タニハタブログ Blog

組子らんまを作る会社<タニハタ>の日々の出来事、その思いをブログで綴ります。

海外のイベントに協力させていただきました

昨年はコロナ禍により海外での<日本の工芸イベント>も縮小、または取りやめになることが多かったですが、
最近はオンラインを絡ませたリアルなイベントも増えてきているようです。

今年前半、タニハタも微力ながら協力させていただきました。

■イギリス チェルシーハーバー

Biden Designs 様
クラフトフェアであるArtefactがチェルシーハーバーで行われ、当社の組子を取り上げていただきました。

https://www.dcch.co.uk/design-avenue/artisan-trail/

■ドイツ ベルリン

和室展覧会inベルリン ~UTSUWA(器)プロジェクト
建築設計室Morizo- 様

https://morizo2016.exblog.jp/241082930/

■オーストラリア シドニー

日本の建築材を豪州市場への販路開拓をめざすプロジェクト
Simply Native 様

写真1
写真2
写真3




上記三社に共通するところは、すべて日本人女性がイベントを主催している、というところです。
コロナ禍でいろいろ大変な部分も多いようですが、それにもめげずに日本の木工技術や伝統工芸を海外で直接PRされていることに頭が下がる思いがします。日本の木工技術、木材、意匠の素晴らしさを多くの方に知っていただけるよう、これからも引き続きタニハタでも協力させていただきます。

海外 組子展示会 伝統工芸 ワークショップ





組子に含まれる化学物質の分析試験結果

組子に含まれる化学物質の分析試験を行いました。
タニハタの組子は、日本産の木材<ひのき、杉>が主材料ですので合板などと違い、人工的な薬剤などは材料に含まれていません。
塗装も無塗装が標準仕様ですので、安心してご使用いただけます。

(海外の木材では、「防腐剤」「防虫剤」などが使用されるケースもあり、人体に影響がでるケースもあります。)

組子細工は100%自然製品・・・と言いたいところですが、木と木をつなぎ合わせる作業に微量ではありますが、木工用接着剤を使用します。この接着剤は、タニハタが数十年使用している一般のお店では販売されていない接着剤ですが、(普通の木工ボンドではありません) 前回の検査から時間も経過しており、念のために成分テストを行いました。

検査はVOC物質(トルエン、キシレン、P-ジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、テトラデカンの六種)およびホルムアルデヒドの測定を行いました。


文様 麻の葉組子 : サイズ165ミリ×165ミリ(試験所の指定サイズ) 

検査の結果、厚生労働省の室内濃度指針値を超えるものは検出されず、(といいますかVOCは数値的に検出されず・・)今まで通り安心して室内でご使用いただけます。

自然が生み出した素材やエネルギーを使ったモノづくり・・・ しっかり科学的な検証をしながらこれからも進めていきたいと思います。



組子テスト用サンプル
左からヒノキ、杉、利休杉(タニハタオリジナル木材)
詳細なデータが必要な場合、当社までご相談ください。

SBTイニシアチブから認定を取得

組子製作の株式会社タニハタは、設定した中長期的な温室効果ガスの削減目標が、パリ協定が目指す「1.5℃目標」の達成に対して<科学的根拠に基づいた目標>であると認められ、SBTイニシアチブから6月8日に認定を取得しました。

https://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action?country=Japan#table

「SBTイニシアチブ」は、気候変動による地球の気温上昇を産業革命前に比べ2℃未満に抑え、1.5℃未満を目標にする「パリ協定」に向け、企業が提出する温室効果ガスの削減目標に科学的根拠があると認定するものです。

14年9月にWWF、CDP、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、WRI(世界資源研究所)によって、共同で設立されました。

タニハタでは2020年9月にすべての購入電力を水力発電由来のエネルギーに切り替えたほか、2021年3月に富山工場に自社使用の太陽光発電を設置、再生可能エネルギー100%のモノづくりを達成。また、2019年に自社で使用する主な木材をすべて国産材(ヒノキ、杉)に切り替え自社の事業活動からバリューチェーン全体にいたるまで幅広い視点でCO2排出量を低減するという活動を意欲的に取り組んでいます。

2022年内にはScope1/2のカーボンオフセットを行い、早い時期でのカーボンニュートラルを目指します。

なお、SBT(1.5℃水準)の認定取得は、国内木製家具建具・組子業界で初の事例となります。
タニハタは、引き続き組子製作を通して 気候変動対策を進めて参ります。


書籍制作にあたり、情報提供させていただきました

組子製作の立場で下記書籍制作の協力(情報提供)をさせていただきました。

1  二年前に「麻の葉模様」という書籍が発刊するにあたり、組子業界からみた「麻の葉」模様のことをお話しさせていただきました。そのご縁で下記の書籍の協力を再度させていただきました。

麻の葉文様について 日本人のための大麻の教科書

「大麻の教科書」という少しショッキングなタイトルが付いていますが、日本人の衣食住を支えてきた「大麻という農作物」・・
稲作よりも古くから栽培され(1万2千年前)、日本人に大変身近な存在でもあった大麻がなぜ「違法な薬物のイメージがついてしまったのか・・詳細に書かれています。

日本人に根強い人気のある「麻の葉模様」が「大麻の葉」をモチーフにデザインされたことを知る人は少ないのが実情です。
神事に使われ、とても縁起の良いデザインでもある「麻の葉」模様について、デザインの面はもちろん、「歴史」「文化」「宗教」など各方面からの目線で深く掘り下げてまとめられています。 
(ちなみに当社のロゴマークも「麻の葉文様」がベースになっています。)

日本の古い文様が好きな方はぜひ一読されてはいかがでしょうか? 
日本人のための大麻の教科書(アマゾン)

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2  1990年創刊の老舗インテリアデザイン専門誌「CONFORT」。
建築、デザイン業界に身を置いている方でこの雑誌を知らない人はいないのではないでしょうか?
今回、発刊されたのは、「インテリアの仕上げを知る素材・建材ハンドブック」。
業界関係者、家を新築されるご予定の方は一冊手元に置いておくと何かと便利です。
製品の背景や歴史、物語など丁寧に調べて深掘りして紹介されています。
※当社の組子「麻の葉ちらし」も紹介されています。



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3 書籍ではありませんが、SUUMOという不動産サイトの中で「欄間」についての特集があり、タニハタから情報提供させていただきました。
 
今から30年くらい前・・・住宅に欄間を設置する方が激減して、「組子」や「欄間」は日本から消えていく製品になってしまうのか・・・と悲観した時期がありました。こうして「組子」や「欄間」を紹介していただく会社が増えて本当に嬉しい限りです。
関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

木材価格の高騰(ウッドショック)につきまして

タニハタでは3年ほど前、組子製作に使用する木材を北米産(カナダ ベイヒバ材)から国産木材(ヒノキ、杉材)に全面的に切り替えました。日本に多くの伐採期を迎えた木材があるにもかかわらず、外国産の木材を使用することに違和感をずっと持っており、自社組子の海外への販売比率も増加していることから、3年前に思い切って国産木材に主材料を切り替えた次第です。

アメリカ産の木材は、価格も安く、比較的流通量も安定して使いやすい印象があったのですが、現在コロナ禍でアメリカ産の木材価格が高騰し、1年で価格が約六倍になり入手困難になっているとのこと。私も長い間この住宅業界で仕事をしていますが、木材価格が1年で六倍になった、というのは記憶になく、異常な事態に陥っていると感じております。

(この状況は、北米産の木材だけではなく「金」「銀」「銅」「錫」などあらゆる鉱山資源も1年ほど前から供給不足になっており、世界的に資源価格が上昇という傾向になっています。)

木材価格高騰により、これまで海外産の木材を使用していた住宅会社、家具、建具メーカーが木材調達が困難なことから、納期の遅れや製品価格の高騰など発生することが考えられます。当社の仕事にも影響しないように、しばらく業界の状況を慎重に見守っていきたいと思います。

尚、影響がでていますのは北米産の木材で、<組子用に使用する無節の国産木材>は未だ影響がでておりません。
又、タニハタでは約1年分の国産木材をストックしております。
組子製品も1年間は、価格を上げる予定はありませんので、タニハタの組子製品を検討されている方は安心してお問い合わせいただければと思います。



国産木材 組子材料 価格の高騰 ウッドショックの影響

今朝、国産ヒノキと杉材が入荷しました。ここから半年ほど時間をかけて材料を乾燥させます。社会が大きく動いていますが、こういう時こそ、じっくりと腰を据えてやっていきたいと思っています。

組子設置写真 2020年~ 17点掲載

組子の設置写真が届きました。
2020年はコロナ禍で大変な時期であったにもかかわらず、駅やホテル、美術館など商業施設を
中心に多くの現場に納入させていただきました。また住宅向けの組子欄間も増えてきているのが最近の傾向でもあります。

まずは17点アップいたしました。


タニハタ組子 設置写真集一覧

(関東)
成田空港駅(成田第1ターミナル)
フォーシーズンズホテル 東京大手町 様
たましん美術館 様(東京)
俺のR CLINIC 様(銀座)
O邸(銀座)
馬事公苑(東京)
田園都市線 桜新町駅

(関西)
奈良県信用保証協会 様
京都三井ビルディング
ネストホテル京都 四条烏丸様
某ホテル

(北陸)
富山商工会議所 様
F邸(富山)
宗禅寺 様(八尾)

M邸(金沢)
KINKA 様(金沢)

組子設置写真集 タニハタ 銀座





「タニハタ展 ~ 組子屋の仕事」  展示会のお知らせ

5月1日より23日まで、富山県高岡市にある「青井記念館美術館」にてタニハタ組子の展示会 「 タニハタ展 ~組子屋の仕事 」を行います。組子製品を販売する「物販展示会」ではなく、組子の技術や歴史、意匠などを紹介する組子の企画展となります。

組子展示会 タニハタ展 青井記念館美術館

青井記念館美術館」は、株式会社丸井の創業者で富山県立高岡工芸高校の卒業生でもある故青井忠治氏の寄付により昭和38年、高校の隣に建てられました。(平成6年に現在の建物に建て替え) 年に数回、特別展等の企画をされておられ、今回タニハタにお声がかかった次第です。
滅多に行わない組子の展示会です。入場無料ですので、お気軽にお立ち寄りください

組子屋の仕事展 タニハタ 立山連峰組子
組子屋の仕事展 タニハタ 組子テーブル
組子屋の仕事展 タニハタ 書院障子 内閣総理大臣賞
組子屋の仕事展 タニハタ 鉋

「富山市で学ぶSDGs教育旅行」のパンフレットに掲載

タニハタの工場がある富山市では「SDGs」をテーマとして勉強する学生に向けて教育旅行に対応する旅行商品化を目指しています。
タニハタは、SDGsの先進的な取り組み会社として選ばれており、今回「富山市で学ぶSDGs教育旅行」のパンフレットに掲載されました。

SDGs 工場 ものづくり 地球温暖化問題に取り組む
SDGs タニハタの取り組み 環境保全

内閣府は、SDGsの達成について、優れた取り組みを提案する自治体の29都市を「SDGs未来都市」とし、特に先導的な取組の10事業を「自治体SDGsモデル事業」として選定しています。

富山市は、2018年6月15日「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」の両方に選定されおり、住みやすい環境づくりに積極的に取り組んでいます。

一歩一歩ではありますが、タニハタも<組子づくり>を通して地域、社会に貢献してまいりたいと思っています。

新しい組子「麻の葉ちらし」につきまして

3月26日よりホームページ、カタログ共に新しくなりましたが、新しい組子製品も発売となりました。

2年前に販売を開始した組子「麻の葉ちらし」シリーズ。6タイプだけのトライアル的な販売方法でしたが
評判が良く、大幅に種類を増やして販売することとなりました。

従来の6種デザインから18種に変更、各デザインに3つのグレードを設けました。
合計54種のデザインから空間や御予算に合わせてお選びいただけます。

詳しくは「麻の葉ちらし」ページへ

「 麻の葉ちらし」は、春夏秋冬、花鳥風月にみる日本の美と自然がテーマ。

各デザインは、「空」「花」「風」「雲」「川」「雪」など自然をイメージしたデザイン(デザイン名)になっております。

日本各地には、上記をコンセプト、キーワードにした製品、特産品、名所など存在します。
「麻の葉散らし」を空間に効果的に使用いただくことで、上記のブランディングをより磨き上げてPRすることも可能になります。

もちろん住宅やマンションなど新しいタイプのインテリアとしてもご使用いただけます。
設置写真も少しずつ増えていますので、またホームページ上で設置例を発信させていただきます。

組子 麻の葉ちらし タニハタ
組子 麻の葉ちらし タニハタ 住宅
組子 麻の葉ちらし タニハタ リビング
組子 麻の葉ちらし インテリア 日本

2年ぶりの入社式を執り行いました

2021年4月1日。
新しい年度が始まり、タニハタでも新しい職人一名(20才)の入社式を2年ぶりに執り行いました。
高校を卒業してから、職人学校で2年間建具技術を学んできたので即戦力の新人です。

タニハタ入社式 組子職人
ものづくり 伝統工芸 職人
谷端信夫

一昨年、2週間ほどインターンシップで組子の仕事をしてもらったのですが、終了時間を一時間過ぎても
「この仕事を片付けてから帰ります」と仕事を続ける一生懸命な姿に心をうたれて、私の方からお願いしました。

「社会人としての初心、お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れず、共にがんばっていきましょう。」
そんな感じでお話しさせていただきました。

今年はコロナ禍ということで感染予防対策を徹底しよう・・・そんな雰囲気ですので
歓迎会を開催するか迷いましたが、お昼の食事時間を利用して40分ほどだけ工場ショールームで行いました。

女性職人 工場
富山の食事
神奈川県出身ということで、富山名物ホタルイカや昆布締めのお刺身、筍ご飯など富山ならでは折り詰めを用意させていただきました。
タニハタ 新人 組子職人

仕事中ですのでノンアルコールビールで気持ちだけ乾杯。
ささやかな歓迎会で申し訳ない感じでしたが、立派な組子職人になれるよう全員でサポートしていきたいと思います。

組子製作に<自社消費型の太陽光電力>を使用します

タニハタの工場屋根に載せた太陽光パネル、今日から発電開始です。20KW分のパネルですが「売電」ではなく、すべて自社工場内で組子製作に使用します。
6年前に載せた30KWの太陽光パネルは売電方式でしたが、今回載せた20KWは、自社内消費型です。

雪国でもある富山市の日照時間は全国的に見ても低く「太陽光発電には向いていないのでは?」とよく聞かれます。
6年間太陽光を計測した結果、雪国でも問題なく発電して組子製作の電力に使用できる、ということがわかり昨年の夏から準備してきました。
タニハタでは昨年の9月水力発電由来の電力契約に切り替えましたが、数字上だけではなく、実際にCO2削減を目指して行動していきたいと思っています。 地球温暖化の問題に社員全員で取り組んでいます。




脱炭素 地球温暖化問題 ものづくり工場

組子サイト リニューアルのお知らせ

タニハタが初めてホームページを制作したのは1996年。それから四半世紀が経過しました。
当時はパソコンからの閲覧が100%でしたが、現在では約半分の方がスマホやタブレットからの流入となりました。
時代に合わせて、もっと快適にタニハタの組子サイトを見ていただけるようスマホに最適化したサイトレイアウトに今回大きくリニューアルいたしました。

組子総合カタログ タニハタ



また、新しい組子総合カタログも完成いたしました。
全128ページ。 見応えのある組子カタログになっております。
下記からお気軽にカタログ請求可能です。
個人の方
建築関連のお客様
(業者登録後、業者ページから資料請求ください)

タニハタ組子欄間 名称変更のお知らせ

弊社で取り扱いしております「組子らんま」の名称を変更いたしました。

旧名称                      新名称
組子欄間//組子らんま        →     吉祥組子(きっしょうくみこ)
(アジアの吉祥文様18種)

※来週完成する「タニハタ組子総合カタログ」では下記のようにタニハタの組子を3つのタイプに分けております。

タニハタの組子欄間 全種類


麻の葉や桜柄、七宝や胡麻などの定番柄は「吉祥組子」のカテゴリーの中に入ります。
不明な点などございましたらお気軽にお問い合わせください。
076-441-2820 タニハタ

「全国中小企業クラウド実践大賞」において奨励賞を受賞

株式会社タニハタは、この度「全国中小企業クラウド実践大賞」において奨励賞(IT顧問化協会賞)を受賞しました。

タニハタでは新規の建築業者様でもネットでスムーズにお取引できることを目指して、2000年より独自のデジタルシステムを整えています。

その取り組みが評価されて
2006 年  「経済産業賞  IT 経営100 選 最優秀企業賞」
2010年  「経済産業省 中部IT経営力大賞  優秀賞」

IT関連の賞を2度受賞しております。

今回10年ぶりにデジタル系の賞を受賞させていただきました。

大会は書類審査の後、11月25日大阪大会(近畿総合通信局長賞受賞)、そして1月28日全国大会(東京)に進み審査が行われました。(新型コロナウイルス緊急事態宣言に伴い、急遽オンラインで行われました。)

コロナ禍のニューノーマル時代に向けて、会社の大きさを問わずDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が急務となっています。今回の受賞を励みにこれからもタニハタでは<組子の技術力>、<デザイン力>の高みを目指しながら、業務のデジタル化を進めて参ります。

ものづくり DX 伝統工芸

新年あけましておめでとうございます。


新年あけましておめでとうございます。
新型コロナウイルス感染症の終息を願い、少しでも社会が明るい1年となりますよう
お祈り申し上げます。
皆様、本年もよろしくお願いいたします。
谷端信夫

ユネスコで日本の「伝統建築工匠の技」が無形文化遺産となり、木製建具の分野も選ばれました

本日12月26日をもちまして年内の営業を終了させていただきます。
コロナ禍でいろいろ大変な年ではありましたが残業時間が減った分、昨年まで手を付けることができなかった新製品の開発、課題の取り組みに集中することができました。そういう取り組みの中で若い職人達の成長が見られた年でもありました。

もうひとつ、ユネスコで日本の「伝統建築工匠の技」が無形文化遺産となり、木製建具の分野も選ばれるという明るいニュースが年末飛び込んできました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG173KG0X11C20A2000000/

私達が当たり前にやってきたことが、実は世界規模で守られること・・だったと気づかされて職人達の大きな励みになりました。来年はより進化して、新しい組子づくりに挑戦したいと考えております。

多くの皆様からご支援を頂戴し、無事に年末を迎えることができました。
お取引先皆様には心より御礼申し上げます。

新年は1月5日より営業開始の予定です。
皆様どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

谷端信夫

富山商工会議所様に組子を設置

富山商工会議所様一階入り口にタニハタの組子<麻の葉ちらし>を設置させていただきました。真ん中のヒノキ材プレートにはこの建物の耐震補強工事で寄付された約150件の社名を入れさせていただきました。プレートは、後から追加できるよう簡単に取り外しできるようになっています。組子と照明は相性がいいのでこれからこの組み合わせをもっとPRしていこうと思います。

富山商工会議所 組子 プレート

組子社名プレート 富山商工会議所

12月出荷分の受注を締め切りました

今年も残り三週間ほどになりました。
年内出荷分の受注を締め切っておりますのでご注意ください。

年末年始の休暇は12月27日~1月4日までになります。
(1月5日より営業開始予定です。)

今年は新型コロナウィルスでいろいろ大変な年ではありましたが、おかげ様で雇用調整することなく、同じメンバーで新しい年を迎えることができます。
取引先様から沢山のご配慮、ご注文、お心づかいも頂き心より感謝致しております。
入社数年の若い職人達も育ってきており経営者として大変心強く感じた年でもありました。

来年も職人達と共に精進していきたいと思っております。
新年までまだもう少しお時間がございますが、引き続き皆様よろしくお願いいたします。

谷端

組子製作 職人 葉っぱ製作富山のものづくり 組子職人タニハタ 組子職人 ものづくり組子職人 女性 ものづくり タニハタ組子職人 女性 ものづくり タニハタ組子細工製作 工場 富山 

工場にペレットストーブを四台設置

先日、おがくずからペレットをつくる<ペレタイザー>という機械を導入しましたが、それに伴いペレットストーブも工場内に4台設置しました。

ペレットストーブはヨーロッパを中心に普及している木質バイオマス燃料の暖房器具です。
薪ストーブとの最大の違いは、安全で手軽なこと。
ファンヒーターのように使用時の火力調整や燃料供給がやりやすく、煙もほとんど出ないとうメリットがあります。
朝一度だけ上部のタンクにペレットを入れると、夕方まで燃焼しつづけます。

木を細かく砕いて圧縮した非化石燃料である小さなペレットを燃料として使うため、地球温暖化対策に貢献する装置として環境問題の面から注目されています。

しかし、燃料である「ペレット」は重量があり、それを確保するのは大変なのですが、タニハタではペレットそのものをつくる機械を工場に導入して、それを冬場の燃料として使用することにしました。

(CO2を排出する灯油ストーブをすべて撤去。)

北陸の冬は厳しく、灯油系の暖房器具がないと乗り越えることは難しいのですが、今回のペレット暖房4台(+薪ストーブ1台)でかなり希望が見えてきました。

環境に負荷をかけない組子づくり・・・目指していきたいと思います。

ペレットストーブ 環境問題 SDGs 工場暖房

奈良県吉野杉の産地へ 

吉野杉で有名な奈良県川上村まで職人達と研修に行ってきました。
富山から奈良県川上村まで6時間ほどかかりますが、コロナ禍のために列車は利用せずにチャーターバスにてピンポイントの日帰り研修となりました。
タニハタ社員旅行 吉野杉見学
朝4時に工場を出発。バス車内からみるハロウィンの満月。。

午前10時に到着。
向かい側の山は広葉樹の森。紅葉で色づいていました。

私達が見学した場所は、バスから歩いて5分くらいの場所で比較的山の傾斜も緩い場所でしたが、通常は傾斜40~45度ほどの場所に木を植えるとのこと。危険と隣合わせの仕事場です。
タニハタ社員旅行 職人 ものづくり見学

タニハタ 組子職人 ものづくり見学

針葉樹の林ですので、広葉樹のように色づいた葉ではありませんでしたが、綺麗に手入れされた杉と杉の合間からの木漏れ日が射して、凜とした美しさがありました。

吉野杉 地球温暖化対策 気候変動問題

今回は、120年ものの吉野杉を伐採するところを見ることができる・・ということで職人一同大変楽しみにやってきました。

吉野杉見学 富山のものづくり 組子職人
聞き逃さないようにようにメモ。。

吉野杉見学 富山のものづくり ひのき伐採

吉野杉は「密植多間伐」(みっしょくたかんばつ)とよばれる方法で杉を育てます。

「みっしょく」とは、一ヘクタールの場所に約一万本の苗木を密集させて植えます。この方法で植えると木が横に広がらず、木がまっすぐ上へ上へと伸びます。(木は生き物なのでたくさんで競争することで日光に当たるために生存競争するそうです。)

たくさんの苗木は、2年ほどで最初の間伐(良い木だけを残す)を行い、その後5年、10年と間隔を延ばして最終的には1%(100本だけ)残すそうです。長い時間をかけて手間をかける仕事です。。こんな風に何度も間伐や枝打ちを繰り返すことで、節が少なく木目が細かくなり、上から下まで幹が同じ太さになり、丈夫な木が育つとのこと。

今回伐採した杉は120年前に植えた木ですが、その時の記録が今でも残っており、その記録を元に伐採計画を立てるのだそうです。ちなみに室町時代から植林が始まって以来、この制度は500年続いているとのこと。(18代続いているそうです)

自分が植えた木が製品になるところをみることができない(孫やその子にその仕事を託す)気が遠くなる伝統の製品づくり。日本が誇る林業です。

この地域(川上村、黒滝村、東吉野村)には山守(やまもり)という木を管理する制度が残っており、村民達がこの制度を担っているのですが、1500人もいた山守が、現在では15人だけとのこと。安い外国産の木材の普及で引き合いがなっているという現実があるようです。外国産の木材を使っている日本の住宅・家具メーカーにはぜひ国産木材に切り替えてもらいたいですね。

(ちなみにタニハタは2018年8月に国産材使用率が100%になりました。そのうちヒノキ材が約七割、杉材が約三割ほどです。吉野材は二割前後の使用量です。)

ところで私達建具屋は「天然木」と「人工木」では「天然木」の方が貴重で良いもの、という意識が働きます。(天然木には秋田杉、屋久杉、青森ヒバなどがあります。)しかし、「人が手をかけて育てる人工林だからこそ良い木材になる」と自信をもって話しをされる姿をみて人工林に対しての意識が大きく変わりました。

午前、山で木の伐採を見学したあと、午後は吉野川の川下にある製材会社を見学いたしました。

吉野杉見学 富山のものづくり 川上村 奈良

木は標高500メートル~くらいの場所で育ちますが、それを細かく挽き割る作業(製材する場所)は山の麓(川下の里)になります。今ではヘリコプターやトラックで木を運びますが、それらがない時代は、「川・水運」を利用して里まで木を運びました。吉野に限らず、今でも川沿いに製材業者が多いのでそんな理由からです。

吉野杉見学 タニハタ 組子職人

吉野杉伐採見学 タニハタ 組子職人

吉野杉伐採見学 タニハタ 組子職人 切削

木の直径、長さ、材質に応じて人の目で確認しながら選別、加工を行います。

機械を操作して製材する人を「ハラオシ」、カットした木材を受け取る人を「ハナトリ」というそうです。こういうところは我々組子職人の世界と同じで長い経年がものを言う世界のようです。木を人の目で選別しながら少しでも良い材料がとれるように製材を行います。
吉野杉見学 タニハタ 組子職人 視察

整然と綺麗に並べられた製材品。 杉材とヒノキ材が並んでいます。

吉野杉伐採見学 タニハタ

真っ直ぐで目の細かい木目。色も綺麗で節もなく、これぞ吉野杉、という感じです。

今回は 奈良県庁 奈良の木ブランド課の方達のおかげで実現しました。(こういう部署があるところがすごい!)

持続可能な循環型社会の構築が、現在必要とされていますが、目先だけみると「木を伐採する」という行為は、二酸化炭素排出量削減で考えるとNGの行為ですが、「木を伐採した後に植林し時間をかけて適切に木・林を管理し続けるシステム」を守ることは、地球温暖化を食い止めるために大変重要なことです。
こういう日本の林業システムが減少し、森林が破壊され減少することが問題です。(昨年の千葉の台風被害でも大きな問題になりました。もちろん杉花粉の問題も。)

私達日本に住む木工業者は、海外産の木材ではなく、日本の木材を使い、山で大切に育てられた木材を無駄なく使用し、いつまでもお客様に大切に使ってもらえる製品づくりを続けること。それを実行し継続して続けること。木を守るためには、吉野のような日本の林業システムを守る、という我々加工業者の強い意識も必要かと感じました。タニハタは社員数20人の小さな会社ですが、微力ながらアピールしていきたいと思います。

帰りは、日本最古の木造建築「法隆寺」を見学して帰りました。
吉野杉伐採見学 タニハタ 法隆寺へ

私達が製作している「組子」の原点もここにあると思っています。

万字崩しの格子、枡格子、筬組子・・・何度も来ていますが、いつもいろいろな発見があります。(今回は建築に詳しい説明員の方を事前にお願いしていました。)
法隆寺見学 タニハタ社員旅行
法隆寺見学 タニハタ 組子職人 法隆寺見学 タニハタ 組子

1本1本の太い柱に驚いていたら説明員の方が「一番下の写真のように太い木から何本も木を削りだすんですよ」と言われてびっくり。太い木は真ん中の芯の部分が腐りやすく問題がでやすいので柱としては避ける、とは聞いていましたが。。

大工道具もまだまともにない頃のモノづくり・・・1400年前の職人の心意気を感じながら奈良を後にしました。

(富山到着23時30分になりました。早朝見た満月がまた出ていました。)
先週の高山研修も含めていろいろ考えることが多い研修でした。

吉野杉伐採見学 タニハタ 組子

吉野杉 タニハタ 組子職人 ものづくり

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