル-Paradise city casino hotel-「胡麻柄」
シンガポール-FUJISOBA「七宝柄」
滋賀-レストラン-千成亭-枡あわせ組子
埼玉-T邸-「角麻組子」

納入した現場すべてをご紹介することはできませんが、少しずつWEBサイトでご紹介させていただいております。

タニハタの組子欄間が[iFデザインアワード2017 金賞]を受賞しました。

(株)タニハタの製作する「組子欄間」が、国際的に権威のあるドイツのデザイン賞「iFデザインアワード2017」にて最高賞である金賞を受賞しました。

今回受賞いたしました「組子欄間」は「Textiles / Wall / Floor」分野での受賞となります。この分野の金賞受賞は日本初となります。

今年のiFデザインアワードは、59の国/地域から応募があり、応募件数は5575件、58名のデザイン専門家が審査を行い、賞が決定いたしました。
金賞は全75件あり、フェラーリ、BMW、アップルなど世界的な企業が金賞受賞。
(日本からはソニー、ヤマハ、資生堂などが受賞しました。)

「うちのような地方の小さな木工場がいただいていいのだろうか?」恐縮する気持ちでトロフィーをいただいた次第です。

●3月10日(金) 授賞式について

式典会場はドイツ・ミュンヘンにあるBMW本社で行われました。

BMW本社
ミュンヘン BMW本社

BMW会場 iFデザインアワード
iFデザインアワード受賞式会場

受賞式会場
会場入り口   初めてのレッドカーペットでした

着座前
着座前 ちょっと緊張。。

タニハタ 受賞式前
世界中から2000人を超えるデザイナーが参加

最初に審査委員長のお話し 金賞受賞者は、すべて社名が読み上げられ、壇上でトロフィーを受け取ります。

組子欄間 「iFデザインアワード2017」にて金賞を受賞
壇上で受賞(左側 職人を代表して城広明)

表彰終了後 インタビュー

受賞式が終わったのでは夜の9時過ぎ・・その後受賞パーティ

いろいろな人から声をかけられました。

職人・城広明もBMWの前で撮影

こんな感じで受賞式セレモニーは過ぎていきました。

ものづくりの先進国、ドイツでの受賞は当社にとって本当に大きなものです。
今回の受賞はゴールでもあり、スタートでもあると思っています。
賞の名に恥じぬよう心を引き締めて、これからも日本人の心意気を世界に向けて発信してきたいと思います。 皆さんに感謝・感謝です。

●iFデザインアワードについて

ドイツ・ハノーバーを本拠地とするiF International Forum Designは、ドイツで最も長い歴史を持つ独立したデザイン団体で、1953年から毎年優れたデザインを選出し「iFデザインアワード」を授与しています。

iFのロゴは優れたデザインの証として世界で広く認知されています。

iF DESIGN AWARD: https://ifworlddesignguide.com/

「国連UNHCR協会」に寄付させていただきました。

今年に入りフランス、ドイツに行ってきましたが、日本人では伺い知ることができない難民問題が、ヨーロッパの人達の生活にのしかかってきているのを感じました。
シリアのみならずイラクやイエメン、南スーダン、中央アフリカ等で紛争・迫害が続き、世界は第2次世界大戦後最大の難民危機に直面していると言われています。

難民となって過酷な避難生活を強いられている人々の支援のため、タニハタでは、ささやかでありますが、昨年に引き続き収益の一部を「国連UNHCR協会」に寄付させていただきました。
お金で問題が解決できるとは思っておりませんが、小さくても自分達でできることを一歩一歩実行することが重要とおもっております。

屋根の下で生活できる今の日本に感謝です。

※国連難民高等弁務官事務所(UNHCR: United Nations High Commissioner for Refugees)は世界各地にいる難民の保護と支援を行なう国連機関です。1954年、1981年にノーベル平和賞を受賞。スイス・ジュネーブに本部を置き、約125か国で援助活動を行っています。
感謝状 タニハタ

タニハタのWebサイトがHTTPS化に対応しました。

この度、タニハタのWebサイトがセキュリティ対策の強化として常時SSL化(httpsアドレス)に対応しました。

「常時SSL化」とは、金融機関などのWebサイトのように、Webページをすべて暗号化することです。

SSL化することにより、タニハタのWebサイトに訪れたお客様の行動を保護することができます。SSL化したページは、下記のようなマークがアドレスバーに表示されます。

タニハタのWebサイトがHTTPS化に対応
従来通りのアドレス(httpアドレス)でアクセスしてもリダイレクトによりhttpsになる予定です。閲覧におけるご負担は特にございません。

(ブラウザのお気に入りに登録されている方は、アドレスをhttps://www.tanihata.co.jpにしていただいても結構です。)

これからもお客様が安心してタニハタのサイトをご覧いただけますよう、よりセキュリティの高いWebサイトをめざして対応していく所存です。

パリの木工 ものづくり。

職人達とフランス パリに行ってきました。
行き先は・・

●国立ゴブラン家具製作所
●パリ市内の民間木工房
●メゾン・エ・オブジェ(欧州最大級のインテリア・ デザイン展示会)
●ルーブル美術館など(欧州の伝統工芸、美術品)
●パリにある日本のアンテナショップ、市内にあるギャラリー

最近ヨーロッパから組子の引き合いが多くなっており、市場の生の声、情報を聞くことも目的のひとつでした。
また、タニハタの若手職人も2名連れていき、海外のものづくりを「生」でみることで、職人としての視野を広げてもらうことも目的でした。てんこもりの予定で駆け足の出張でしたが、どれも大変勉強になった次第です。

パリの国立ゴブラン家具製作所
ゴブラン家具製作所は、1667年ルイ16世の時代にできた「王立家具製作所」が元になっており、350年の歴史がある製作所です。
木家具の他に金銀・宝石細工、タペストリーなど王家用の調度品を生産してきました。

国立ゴブラン家具製作所訪問

木の加工方法、大工道具の使い方、木工機械の扱い方、仕事の考え方など、いろいろなことを教えていただきました。

 

日本と同じ部分、また違う部分もたくさんありました。

例えば・・・

1 日本の鉋(かんな)は<引いて>使用するが、向こうでは、<押して>使用。
(日本の昔の職人は、座って作業をすることが多く、押すよりも引くほうが力が入りやすかったから・・・という説があります。調べてみると日本以外はすべて押すタイプの鉋でした。)

2 日本では通常、鋸(のこぎり)は刃をまっすぐ下に向けて使いますが、
向こうでは、横に向けて切ることもある。
(横に切ると柄が邪魔するので、刃物部分が直角に曲がっている。
家具加工の場合、確かに横にした方が切りやすいな・・と思うことがあります。)

3 刃物研磨も向こうは砥石に対してジグザグに刃を研ぐ。

4 日本のように直線的な加工ではなく、曲線、斜めにこだわることが多い。
(というか技術的には、こちらの方が難しく、新しい技術・新しい機械を駆使して今までにないデザインに挑戦している姿勢が印象的でした。)

5 日本では、針葉樹を主な材料として使用しているが、向こうは、硬くて重い広葉樹が主となる。
(多分、土足で椅子に座る生活によるもの。床や家具(ホゾ)に強度・耐久性を持たせる
  必要があるからと推測。)

針葉樹のことを「ソフトウッド」、広葉樹のことを「ハードウッド」と英語では呼びますが、
作り手の立場から上手く言い当てた名称と改めて感じました。

大航海時代に多くの国から多様な家具(木材)がフランスに入ってきて、それを未だに
  修復して使用していることもあり、家具に合ったいろいろな木材(広葉樹)を使用
されているのが実情のようです。

日本では国産針葉樹・ブランド産地(吉野、木曽など)にこわだったりしますが、
向こうは
製品に合う材料ならば、日本のように地元産木材や地域はあまり気にされ
  ないようです。

(端材をたくさんおみやげにもらいました。)
   

日本は「恥」の文化が邪魔をして、新しい道具、技法に対して無意識の抵抗があります。
「道具に恥じない仕事をする」という言葉がありますが、魂が宿る「道具」の仕様を極端に変えたりはしないですね。 こういうところは日本の職人の良いところでもあり、悪いところでもあり。。

糸鋸手動機械(下写真)をフランスの職人達で製作していたのは、感動しました。
(設計図までいただきました。 うちの職人・和田が切削作業に挑戦!)


電動の機械に頼りすぎない、ということも素晴らしい!
職人の基本を思い出しました。

上記以外にもたくさんのことを教えていただきました。

さすがに350年の歴史があるフランスの製作所です。ふところも大きい!

感謝・感謝です。

●民間の木工房

いろいろな職人が集まる工房村に行きました。
ここはフランス革命の頃、レジスタンスが活動していた場所らしいです。
それを聞いてなぜかにぎりこぶしを振り上げる私・・(!?)

以前はこういう職人村がフランスのあっちこっちにあったようですが、今は職人の数も減少しているようです。どこも同じですね。

木彫刻を施している職人の工房を訪れました。

日本の職人のように鑿もいろいろな種類を使いこなしています。

自分達で考えた<柄の短い金槌>のようです。

右の方が、1980年代から金沢に金箔貼りの修行に来ていたとのこと。
 

この工房では古い額を修復して、新しく販売しているようです。

フランスは、日本の職人のように新品をどんどん作るのではなく、古い家具などを修復する仕事も多いようですね。

統計の数字から見ますと・・・

日本では年間約90万戸の住宅着工数ですが、売買される住宅の約9割が新築、一方フランスは7割が中古の売買だそうです。

日本は、世界的にみても突出して「新しいもの好き」ということが、統計からもわかります。

損得で考えますと・・・古いものをどんどん壊して、新しい建物、製品を作った方が経済は活性化しますが、一方で失われるものも大きいなぁ・・と この国の古くて美しい町並み、職人の仕事ぶりをみてつくづく感じました。

●メゾン・エ・オブジェ

インテリアデザイン分野の「パリコレ」とも言われる欧州最大級のインテリア・ デザイン展示会。出展数も3000を超える大展示会で全部見るには1日では足りないくらい。。

近年、日本政府が伝統産業の海外進出(クールジャパン)を後押ししているせいか、燕三条、岐阜、京都など日本の地域ごとの参加が目立ちました。

欧州の木製品を見に行ったのに、ついつい日本のブースに立ち止まって話しを聞いてしまいました。。。


パリ市では、2020年までに約100ヘクタールにおよぶ壁や屋上を緑化する計画とのことで
「緑」に関する出展が多かったのが特徴です。都市部のエコ化・・・日本も見習いたいものですね。

世界で最も入場者が多い美術館「ルーブル美術館」
モナリザやミロのビーナスなど世界の宝を見てきました。


最後に・・・
格子のタワー 「エッフェル塔」に登ってきました。いつか組子でこんな立体物を作ってみたいものです。

フランスの文化は深い。。 圧倒されました。。

パリの夜景をみながら、いろいろな仕事の課題が頭の中に浮かびました。
少しずつあきらめずに挑戦していきたいと思います。

タニハタの徒弟制度について

タニハタには昔、徒弟制度がありました。
18歳前後でタニハタに入社し、5年間組子建具の修行をして年季明けとなります。
年季明けした職人は、実家に帰って親の仕事を継ぎました。
(ほとんどが建具店の2代目、3代目でした。)

私の小さい頃(昭和40年代)は、その若い職人と一緒の生活をしており、いつも枕元では、「トントン」「カンカン」職人達の働く音が聞こえました。

日曜日には一緒にキャッチボールをしたり、木で模型を一緒に作ったり、バイクの後ろに乗せてもらったり・・・私にとってたくさんの頼もしい兄貴がいる感じの生活でした。
そんな生活は小さな私にとって本当に居心地の良いものでした。




時代の流れで徒弟制度というものを続けることができなくなりましたが、今でも「職人は家族」という考え方は変わっていません。

昨年末、何人かのOBの人達と集まる機会があり、話の流れで今のタニハタの職人と合同新年会を行うこととなりました。

OBから9人の参加があり、賑やかな新年会を行うことができました。

若いタニハタの職人も昔の組子職人の苦労話しを聞いたり、仕事の悩みを聞いてもらったり、
人生の大先輩の話しは若い職人達にとって大変参考になったようです。
こういう御縁は、本当に大切にしなくてはならない、タニハタにとっての一番の宝物だとつくづく感じた次第です。時代の流れとともに職人の徒弟制度というシステムは消えていきますが、その「精神」だけは繋げていきたいと思っています。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
皆様 本年も変わらぬご愛顧の程お願い申し上げます。

今年もタニハタは、皆様にご満足いただける組子製品づくり、サービスを心がけ全力を尽くしていく所存です。 引き続き、より一層のご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。

2017年 元旦 タニハタ社員一同
組子細工 タニハタ謹賀新年

昨年末から工場のリニューアルが始まりました。
(1月1日 新年を写真のような状態で迎えました。)

創業60年の古い工場ですが、社員みんなが胸を張って仕事ができる作業環境
を目指していきたいと思っております。
工場見学の申し込みはしばらくお断りする状態が続くと思います。
何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

組子職人の作業場

お客様から施工写真をいただきました。

12月初旬に製作させていただいた山梨県のお客様(個人様)からお便りをいただきました。
最近は商業施設の現場が多くなり、製作後、出荷して終わり・・ということが増えましたので、個人のお客様から心のこもった暖かいコメントをいただくと本当に職人達のモチベーションがあがります。心からありがたく思います。 

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以下 お便りです。

千本格子の引き戸と組子欄間の製作・納品ありがとうございました。
おかげさまで無事に設置する事が出来ました。

ひょんなことからタニハタさんを知り、新宿のギャラリーへ足を運び、その美しい作品を見て引き戸の作成をお願いしようと決めました。
実際に届くまでは不安のほうが大きったのですが、引き戸が入った和室を見た瞬間あまりにも素晴らしい仕上がりで本当に感激しました。

私がこの度の家造りで最も力を入れた部屋でしたので、引き戸が入ってからは一段も二段も表情が良くなり上品な趣のある理想どおりの和室になりました。
また組子欄間のデザインも素敵で和室へつながる通路を引き立てています。

玄関を入った瞬間ヒノキのさわやかな香りがたちこめているのも嬉しい演出になっています。
(訪れた方が「あ~良い香り」と深呼吸してくれます) 木曽檜にして正解でした。

一生に一度の大仕事に心のこもった仕事をしてくださるタニハタさんと出会えたことを嬉しく思います。本当にありがとうございました。

最後になりましたが、御社の更なるご発展を祈念しております。
寒さ厳しき折、皆さまお体にはご留意ください。
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組子欄間 美術組子1

組子欄間 美術組子2

千本格子引き戸 組子1

千本格子 引き戸2

光と陰と組子・・・美しい現場ですね。
本当にありがとうございます。谷端

「星」と「雪」の形のクリスマス向け組子

先日、クリスマスディスプレイ用に製作した「星」と「雪」組子の設置写真が届きました。
普段はミニ組子の特注品対応は行っていないのですが、今回、日本橋にある富山県アンテナショップさんからのご要望ということで特別に20個だけクリスマス組子を製作いたしました。

タニハタ クリスマス組子

「星」と「雪」の形のクリスマス向け組子

南砺市から組子工場見学

南砺市から24名の工場見学がありました。
いつも通りタニハタの会社説明、組子製作体験、工場見学の流れで進めさせていただきました。
彫刻欄間、木工の里「井波」「庄川」の方達が多数参加、ということで組子体験、会社案内もいつもよりスムーズな感じでした。
うちの若い職人達にも多数参加してもらい、組子に触れるお客様の生の反応をみてもらいました

組子製作体験 南砺市

Herschel Supply(ハーシェルサプライ)のWebサイトにタニハタの組子欄間が掲載。

カナダ・バンクーバーに本社があるバッグブランド「Herschel Supply(ハーシェルサプライ)」のWebサイトにタニハタの組子欄間が掲載されました。

Herschel Supplyは、シンプルで伝統的なスタイルに現代のエッセンスをプラスしたデザインが人気のバッグメーカーです。
ニューヨークなど海外でも広く支持されており、世界的にブレイクを見せている急成長ブランドです。
バックパックやショルダーバッグなど、日本のセレクトショップでも好評で、多くのお店で取り扱われています。

「バッグのブランドになぜ組子?」と思われるかもしれませんが、この会社のデザインは、登山、旅行やファッションの他に遺跡や伝統からもインスピレーションを受けているようで、そういうサイトを業界問わずにWEBサイトで紹介されているそうです。

日本の伝統の素晴らしさをいろいろな国の方に知っていただけるよう、これからも地道にPRしていきたいと思います。

雑誌「近代建築」にミャンマー大使館に納入した組子が掲載されました。

ミャンマー民主主義の母、アウンサンスーチーさんが来日されました。
今年3月に民主的な政権が発足して以来、初めての来日ということでニュースでもかなり時間を割いてミャンマーのことが放送されていました。

そのミャンマーの大使館に納入した組子が雑誌「近代建築」に掲載されました。
納入したのは「桜柄」の組子です。
日本のものづくり 組子でできることは限られますが、組子を通して少しでも心の平安が世界に広がることを願います。

組子 大使館 ミャンマー

 

TV番組でタニハタの組子が、紹介されます。

下記のTV番組でタニハタの組子欄間が、紹介される予定です。

●2016年10月26日(水)
NHK 総合  午後8:15~ 番組名:探検バクモン

「世界最高峰のおもてなしホテル」として「ザ・リッツ・カールトン東京」の特集があり、組子欄間が紹介される予定です。

昨年、約400枚程の組子をリッツカールトン東京のお部屋に設置させていただきました。
中でも一泊200万円のスイートルームの組子は、見応えがあります。
ぜひご覧ください。

●2016年10月29日(土)
HAB北陸朝日放送 夜11時06分~ 番組名:アンディームジーク

北陸の文化遺産や芸術的景観とクラッシック音楽をいっしょに約2分ほど放送する番組です。
2週間ほど前に撮影スタッフが工場内を撮影されていかれました。

タニハタの職人とクラッシック音楽・・・見るのが少し怖い気がしますが(笑)
滅多にない組み合わせですので私も楽しみにしています。

組子 スイートルーム リッツカールトン

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