タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

香港 アジアデザイン賞の授賞式に行ってきました。

アジアデザイン賞の授賞式に参加するために香港まで行ってきました。
海外のデザイン賞は初めてだったので壇上にのぼるまで緊張しましたが、正面のモニター画面にうちの組子が映し出された瞬間は心が震えました。

大賞や金賞をみると、ただ綺麗で美しいデザインだけではなく、人が幸せになるデザイン(システム)に挑戦している会社が多いのが特徴でした。
小さい企業でもコンセプトを明確にして、実績をしっかりだすことが大切だと実感。

香港 アジアデザイン賞の授賞式


今回の受賞を通じてうちの会社の足りないところがたくさん見えてきて「まだまだやらなければならないことが多いなぁ・・」と反省しながら帰ってきました。

残念ながら同じブロンズ賞だったアップル社は参加されていませんでしたが、(一緒に写真を撮りたかったのですが・・)ニコンさんやアラクスさんと受賞式終了後、一緒に食事しながら情報交換できたのが本当に良かったです。

香港は今回初めてでしたが、アジアの親しみやすさとヨーロッパの文化、習慣が絶妙に混ざり合っている美しい文化都市でした。

自国の文化を大切にしながら、他国の文化のいいところを取り入れ、またそれを海外に向けて発信すること。
お互いに影響を受けながら国の文化は成熟していくんだなぁ・・と美しい香港の夜景をみて思いました。

今回受賞したタニハタの組子製品「アジアの吉祥文様~ Lattice Screens with Auspicious Omens Motifs」はアジアで生まれた18種の吉祥文様を集めた組子欄間シリーズになります。

古来、アジアでは縁起がいいとされる吉祥文様を用いて、室内装飾を行い、衣類などの日常製品を製作していました。

たとえば、「麻の葉文様」は魔除けの文様として生まれたばかりの赤ちゃんに麻の葉柄の産着を着せる風習が日本ではありました。
(中国や韓国も縁起の良いことを日本以上に重要視します。)

縁起の良い柄や模様、数字などを使った服、調度品、生活道具で少しでも悪いことがおきないように・・・人が少しでも「幸せ」になることを願った、作り手の思いが込められた昔のモノづくり。

そんなものづくりが少しずつでもまたアジアに広まるように・・
これからも職人達と頑張っていきたいと思います。

谷端

組子とタイル デザインの共通点

愛知県常滑市にあるINAXさんのタイルギャラリーに行ってきました。このギャラリーには、紀元前に作られたエジプト文明の頃のタイルから近代日本で製作されたタイルまで約1000点が展示されています。組子は幾何学模様の伝統意匠ですが、タイルも同じように幾何学模様の世界ということで以前から見学したいとおもっていました。

 さすが業界の雄。大きな敷地とお洒落で立派な建物です。

伝統意匠 幾何学模様入場すると、入り口にお洒落なタイルが。  意匠の勉強になります。

エジプトで使用されたタイルを再現したものです。
(現物のタイルは別の部屋に展示してありました。)
水のない砂漠の国では青色は特別に思い入れのある色だそうです。

イスラム教は、仏教やキリスト教のように偶像崇拝しない宗教です。
しかし、神様の世界を人の手で表現したい、ということでモスク(寺院)に写真のような幾何学模様を使うようになったそうです。

話は変わりますが、今年はイスラム教の祈祷所(那覇の新国際空港)にタニハタの麻の葉組子が使用されました。
(麻の葉文様を使用しても特に問題ないようです。)
人が根源的に美しいと感じる文様は、世界共通のようです。
日本の組子が世界の平和に役立ってくれれば・・・そんな気持ちで製作しました。

日本のタイル(敷瓦)は6世紀に百済から仏教と共に伝来して寺院建築とともに日本中に広がったそうです。
「組子」と同じルーツですね。麻の葉デザインも使用されていました。


人の目に触れることがないタイルの裏側にも文字や意匠を施しこだわりのものづくり。。
当時のタイル職人の心意気に感動します。

蜀江文様や七宝紋など組子意匠にもある定番デザインを見つけました。

小さなドットで表現するタイル意匠。
弊社の絵語り組子でもできそうです。

本当に素晴らしいギャラリーでした。

最近のメディア掲載履歴

ここ二ヶ月ほどの間にいろいろなメディアでタニハタを取り上げていただきました。

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11/5 読売新聞 および 北日本新聞

<2015年度アジアデザイン賞> ブロンズ賞  受賞記事

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11/5 雑誌 アエラ   <富山市 by AERA>

富山のオンリーワン企業として三ページにわたり取り上げていただいております。

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10/30 雑誌 富山情報誌 ロカルちゃ!

表紙の写真に美術組子が使用されました。ページ内でも<魅せる!職人魂>として紹介いただいております。

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10/28 ラジオ番組「歌のない歌謡曲」

昭和27年にスタートしたギネス級のラジオ番組「歌のない歌謡曲」。
上質のニッポンの伝統工芸に触れる<Jコンセプトウィーク特集>ということでタニハタの組子を取り上げていただきました。

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10/22 ネット経済新聞

【勝手にECサイト分析】  タニハタ「組子らんま」/「合わせる」をやめ、強みをさらに磨く

http://www.bci.co.jp/netkeizai/serial/449

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9/28 NHK富山

ニュース番組「富山人」で「ザ・リッツカールトン東京」スィートルームに組子を設置した様子が放送されました。 (約10分)

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9/14~   ケーブルテレビ(富山県内各地域 二週間)

番組「富山かがやき物語」でタニハタの組子欄間が紹介されました。(約5分)

関係者の皆様 ありがとうございました。

タニハタの組子欄間が<2015年度アジアデザイン賞> ブロンズ賞 受賞しました。

飛鳥時代から続く日本の伝統木工技術「組子」で引き戸、欄間を製作する株式会社タニハタの「組子欄間 アジアの吉祥文様 18種」が、世界的なデザインアワード<アジアデザイン賞>でブロンズ賞を受賞しました。

なお、今回のブロンズ賞は当社の他にも日本からキヤノン、ニコンやヤマハなど大手メーカーが受賞しており、アメリカ・アップル社のiPhoneも同賞を受賞しています。

12月2日(水)に、香港コンベンション&エキシビション・センターにて授賞式典が行われ、当社からも参加する予定です。

アジアデザイン賞の詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

参考資料
■Design for Asia Awards (アジアデザイン賞:以下DFA) は文化的視点、持続性、
伝統と技術、アジア社会への影響度 4つの観点で優れたデザインを評価する世界的なデザインアワードです。

DFAは2003年にスタートし、香港をアジア地域のデザイン拠点として位置付けるべく、世界中から多くのデザインの才能や企業が集結するデザインイベントに成長いたしました。
2015年のアジアデザイン賞(Design for Asia Awards 2015)は、世界24の国と地域から765件のエントリーがあり、185点が入賞しました。

■タニハタの 「商業施設用組子欄間 アジアの吉祥文様18種」とは?

日本およびアジアの「吉祥文様」でデザイン構成された組子欄間。
大量生産による利益優先のモノづくりがアジアに蔓延していますが、昔のモノづくりのように
作り手が、製品を使う人の幸せを織り込んだモノづくりを思い出し、またアジアに広まってほしい、というコンセプトからこの製品は製作されています。

これからも日本の伝統技術の素晴らしさを世界に向けて発信していきます。

タニハタの組子欄間が<2015年度アジアデザイン賞> ブロンズ賞 受賞

祝!ミラノ万博 日本館 金賞受賞。

本日閉幕するイタリア・ミラノ万博の日本館が、専門家の審査で1位にあたる「金賞」に選ばれたそうです。

タニハタの組子欄間も日本館内装の一部に使用していただいており、今回の受賞は当社にとっても非常に元気の出る喜ばしいものであると感じております。

ミラノ万博 日本館 金賞受賞 タニハタの組子欄間も設置していただきました。

フィナーレに花を添えるカタチになり、現地では賑やかな閉幕を迎えるのではないでしょうか?
日本館は期間中200万人を超える来場者があったとのことで、関係者の皆様には本当に頭の下がる思いです。
多くの日本の文化をPRしていただきありがとうございました。

東京研修旅行 組子設置現場に職人達で行ってきました。

職人達で組子設置現場(東京)に行ってきました。
過去に納入した現場(スカイツリー、KITTE、叙々苑、リッツカールトン・・)や目黒雅叙園やジブリ美術館など職人や伝統に関する場所もまわってきました。

かなり欲張って予定を組みましたので、帰りは疲れ気味でしたが、お嫁に行った娘達をみた親のような思い(!?)で帰りの新幹線は、皆安堵の表情でした。

工場の中だけではわからないこと、イメージできないことも多く、やはり製品納入後の現場をみてまわることは、ものづくりするものにとって大切なことだなぁと痛感しました。(コストはかかりますが(^^;)

取引先の方達ともいろいろな情報交換ができて、本当に充実した出張でした。

皆様に感謝・感謝です。

横浜から「絵語り組子」の施工写真が届きました。横浜・願成寺様

横浜にあるお寺を「組子」で表現した欄間施工写真が届きました。
「お寺の風景画」というと重厚な感じをイメージしますが、「組子」でお寺を表現するとさりげない感じで、洋風な場所にも違和感なく溶け込みます

照明の使い方も素晴らしいです。

「絵語り組子」 横浜・願成寺様

物件名:横浜 願成寺様 休息所
設計デザイン:トリノグラフ様

この現場のように最近、欄間を設置する住宅、施設のまわりの風景を「組子」で表現してもらえないか? という問い合わせが増えています。

自由に絵を描くように、具象的な文様、絵柄を組子で表現する「絵語り組子」と名前をつけてタニハタでは製作してします。

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神代杉とは?

縄文時代~弥生時代に自生していた杉が、火山活動などにより、石灰など土の成分を吸収して数千年単位で生きたまま腐らず埋まっていた木
(神の御代から眠る杉)をいいます。火山活動の多い日本ならではの木材であると言えます。

数千年の時間をかけて自然に出来上がったその渋味のある色調は、わび、さびが求められる日本の数寄屋、工芸品などに使われてきました。

神代杉には茶色の「茶神代」と濃い灰色の「黒神代」の二種類があり、黒い色ほど高価なものになります。
(神代杉は日本で最も高価な木材です。)

タニハタでは、貴重な「黒神代」「茶神代」共に在庫しています。

経済産業省のプロジェクト「The Wonder 500」に株式会社タニハタの組子が選定されました。

タニハタの組子「商業施設用組子らんま全18種」が、経済産業省のクールジャパンによる地域活性化の推進プロジェクト『The Wonder 500(TM)』に選定されました。

今回選ばれた「商業施設用組子らんま全18種」は、バイヤーやメディアが参加するイベントで紹介され、9月のパリを皮切りに香港や台湾、ニューヨークなどの海外でもPR活動が行われます。

The Wonder 500(TM)とは
経済産業省事業として、全国から海外需要を獲得しうる全国各地の魅力的なものづくり・食・観光体験を発掘し、将来的な海外販路開拓に向けて国内ネットワークの拡大や海外PR・マーケティングを支援することで、地域や中小事業者等の活性化を図ります。
未知なる驚きという意味を込めた共通ブランド「The Wonder 500(TM)(ザ・ワンダー・ファイブハンドレッド)」は、こうした取組を通して、クールジャパンによる地域活性化を推進するプロジェクトです。

タニハタ「商業施設用組子欄間 18種」とは?

アジアで生まれた18種の「吉祥文様」でデザイン構成された商業施設の利用を目的とした組子間仕切り。
釘を使わずに組子職人が組み上げており、全て現場寸法に合わせて作り上げます。
駅や空港、ホテルなど人が多く集まる大空間にも設置可能で、気軽にアジアの伝統意匠の素晴らしさを感じてもらえる製品です。

イタリアから美術組子の施工写真が届きました。

先月、イタリアにお送りした大判サイズの組子欄間設置の写真が届きました。
別荘の庭側にあるガラス(ファサード)に設置されました。

写真の組子欄間は雪見障子のように上下に動き、部屋の中からお庭や湖の様子が見られるようになっています。(上下に動く機能はイタリアの大工さんが行いました)

お客様はイギリスにお住まいの方で、打ち合わせにかなり時間がかかりましたが、その甲斐あって記憶に残る現場になりました。出来上がりの組子を見て、イタリアの人たちに「鳥肌が立つぐらい美しい」と、絶賛されたそうです。施主の方にも大変喜んでいただきました。

作品は抽象柄にみえますが、別荘の前にある湖をイメージして組子のデザインをしています。

海外の仕事が増えていますが、今回のように組子欄間(製品)からアート作品にどんどん作るものが変化してきています。技術以外にも高度なデザイン、提案力が必要になってきていますが、職人達全員でレベルアップしていきたいと思います。

美術組子 海外イタリア納入

夏休み最後の小学生の組子製作体験会

小学生の子供達が組子製作体験にやってきました。
(一度に40人の参加者。過去最高人数です。マイクロバスでやってきたのでびっくりしました。)

組子のこと、木のこと、ものづくりのこと・・・
いつもどおり、いろいろ話しをさせていただきました。

もちろん各種組子づくりにも挑戦してもらいました。

夏休みの思い出のひとつになったのかな?
子供達が楽しそうに組子を製作する姿をみるとなぜかホッとします。
引き続き、継続していきたいと思います。

組子製作体験会

カナダのお客様から「角麻組子」施工写真が届きました

「角麻デザイン」は昨年、弊社の規格組子18種のひとつとして新たに追加した文様ですが、今年はこの「角麻デザイン」の引き合いが特に多くなっています。

菱系組子とは、また違った日本的な美しさがありますね。

6月にカナダのデザイン事務所のお客様からご注文をいただき、先々週、カナダに向けて出荷させていただきました。

早速、写真と共にお便りが届きましたので紹介させていただきます。

カナダ商業施設納入欄間1

カナダ商業施設納入欄間2

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昨日無事届き本日早朝取り付けに行ってきました。
素晴らしいものでこちらも皆感動しております。
携帯で撮った写真の為あまり映りが良くはないのですが添付致します。
今後共何卒宜しくお願い致します。

納入先 *K.O.S.DESIGN INC.*

組子欄間と光の関係

先日製作させていただいた組子欄間・三種帯組分欄間の設置写真(和食店)が届きました。
背面から照明を当てて綺麗な感じで組子が浮かびあがっています。

組子欄間と照明の関係

特に「照明を欄間に当ててください。」と当社でPRしているわけではないのですが、
最近は皆さん、組子欄間の使い方をわかっていらっしゃる方が多い(勉強されている?)ので販売する方としては、逆の勉強になることが多いです。

背面だけではなく、下写真のように正面から光が当てると欄間の木の質感やら色みがしっかりでてくるので、それはそれで組子の良さを満喫していただけると思います。
光の加減、使い方により組子の表情は大きく変わります。
 組子を上手に使うには「光」がとても重要な役割を果たします。

これから使用される方は参考にしていただければと思います。

設置先

和食 万松様
住所 〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須3-27-8
電話番号 052-241-2914

小学生の工場見学

小学生(2年生)15人が工場見学に来ました。
組子製作に挑戦してもらいました。

「小学2年生?作ってもらうのは、この程度の組子でいいかな?」と思って準備していたら
あっという間に組み上げてしまいました。(すごい・・)

その後、質問タイム。

「一番作るのが難しい組子はどれですか?」
「1日にどれだけの組子を作りますか?」
「一番価格が高い組子はどれですか?」

ん~~~  本当に2年生?

大人のような質問にこちらもたじたじ。。

小学生の組子工場見学

最近は、「環境」についても関心が高いので工場の節電状況やおがくずの利用法、天然木材の伐採など
組子のこと以外にも大切なことをお話しさせていただきました。

いろいろ教えているつもりが、逆に子供達から大事なことを教えてもらっている感じ。。

すべての人に感謝です。

(小中学校・教室単位での製作体験は、「無料」で対応しております。)

金沢から組子製作体験。

金沢にあります「金沢市福祉ボランティア連絡協議会」の方々約30人が組子製作体験に来られました。約一時間半ほどでしたが、組子のこと、富山のものづくり、海外での伝統工芸の現状などいろいろお話しさせていただきました。
もちろん、組子製作体験、工場見学もしていただきました。
皆さん思った以上に喜んでいただき、当社としても改めてものづくり体験会を続けていきたいと思った次第です。
皆様 ありがとうございました。

 工場見学について

当社工場の電力使用状況、および発電量について(木工場での節電方法)

環境に負担をかけないモノづくりをめざそう、ということで今年3月末から工場屋根に設置した太陽光パネルの発電状況を調べました。

5月の発電量4875KWhに対して、工場での電力使用量は5760KWh
工場すべての電力をソーラーで発電した状況ではありませんが、5月は全使用量の約85%を占めるに至りました。元々、手仕事が多い仕事ではありますが、もう少し節電を頑張れば発電量と使用量は同じになります。

ちなみに当社では電力デマンド監視サービス(下記)を導入しております。

これは監視モニターで、常に工場内の電気使用量が確認できるサービスで、設定した数値以上に電力を使用した場合、工場内に警報が鳴り響きます。

これを使用することで、無駄な電力を使わなくなり、職人達に節電の意識が芽生えました。
(タイムカードの横に、この監視装置と太陽光発電管理画面を設置して、だれでも確認できるようにしています。)

ちなみにこの機械で調べたところ、工場で一番たくさん電力を使う機械は集塵機でした。
当社の場合、 全電力の50%以上を占め、この対策を施すことで大きな電力削減につながりました。

(節電の方法は、毎日仕事が終わった際に、各機械の集塵口を閉めてから帰ること
朝礼当番がこれが徹底されているかどうか確認すること。たったこれだけで2割ほど電気料は安くなります。木工機械を多く保有している工場ほど効果が大きいはずです。同業者の方はぜひお試しください。)

木工場での節電方法 数値化する

3月末発電を開始してからCO2削減量は<5871kg-Co2>。
石油に換算すると2641L分、
成木にすると418本分の木に相当する値になります。

社員ひとりひとりが節電の意識を継続して持ち続けることで、必ず効果がでてくると実感するようになりました。 地道に続けていきたいと思います。

1万4千年前のモノづくり。「大英博物館展」を見て感じたこと。

イギリスの大英博物館が保有する世界でも比類ないコレクションが日本にやってきた、ということで、ものづくりを生業としているものとして、見ておきたいという気持ちを抑えきれず「大英博物館展」を上野まで見に行ってきました。

この展示会のテーマが

「100のモノが語る世界の歴史」。

200万年前の石器から最近作られた工業製品まで100の「モノ」から「人類」の歴史を読み解く趣向です。

「モノが語る」。
命がないはずの「モノ」に日本人は命、魂、精神が宿ると考え、最後にはモノを「神様」にまでしてしまう・・ 神様がモノに宿り、人に語りかけるような商品づくりをすること。タニハタのものづくりの基本となる考え方で、そのプロローグで期待に胸をふくらませながら入館しました。

人の手で作られた古い芸術品、部品、道具、製品・・・

やはり生の持つ迫力、エネルギーには圧倒させられます。

たくさんあるモノの中で私が一番感動したのは1万4000年前に作られた<トナカイの角に彫られたマンモスの彫刻>。(写真)

世界最古のアート作品。
1万4千年前のモノづくり 大栄博物館展

彫刻といえば、ノミや彫刻刀を道具にして作業するイメージがありますが、この頃はまだ、そんな作業道具はあるはずもなく、多分、尖った石器などを利用して作り上げたはず。

その1万4000年前のアーティストの持つモノづくりへの情熱、エネルギーは、今も私達現代人の心を揺さぶります。

「人は根源的にアートを欲している。」

昨年のエジプト展も5000年前の宝飾品や美術品に大変感動しましたが、エジプトや古代中国の美術品は、どちらかというと権力者に対してのモノが多く、美しくはありますが、どこか緊張感がみなぎっている感じでした。
(中途半端なものを作ると命を落とす気の抜けないモノづくり。。)

しかし、この彫刻はどこかユーモラスで、暖かみが感じられます。

「どうだ これスゴイだろう! マンモス作ったぜ。」

少し自慢げに仲間に見せていた当時の人の心根、ユーモア、精神の自由性を感じました。

「TOYAMAキラリ」内に組子障子を納入

富山市の一等地、西町の旧大和富山店跡地の再開発ビル「TOYAMAキラリ」に組子障子・千本格子引き戸を納入させていただきました。(富山第一銀行様本店内)
TOYAMAキラリは、建築家の隈研吾氏が設計した建築物で富山市ガラス美術館や市立図書館本館、富山第一銀行さんなどが館内で営業されています。2015年 北陸新幹線が開業して、富山市も大きく変わってきた感じです。

千本格子引き戸 組子障子

組子製作の際に発生する「おがくず」「鉋くず」の有効利用

タニハタでは木製引き戸や組子製作の際に発生する「おがくず」や「カンナくず」は、酪農家の方に無償でお渡ししています。 (写真が届きました)
酪農家の方は、それを牛の敷き藁にした後、最後には畑の堆肥として販売されています。

組子製作の際に発生する「おがくず」「鉋くず」の有効利用
最近は接着剤を多用した合板・人工木材などが非常に多くなり、杉やヒノキなどの天然無垢材を加工する製材業者、建具業者が激減したため、こういう用途のおがくずが入手しにくくなっているそうです。

「エコ」「循環型社会」などという言葉を特別意識せずに「もったいない」という気持ちから昔は自然にシステムが出来上がっていましたが、最近は意識して行動しないとこういうことも継続できないと感じています。。

効率や損得・数字優先で考えますと、確かに人工木材には優れた部分が多いですが、社会という大局でみるとやはり、本物の木を使ってモノづくりをすることは大きな意味があることだと年を重ねるごとに感じます。

素材に感謝して、オガクズや端材であっても少しでも有効に、無駄なく使い切ることを意識して、これからも無垢材を使い続けたいと思います。

※ オガクズは、大きく膨張するために、圧縮して保管・輸送します。(接着剤などは使用しません。)

ウォール・ストリート・ジャーナルにタニハタの組子障子を掲載していただきました。

あっという間にゴールデン・ウィークも終わり、本日から当社も通常どおり営業となります。
休み期間中も半分は仕事をしていましたが、日本からの問い合わせよりも海外からの注文・問い合わせの方が多く、今も対応に追われております。

そういう中、ニューヨークの代理店から新聞が弊社に届きました。
ウォール・ストリート・ジャーナルにタニハタの組子引き戸「腰角麻入」が掲載されたという内容でした。
「外国人が癒やし求める日本のデザイン」という特集の中で取り上げていただいており、TANIHATAの文字もクレジットされていました。

3年前にニューヨークで展示会をしてから、少しずつですが海外でも認められてきました。
慢心せずにこれまで同様、一歩一歩理想の経営に向かっていきたいと思います。
組子引き戸 ウォールストリートジャーナル
日本版サイトにも掲載していただきました。

金沢 叙々苑様 「輪島塗り」VS「組子」の伝統工芸対決

石川の輪島塗りを舞台にしたNHK朝の連ドラ「まれ」盛り上がってきましたね。
伝統工芸を生業にするものとして毎回「うんうん」と頷きながら見ております。
(笑いあり、涙あり 共感あり・・ 素晴らしいドラマです)

「輪島塗り」も「組子」も芸術作品ではありませんので、どんなに「素晴らしい!」「美しい!」という言葉をいただいても、最終的にはお客様に購入してもらわないと継続することができません。

お客様が製品を購入する際、大きなポイントになるのが「価格」。

そしてその価格を大きく左右するのが「コスト」になります。

このコストの部分は、伝統工芸の場合、職人の人件費が大きく占めています。

当然ながらこの職人の人件費を落とすと、製品価格は安くなり、売れる可能性がでてきます。

ドラマでは丁度このあたりのことを放送しており、「塗り」の回数を減らし、価格を下げもっといろいろな人に輪島塗りを使ってもらおう、という考え方とお客様に見えない「塗り」の部分にこそ輪島塗り、ものづくりの神髄がある、価格(サービス)が高くなってもここは絶対に手を抜けない、という考え方がせめぎ合います。

輪島塗に関わらず、「伝統」を生業にしているところは、この両方の中で揺れ動きます。その製作物はどこのだれのために作るのか・・・そこが判断の分かれ目だと私は思っています。案外作り手が「自分のために」作っていることが多いのです。

ところで先日、焼き肉で有名な「叙々苑」さん、金沢に日本海側初出店の記事が出ていました。うちが納品した組子も「輪島塗り」と一緒に写っていました。

北陸新幹線で賑わう金沢でありますが、お近くに来られましたら、ぜひ日本海側の伝統工芸対決 「組子対輪島塗」ご覧ください。

金沢 叙々苑様 組子展示

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