3月21日付 日本経済新聞(全国版)「こえる、超える、越える」特集の欄
この特集は、分野を問わずに高みを目指して上り続ける企業、個人の挑戦にスポットライトをあてて紹介する特集ページになります。
先日の「iFデザインアワード金賞受賞」のことを中心に写真付きでかなり大きく取り上げていただきました。
早速いろいろな方面からお問い合わせをいただきました。
ありがとうございました。
組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。
ドイツといえば・・・頭に浮かぶのは、ビール、ソーセージ、ヒトラー 恥ずかしながら、この程度のものでした。
そんな私が、iFデザインアワード受賞式参加のために日本から飛行機に乗って約12時間・・
ミュンヘンの空港を出て、まず驚いたのは、道路を走る「自動車」でした。
メルセデスベンツ、BMW、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲン。。
日本では軽自動車の割合が4割ほどだそうですが、ドイツでは高級車が列を成してビュンビュン道路を走っている。。。
以前トヨタの方から聞いた「トヨタも欧州では勝てないんです。」という言葉が頭をよぎりました。道路を走る自動車のほとんどがドイツ車。 たまにプリウス・・という感じで、到着するなり、ドイツは日本同様(いやそれ以上に)「ものづくりの国」と実感した次第です。
(ちなみにドイツのグローバル企業といえば、他にアディダス、プーマ、シーメンスなどもそうです。)
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訪問したバイエルン州ミュンヘンですが、ここに住む人々は自分たちのことを「ドイツ人」ではなく「バイエルン人」と言うのだそう。バイエルンの人は真面目に働き、他の州の人よりも多くの税金を納めている自負があるようです。また、町の景観にも誇りを持っており、以前、百貨店が高層のビルを町中に建てようとしたことがあったそうですが、途中で建築を中止にさせるくらい自分達の街を大切にしているとのことでした。(「バイエルン人」にたいして「プロイセン人」は、進歩的・開明的・・なのだそうで・・・あまり仲は良くないようです。 )
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■USMショールーム、ミュンヘンミュージアム 視察
ここでは、工業デザインとはどうあるべきかを聞くことができました。
モノづくりの国「ドイツ」でも技術に対しての差というものはどんどんなくなってきており、工業製品であってもデザインで差別化することが重要になってきているとのこと。
商品の使い手が扱いやすく、なおかつ快適に作業できるデザインを追求しているようです。
ちなみに車の前で説明されている方は、工業デザイナーのナウマン氏。
日本のナウマン象は、彼の曾祖父が日本で発見し、その名前が付けられました。糸魚川のフォッサマグナもナウマン博士の発見によるもので、日本に大変御縁がある方です。
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■ミュンヘン市内
ミュンヘンでは多くの歴史的建築物を見学しました。
ニンフェンブルク城、ミュンヘンレジアンツ、マリユン広場など・・
たくさんの歴史建築物を見ましたが、ドイツの住宅部材の現状もみたい、と思いホームセンターにも行きました。
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■BMWミュージアム
車には興味の無い私ですら、このミュージアムに入った途端、心が躍りました
1972年に建てられたとは思えないデザイン性、見る人を飽きさせない展示の方法、
統一感のある空間。。
自動車、デザイン、建築、インテリアなど、どの視点からみても世界最高峰と言えるミュージアムではないでしょうか?
展示物、建築物含めて一民間企業が作り、管理しているところも驚きました。
最後に・・
iFデザインアワード金賞受賞でTANIHATAの名前が呼ばれてステージに登壇するときは本当に緊張しました。
巨大なスクリーンにタニハタの映像が流れ、会場の中の視線が集まっているのが分かりました。
ステージの上からの景色、空気、緊張感は生涯忘れません。
金賞の名に恥じないモノづくりをするためにはどうすればいいのか・・
他の組子職人達と共に考え、目標を立て、一歩一歩実践していきたいと思います。
城 広明
納入した現場すべてをご紹介することはできませんが、少しずつWEBサイトでご紹介させていただいております。
(株)タニハタの製作する「組子欄間」が、国際的に権威のあるドイツのデザイン賞「iFデザインアワード2017」にて最高賞である金賞を受賞しました。
今回受賞いたしました「組子欄間」は「Textiles / Wall / Floor」分野での受賞となります。この分野の金賞受賞は日本初となります。
今年のiFデザインアワードは、59の国/地域から応募があり、応募件数は5575件、58名のデザイン専門家が審査を行い、賞が決定いたしました。
金賞は全75件あり、フェラーリ、BMW、アップルなど世界的な企業が金賞受賞。
(日本からはソニー、ヤマハ、資生堂などが受賞しました。)
「うちのような地方の小さな木工場がいただいていいのだろうか?」恐縮する気持ちでトロフィーをいただいた次第です。
●3月10日(金) 授賞式について
式典会場はドイツ・ミュンヘンにあるBMW本社で行われました。
こんな感じで受賞式セレモニーは過ぎていきました。
ものづくりの先進国、ドイツでの受賞は当社にとって本当に大きなものです。
今回の受賞はゴールでもあり、スタートでもあると思っています。
賞の名に恥じぬよう心を引き締めて、これからも日本人の心意気を世界に向けて発信してきたいと思います。 皆さんに感謝・感謝です。
●iFデザインアワードについて
ドイツ・ハノーバーを本拠地とするiF International Forum Designは、ドイツで最も長い歴史を持つ独立したデザイン団体で、1953年から毎年優れたデザインを選出し「iFデザインアワード」を授与しています。
iFのロゴは優れたデザインの証として世界で広く認知されています。
iF DESIGN AWARD: https://ifworlddesignguide.com/
今年に入りフランス、ドイツに行ってきましたが、日本人では伺い知ることができない難民問題が、ヨーロッパの人達の生活にのしかかってきているのを感じました。
シリアのみならずイラクやイエメン、南スーダン、中央アフリカ等で紛争・迫害が続き、世界は第2次世界大戦後最大の難民危機に直面していると言われています。
難民となって過酷な避難生活を強いられている人々の支援のため、タニハタでは、ささやかでありますが、昨年に引き続き収益の一部を「国連UNHCR協会」に寄付させていただきました。
お金で問題が解決できるとは思っておりませんが、小さくても自分達でできることを一歩一歩実行することが重要とおもっております。
屋根の下で生活できる今の日本に感謝です。
※国連難民高等弁務官事務所(UNHCR: United Nations High Commissioner for Refugees)は世界各地にいる難民の保護と支援を行なう国連機関です。1954年、1981年にノーベル平和賞を受賞。スイス・ジュネーブに本部を置き、約125か国で援助活動を行っています。
この度、タニハタのWebサイトがセキュリティ対策の強化として常時SSL化(httpsアドレス)に対応しました。
「常時SSL化」とは、金融機関などのWebサイトのように、Webページをすべて暗号化することです。
SSL化することにより、タニハタのWebサイトに訪れたお客様の行動を保護することができます。SSL化したページは、下記のようなマークがアドレスバーに表示されます。
従来通りのアドレス(httpアドレス)でアクセスしてもリダイレクトによりhttpsになる予定です。閲覧におけるご負担は特にございません。
(ブラウザのお気に入りに登録されている方は、アドレスをhttps://www.tanihata.co.jpにしていただいても結構です。)
これからもお客様が安心してタニハタのサイトをご覧いただけますよう、よりセキュリティの高いWebサイトをめざして対応していく所存です。
職人達とフランス パリに行ってきました。
行き先は・・
●国立ゴブラン家具製作所
●パリ市内の民間木工房
●メゾン・エ・オブジェ(欧州最大級のインテリア・ デザイン展示会)
●ルーブル美術館など(欧州の伝統工芸、美術品)
●パリにある日本のアンテナショップ、市内にあるギャラリー
最近ヨーロッパから組子の引き合いが多くなっており、市場の生の声、情報を聞くことも目的のひとつでした。
また、タニハタの若手職人も2名連れていき、海外のものづくりを「生」でみることで、職人としての視野を広げてもらうことも目的でした。てんこもりの予定で駆け足の出張でしたが、どれも大変勉強になった次第です。
●パリの国立ゴブラン家具製作所
ゴブラン家具製作所は、1667年ルイ16世の時代にできた「王立家具製作所」が元になっており、350年の歴史がある製作所です。
木家具の他に金銀・宝石細工、タペストリーなど王家用の調度品を生産してきました。
木の加工方法、大工道具の使い方、木工機械の扱い方、仕事の考え方など、いろいろなことを教えていただきました。
日本と同じ部分、また違う部分もたくさんありました。
例えば・・・
1 日本の鉋(かんな)は<引いて>使用するが、向こうでは、<押して>使用。
(日本の昔の職人は、座って作業をすることが多く、押すよりも引くほうが力が入りやすかったから・・・という説があります。調べてみると日本以外はすべて押すタイプの鉋でした。)
2 日本では通常、鋸(のこぎり)は刃をまっすぐ下に向けて使いますが、
向こうでは、横に向けて切ることもある。
(横に切ると柄が邪魔するので、刃物部分が直角に曲がっている。
家具加工の場合、確かに横にした方が切りやすいな・・と思うことがあります。)
3 刃物研磨も向こうは砥石に対してジグザグに刃を研ぐ。
4 日本のように直線的な加工ではなく、曲線、斜めにこだわることが多い。
(というか技術的には、こちらの方が難しく、新しい技術・新しい機械を駆使して今までにないデザインに挑戦している姿勢が印象的でした。)
5 日本では、針葉樹を主な材料として使用しているが、向こうは、硬くて重い広葉樹が主となる。
(多分、土足で椅子に座る生活によるもの。床や家具(ホゾ)に強度・耐久性を持たせる
必要があるからと推測。)
針葉樹のことを「ソフトウッド」、広葉樹のことを「ハードウッド」と英語では呼びますが、
作り手の立場から上手く言い当てた名称と改めて感じました。
大航海時代に多くの国から多様な家具(木材)がフランスに入ってきて、それを未だに
修復して使用していることもあり、家具に合ったいろいろな木材(広葉樹)を使用
されているのが実情のようです。
日本では国産針葉樹・ブランド産地(吉野、木曽など)にこわだったりしますが、
向こうは製品に合う材料ならば、日本のように地元産木材や地域はあまり気にされ
ないようです。
日本は「恥」の文化が邪魔をして、新しい道具、技法に対して無意識の抵抗があります。
「道具に恥じない仕事をする」という言葉がありますが、魂が宿る「道具」の仕様を極端に変えたりはしないですね。 こういうところは日本の職人の良いところでもあり、悪いところでもあり。。
糸鋸手動機械(下写真)をフランスの職人達で製作していたのは、感動しました。
(設計図までいただきました。 うちの職人・和田が切削作業に挑戦!)
電動の機械に頼りすぎない、ということも素晴らしい!
職人の基本を思い出しました。
上記以外にもたくさんのことを教えていただきました。
さすがに350年の歴史があるフランスの製作所です。ふところも大きい!
感謝・感謝です。
●民間の木工房
いろいろな職人が集まる工房村に行きました。
ここはフランス革命の頃、レジスタンスが活動していた場所らしいです。
それを聞いてなぜかにぎりこぶしを振り上げる私・・(!?)
以前はこういう職人村がフランスのあっちこっちにあったようですが、今は職人の数も減少しているようです。どこも同じですね。
日本の職人のように鑿もいろいろな種類を使いこなしています。
右の方が、1980年代から金沢に金箔貼りの修行に来ていたとのこと。
この工房では古い額を修復して、新しく販売しているようです。
フランスは、日本の職人のように新品をどんどん作るのではなく、古い家具などを修復する仕事も多いようですね。
統計の数字から見ますと・・・
日本では年間約90万戸の住宅着工数ですが、売買される住宅の約9割が新築、一方フランスは7割が中古の売買だそうです。
日本は、世界的にみても突出して「新しいもの好き」ということが、統計からもわかります。
損得で考えますと・・・古いものをどんどん壊して、新しい建物、製品を作った方が経済は活性化しますが、一方で失われるものも大きいなぁ・・と この国の古くて美しい町並み、職人の仕事ぶりをみてつくづく感じました。
●メゾン・エ・オブジェ
インテリアデザイン分野の「パリコレ」とも言われる欧州最大級のインテリア・ デザイン展示会。出展数も3000を超える大展示会で全部見るには1日では足りないくらい。。
近年、日本政府が伝統産業の海外進出(クールジャパン)を後押ししているせいか、燕三条、岐阜、京都など日本の地域ごとの参加が目立ちました。
欧州の木製品を見に行ったのに、ついつい日本のブースに立ち止まって話しを聞いてしまいました。。。
他
パリ市では、2020年までに約100ヘクタールにおよぶ壁や屋上を緑化する計画とのことで
「緑」に関する出展が多かったのが特徴です。都市部のエコ化・・・日本も見習いたいものですね。
世界で最も入場者が多い美術館「ルーブル美術館」
モナリザやミロのビーナスなど世界の宝を見てきました。
最後に・・・
格子のタワー 「エッフェル塔」に登ってきました。いつか組子でこんな立体物を作ってみたいものです。
フランスの文化は深い。。 圧倒されました。。
パリの夜景をみながら、いろいろな仕事の課題が頭の中に浮かびました。
少しずつあきらめずに挑戦していきたいと思います。
タニハタには昔、徒弟制度がありました。
18歳前後でタニハタに入社し、5年間組子建具の修行をして年季明けとなります。
年季明けした職人は、実家に帰って親の仕事を継ぎました。
(ほとんどが建具店の2代目、3代目でした。)
私の小さい頃(昭和40年代)は、その若い職人と一緒の生活をしており、いつも枕元では、「トントン」「カンカン」職人達の働く音が聞こえました。
日曜日には一緒にキャッチボールをしたり、木で模型を一緒に作ったり、バイクの後ろに乗せてもらったり・・・私にとってたくさんの頼もしい兄貴がいる感じの生活でした。
そんな生活は小さな私にとって本当に居心地の良いものでした。
時代の流れで徒弟制度というものを続けることができなくなりましたが、今でも「職人は家族」という考え方は変わっていません。
昨年末、何人かのOBの人達と集まる機会があり、話の流れで今のタニハタの職人と合同新年会を行うこととなりました。
OBから9人の参加があり、賑やかな新年会を行うことができました。
若いタニハタの職人も昔の組子職人の苦労話しを聞いたり、仕事の悩みを聞いてもらったり、
人生の大先輩の話しは若い職人達にとって大変参考になったようです。
こういう御縁は、本当に大切にしなくてはならない、タニハタにとっての一番の宝物だとつくづく感じた次第です。時代の流れとともに職人の徒弟制度というシステムは消えていきますが、その「精神」だけは繋げていきたいと思っています。
あけましておめでとうございます。
皆様 本年も変わらぬご愛顧の程お願い申し上げます。
今年もタニハタは、皆様にご満足いただける組子製品づくり、サービスを心がけ全力を尽くしていく所存です。 引き続き、より一層のご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。
昨年末から工場のリニューアルが始まりました。
(1月1日 新年を写真のような状態で迎えました。)
創業60年の古い工場ですが、社員みんなが胸を張って仕事ができる作業環境
を目指していきたいと思っております。
工場見学の申し込みはしばらくお断りする状態が続くと思います。
何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
12月初旬に製作させていただいた山梨県のお客様(個人様)からお便りをいただきました。
最近は商業施設の現場が多くなり、製作後、出荷して終わり・・ということが増えましたので、個人のお客様から心のこもった暖かいコメントをいただくと本当に職人達のモチベーションがあがります。心からありがたく思います。
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以下 お便りです。
千本格子の引き戸と組子欄間の製作・納品ありがとうございました。
おかげさまで無事に設置する事が出来ました。
ひょんなことからタニハタさんを知り、新宿のギャラリーへ足を運び、その美しい作品を見て引き戸の作成をお願いしようと決めました。
実際に届くまでは不安のほうが大きったのですが、引き戸が入った和室を見た瞬間あまりにも素晴らしい仕上がりで本当に感激しました。
私がこの度の家造りで最も力を入れた部屋でしたので、引き戸が入ってからは一段も二段も表情が良くなり上品な趣のある理想どおりの和室になりました。
また組子欄間のデザインも素敵で和室へつながる通路を引き立てています。
玄関を入った瞬間ヒノキのさわやかな香りがたちこめているのも嬉しい演出になっています。
(訪れた方が「あ~良い香り」と深呼吸してくれます) 木曽檜にして正解でした。
一生に一度の大仕事に心のこもった仕事をしてくださるタニハタさんと出会えたことを嬉しく思います。本当にありがとうございました。
最後になりましたが、御社の更なるご発展を祈念しております。
寒さ厳しき折、皆さまお体にはご留意ください。
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光と陰と組子・・・美しい現場ですね。
本当にありがとうございます。谷端
カナダ・バンクーバーに本社があるバッグブランド「Herschel Supply(ハーシェルサプライ)」のWebサイトにタニハタの組子欄間が掲載されました。
Herschel Supplyは、シンプルで伝統的なスタイルに現代のエッセンスをプラスしたデザインが人気のバッグメーカーです。
ニューヨークなど海外でも広く支持されており、世界的にブレイクを見せている急成長ブランドです。
バックパックやショルダーバッグなど、日本のセレクトショップでも好評で、多くのお店で取り扱われています。
「バッグのブランドになぜ組子?」と思われるかもしれませんが、この会社のデザインは、登山、旅行やファッションの他に遺跡や伝統からもインスピレーションを受けているようで、そういうサイトを業界問わずにWEBサイトで紹介されているそうです。
日本の伝統の素晴らしさをいろいろな国の方に知っていただけるよう、これからも地道にPRしていきたいと思います。
下記のTV番組でタニハタの組子欄間が、紹介される予定です。
●2016年10月26日(水)
NHK 総合 午後8:15~ 番組名:探検バクモン
「世界最高峰のおもてなしホテル」として「ザ・リッツ・カールトン東京」の特集があり、組子欄間が紹介される予定です。
昨年、約400枚程の組子をリッツカールトン東京のお部屋に設置させていただきました。
中でも一泊200万円のスイートルームの組子は、見応えがあります。
ぜひご覧ください。
●2016年10月29日(土)
HAB北陸朝日放送 夜11時06分~ 番組名:アンディームジーク
北陸の文化遺産や芸術的景観とクラッシック音楽をいっしょに約2分ほど放送する番組です。
2週間ほど前に撮影スタッフが工場内を撮影されていかれました。
タニハタの職人とクラッシック音楽・・・見るのが少し怖い気がしますが(笑)
滅多にない組み合わせですので私も楽しみにしています。
桧(ひのき)は日本人が古くから使用してきた木材で「日本人の文化を担ってきた木」とも言えます。日本最古の木造建築「法隆寺」にも使用され、その耐久性の素晴らしさはもちろん、木目の美しさ、香り、薄紅の色は日本人が好む要素を兼ね備えた木と言えます。
タニハタでは、桧の中でも最高級の「木曽産桧の赤身」だけを扱ってきましたが、さすがにその材料で組子製品にするとかなり高価な金額になり、「大判サイズの多い商業施設用欄間としては高価すぎて使用できない。もう少し手頃な金額にならないか?」という声が多かったのが実情でした。
タニハタではその声にお応えするために「地ひのき・源平材」の取り扱いを開始いたしました。
当社が扱う地桧は伊勢神宮の外宮の用材として使用され、全国の神社仏閣に使用されている実績のある木材でもあります。(木曽桧よりも目が粗くはありますが、性も良い材料です。)
当社で製品にする場合、赤身(約7割)と白太(約3割)が混ざった状態で仕上げます。(白・赤=源平材)
金額は杉材と同じになる予定です。 見積もりの際は「桧・源平」とご指定くだされば結構です。
環境問題の観点からも国産木材の使用比率が高まるようにしていきたいと思います。
富山市内の小学校から、子供達が組子製作にやってきました。
組子製作体験は8年くらい前から続けていますが、子供達の生き生きした表情をみると毎回新鮮な気持ちになります。
今日で二回目、という子供達もいて、「楽しみにしてきた~」という言葉を聞くと本当に嬉しくなります。
今回は昨年リッツカールトン様に納入させていただいた組子(親子菱)を皆で製作いたしました。
日本でモノづくりを続けることは大変な時代になりました。
特に組子の仕事は机の上でやる仕事よりも体力的にもきつく、習得するまで時間がかかり、本当に大変な部分も多いですが、その分やり甲斐は大きいとおもっております。一人でも多くの子供達にものづくりの素晴らしさを知っていただきたいとおもっております。
仕事の合間に続けていることですので、時間のやりくりは大変ではありますが、「子供達の組子製作体験」・・これからも少しずつ続けていきたいとおもっております。 →組子製作体験について